小林先生からの御批判

 先日(5月20日)の私のブログ記事に関して、花水木法律事務所の弁護士小林正啓先生がご自身のブログで、批判を書いておられます。

http://hanamizukilaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_d270.html

 小林先生のブログは、綿密な検討に支えられた文章が素晴らしく、非常に読み応えと説得力のある文章が特徴です。実は私も増員問題に関する小林先生の記事は非常に参考にさせていただいています。
 

 小林先生も、私が述べたように「法律家を目指す方が減少し、優秀な方を法曹界に導くことが難しくなってきた傾向が顕著に表れ始めた」という結論には、(あくまで結論的にはという限定ですが)「『直感的』には正しいと思う」と、賛成して下さっているようです。ただ、私の主張は論理的ではないというのが小林先生の御主張です。
 小林先生は、私が新旧司法試験の合格率を引き合いに出したことを指摘し、その点に関し緻密に御主張を組み立てて批判しておられます。さすがに小林先生というべきで、非常に論理的且つ明快な反論をされておられます。

 ざっと見たところ私の方から、敢えて小林先生に反論できるとすれば、重箱の隅をつつくような反論しかできないように思います。それは、(入学時に新司法試験合格率5割の法科大学院に入れば、卒業時にも新司法試験合格率が5割であるという仮定等や、おおざっぱな計算は別として)、合格率の比較のために御主張された、(無理矢理新旧司法試験の合格率を比較するなら)旧司法試験の志願者に「遊び受験」と「滞留」の要素を加味して修正を加えようというお考えくらいです。

 小林先生のおっしゃる「遊び受験」要素の修正とは、そもそも競争に値しない者を含んだ合格率の算定は不正確であるので排除すべきだという意味だと思います。そうだとすれば、「遊び受験」とほぼ同様の実力しかない者が相当数法科大学院の学生に含まれていることは、私がブログで引用した司法試験委員会のヒアリング(「学生のうち、3分の1は箸にも棒にもかからない」)でも明らかですから、その情報が正しいのであれば、特に「遊び受験」の要素を過度に重視する必要はないように私には思われます。

 次に、小林先生の御主張される「滞留」要素の修正とは、新旧で司法試験の制度が違うので、旧司法試験では滞留の要素がなかったとして合格率を算定すべきとの御主張のようです。しかし、仮に考慮するのであれば、旧司法試験で滞留者がなければこれだけ合格していたはずだと、旧司法試験の合格率を計算上で高めるためだけに用いるのはフェアでないと思います。実際の受験回数3回以内の者の合格率は相当低かったわけですし、仮に滞留者を排除して、ずいぶん合格しやすくしていれば志願者も更に増大した可能性が高いからです。志願者が増えれば合格率は下がっていくはずです。

 (実際、旧司法試験時代には、合格の順番待ちとまでいわれる実力者が多数滞留していましたが、それでも受験生は年々増加傾向にありました。この現象はやはり、法律家の職業の魅力によるところが大きかったのではないかと、私には思えます。)

 ・・・・でも、あまりこのような子供みたいな反論ばかりしていると小林先生に笑われてしまうでしょうね。確かに、小林先生のおっしゃるとおり、制度が違う場合の比較は困難であることは事実です。

 ただ、法曹の魅力という数字では計れないものを主張する際に、100%論理的に主張ができるのかどうか、100%論理的にでないと他の方を本当に説得できないのか、については、私にはまだわかりません。

 私の主張は大抵、未熟なものではありますが、小林先生に今後ともご指導・ご鞭撻頂ければと思っていることを、この場を借りて、申しあげたいと思います。

法科大学院志願者減少

 本日の主要新聞朝刊に、法科大学院の志願者が減少していることが報道されています。

 法律家を目指す方が減少し、優秀な方を法曹界に導くことが難しくなってきた傾向が顕著に表れ始めたのです。

 法科大学院制度の欠陥と合格者大量増員から、当然の結果というべきでしょう。

 この点、文科省は「新司法試験の合格率の低さが影響しているのではないか」と分析しているようですが、文科省が管轄する法科大学院をかばうためのまやかしに過ぎません。

 どんなに合格率が低くても、法律家が魅力的な仕事であれば志願者は増えます。昔の司法試験は合格率が2~3%でしたが、 試験制度をいじくった時を除いて原則として志願者の増加傾向は変わりませんでした。

 新司法試験は、合格率が旧司法試験から10倍以上に跳ね上がり、極めて合格しやすくなりました。それにもかかわらず新司法試験に挑戦し、法律家になろうとする人が減っているのです。

 これは、合格者の大量増員により職業としての魅力が失われてきたということが最も大きな原因です。つまり、無計画に合格者を増員した結果、新人弁護士の就職難が次第に報道され、合格者の大多数の進路となる弁護士の資格を手に入れても、食えない危険が高まったからです。

 そもそも、弁護士の仕事自体は、直接人の法的トラブルを解決するという点において、医師にも匹敵するくらい、人のお役に立てる場合がある職業です。仕事自体のやりがいは十分あります。

 しかし、その仕事が今後食えなくなっていく可能性が高い仕事であった場合、志願者は増えるでしょうか?どんな人であれ、仕事をして食べていかなければなりません。家族を養う必要もあります。それにも関わらず、いくらやりがいがあって、合格率が昔の10倍以上になったとはいえ、高いお金を出して法科大学院に進学しなければならず、既に就職できない者も存在しているのに、更に増員され、将来確実に過当競争になる仕事を目指す人が増えるでしょうか。

 答えは明白です。

 また、旧司法試験は学歴は一切不問でした。義務教育しか受けていない人であっても会社務めをしながら独学で勉強し、司法試験に合格しさえすれば法律家になることができました。しかし、今の法科大学院制度は、原則としてまず大学を卒業する必要があり、次に法科大学院に進学し卒業しなければならず、さらに合格後の司法修習も自費で行わねばならなくなります。お金のない人は非常に多額の借金をして法律家を目指さなければなりません。

 富裕層の子弟であれば、学費はそう心配いらないでしょうから、合格率が上がったというメリットだけを享受できる制度です。しかし、そうでない方にとっては非常に法律家になることを困難にする制度、それが法科大学院制度なのです。

 さらに、文科省の責任として、法科大学院自体をあまりに多数認可しすぎた事実があげられるでしょう。もともと法科大学院制度は、①多数の志願者から厳選された法科大学院生をきっちり教育し、②厳しく卒業認定をし、③その卒業できた者を合格率の高い新司法試験で最終的に選抜するという計画だったはずです。

 ところが、各大学が法科大学院を売り物にして学生を呼び寄せようと考え、文科省が無計画に認可をしたため、多数の法科大学院が乱立することになりました。そのため、たいした競争もなく法科大学院に進学できるようになり、①の多数の志願者から厳選されるという第1段階の競争が全く働かなくなりました。また、あまりに多数の法科大学院が乱立したため旧来の司法試験合格者レベルすら知らない学者教員が、学生を教育することになり、どのレベルまで教育すればいいのかわからない状態で見切り発車したのです。

 さらに、②の厳しく卒業認定をするという第2段階の競争も有名無実化しています。日弁連法務研究財団に対する司法試験委員会のヒアリングによっても次のような指摘があります。

 ・例えば、学生のうち、3分の1くらいは箸にも棒にもかからないという先生が多い。にもかかわらず不可の比率が多くないということはかなり問題なのではないかなという気がする。

 ・新司法試験の考査委員からヒアリングを実施したところ、基本的理解ができていなかったというような指摘があった。

 結局、これまで大学で多数落第させる文化がなかった日本では、本来出来の悪い学生を落第させなければならない法科大学院でもその文化的影響を受け、落第させることができなかったということです。つまり、②の厳しく卒業認定するという、第2段階の競争も実質上は無意味となっているということです。

 ③に関していえば、次のように言えます。本来、①の法科大学院の入口で、次に、②の法科大学院の出口で、競争で勝ち抜いたものだけが受験できるはずであったのが新司法試験でした。しかし、①・②の競争が実質上あまりに緩やかで殆ど競争させなかったため、受験者数が増加し、結果的に合格率が下がったということなのです。それは、文科省の無計画な法科大学院認可と相俟って、当然生じた結果なのです。

 つまりこの新司法試験の合格率の低下は、無計画な法科大学院を認可した文科省と、きちんと教育・卒業認定をしなかった法科大学院が自ら招いた失敗です。

 ところが、文科省も法科大学院も自らの失敗を認めようとせず、合格者を増やせば解決すると主張します。

 文科省や法科大学院のいうことは本当でしょうか?

 仮に、更に合格者が増えると、競争が緩くなるので、これまで何度も指摘してきたように更に合格者のレベルはダウンします。それはつまり信用できない法律家がどんどん世の中に出ていくということです。これからは、富裕層や大企業のように資力や調査能力のある資産家はその力でよい弁護士を捜せるでしょう。しかし、そのような手段を持たない一般の方々は、今までのように資格があるから大丈夫だろうと、弁護士を信頼することはできなくなります。

 そうなれば、更に司法に対する信頼が失われ、人々は司法制度を利用しなくなります。そうなれば、更に法律家は食うに困り、職業としての魅力は失われていきます。そうなれば、更に法律家を目指す人が減り優秀な人材が法曹界に来なくなります。そうなれば、優秀な法律家が生まれなくなるので更に司法に対する信頼が失われます。

 そうなれば・・・・・・・・・結局、得する人と損する人は明らかだと思います。

公的刑事弁護費用の比較

 弁護士の担う、公的な活動の一つとして最も知られているのは、国選弁護などの公的な刑事弁護です。

 この公的刑事弁護にかかる日本の予算は96億円です。これに対し、

 アメリカは5100億円、イギリスは2600億円、フランスは130億円、ドイツは145億円だそうです。

 国民の数が違うので、国民一人あたりの一年間の支出額に直してみると、

 アメリカは、1781円、イギリスは4353円、フランスは220円、ドイツは176円です。

 これに対し日本はわずか76円です。

 欧米並みに、法曹人口を増加させろとの主張は、欧米のような大きな司法制度を作っていくということですから、法曹人口は増やすが司法の予算も増やすということが大前提でした。しかし日本では司法予算は殆ど増大していません。国選弁護等の報酬を時給換算しても、参考数値ですが、日本の国選弁護の時給は欧米の半額以下であることが報告されています。

 このように公的弁護に関して日本の弁護士は、世界平均の半額以下の時給ですから、国選弁護をする弁護士はその仕事に関して、国際的水準から見れば半分以上自腹を切ることになります。つまり、国際的に見ても半分以上はボランティアと考えられる程、報酬の少ない国選弁護の仕事を、自らの使命に鑑みて耐えてこなしてきたと言うべきなのです。

 一方で「法曹人口を欧米並みにして競争させればいい、食えない弁護士がでても良いじゃないか」と言いながら、他方では「予算は出さないが(弁護士は食えるだろうから)、国選弁護をボランティア的に欧米の半額以下でやれ」と言うことは明らかに矛盾しています。

 規制改革会議のお偉い大学教授の先生方は、すぐに欧米並みの法曹人口を連呼されますが、司法予算が増加しない現実を意図的に無視してお話をされているようで、片手落ちと言うしかない議論をされていることが殆どのように思われます。

法曹人口問題PTその5

法曹人口問題PT(プロジェクトチーム)の第3回会議が行われました。今後に向けて、様々な手続に関する時間的制約があることから、毎週会議が設定されています。今回は約300ページの参考資料が配付されました。次回までにある程度目を通さなくてはなりません。

 また、PTでは、会議の場だけではなく、Eメールでも情報のやりとりや、議論が交わされています。私は、増員反対の立場の中でも、かなりきつく意見している方に分類されているようです。

 多くの大先輩の方々がおられるので、もう少し穏やかに進行させるべきなのかもしれませんが、私の感覚では、もはやこの増員問題は非常に危機的な状況にまで来ていると思われるので、敢えて言いたいことを歯に衣着せず、主張させて頂いています。

 私の暴走気味の発言にも関わらず、決して軽視することなく対応して下さるPTの諸先生方には、本当に頭が下がる思いですし、錯綜する議論を上手にまとめて進行させていく、佐伯照道座長や、副会長の諸先生方はさすがだな、と感じることも度々です。

 しかし、どうしても感じてしまうのは、やはりこれまで経済的に成功してこられた大先生方は、若手の危機感について、(理解しようと努力しておられるのでしょうが)若手と同程度の危機感を持つのは難しいのだということです。

 人間はどうやっても、判断をする際に自らのこれまでの経験に基づいて判断をしてしまうことが殆どです。

 他人の様子から、その方の痛みを想像することは可能でしょう。しかし、他人の本当の痛みを知るには、実際には不可能でしょうが、その他人と同じ境遇に陥ってみるか、同じ傷を負ってみるしか手段はないのではないでしょうか。

 だからこそ、増員問題について、現に痛みや危機感を持つ方々のご意見が必要ですし、重要だと思うのです。

 法曹人口問題PTでは、5月13日に、法曹人口問題に関するアンケートを、大阪弁護士会の会員に配布しました。アンケートに対する回答という限られた手段ではありますが、痛みや危機感を感じておられる方のご意見を、少しでもリアルに伝えていけるチャンスではないかと思います。

 お忙しいとは存じますが、是非ともアンケートにご協力頂けると幸いです。

法曹人口問題PTその4

 法曹人口問題PTが動き出しました。

 まず、会内の意見を推し量るために、アンケートを実施することが必要ということで、岸本由起子先生、西村隆志先生と共に、現在、私はアンケート作成班に参加しています。

 藤井薫先生のアンケート案の他、委員の方々のご意見も頂きながら、偏った質問にならないように、公正に意見を聞く内容にするために、結構な時間をかけてアンケートを作成しております。こういう活動をしていると自分の仕事をする時間がなくなっていくので、結構辛いのですが、この問題は弁護士全体の将来に関わることですし、放っておいても何の解決にもならないので、当事務所の他の弁護士の支援も受けながら、なんとか時間をやりくりしているところです。

 そこで、驚いたのが、アンケート班の作業に佐伯座長の他、上野会長や副会長の方々も顔を出して下さったり、討議に参加されたり等、相当積極的に参加して下さって、一緒に考えて下さることです。

 どうせえらい人は、若手にやらせるだけやないかと考えていた私にとっては、ちょっと意外でした。

 私としては、若手として意見を述べることが役目の一つと考えておりますので、「司法改革によるこの増員は、本当に国民の方々のためになるのか。結果的に経済界・富裕層のための司法改革になっているのではないか。法曹の質の低下の危険が既に現実化していることを知るべきだ。増員問題のひずみ(被害)は殆どが若手に押しつけられているが、えらい方々は、本当に若手の痛みをわかっているのか。」、などPT会議やアンケート作成班内で結構言いたい放題言わせて頂いています。無論、反論も受けますが、できる限り、おかしいと思うことはおかしいと述べているつもりです。

  アンケート案自体は、できるだけ多くの弁護士の意見を聞くことが目的ですから、可能な限り公平・公正に作っていったつもりです。

 アンケート案は、PT会議で承認されれば、5月上旬~中旬に、大阪弁護士会会員に配布される予定です。

 特に若手の弁護士の方には、法曹人口問題に関して意見を表明する一つのチャンスだと思います。

 もし大阪弁護士会の方で、当ブログをご覧になっている方がおられましたら、法曹人口問題について、問題があるとお考えの方も、そうでない方も是非真剣にお考え頂いて協力して頂けると助かります。

法曹人口問題PT~第1回

 法曹人口問題PTの第1回が開催されました。

 座長は佐伯照道先生に決まりました。

 このようなPTが初めてでしたから、どこに座るべきかわからず、勝手に奥の方が上席だろうと思って、そっちを避けたら、図らずも弁護士会副会長の方々の隣に並んで平然と座ってしまうことになってしまいました。

 弁護士会の副会長の方々のお顔もあまり知らない私が悪かったのかもしれませんが、別に弁護士会の副会長だからといっても、弁護士としては平等だし、弁護士会費だって変わらないんだから、まぁええか、と思い、(もちろん先輩としては立てますが)結局あまり遠慮もしませんでした。

 さて、法曹人口問題に関して、大阪弁護士会で決議するには、PTで決議案をまとめて、大阪弁護士会会員に意見を聞き、その上で常議委員会にかけてからになるようです。

 結構手間暇がかかるのですが、まず大阪弁護士会所属の弁護士の方々のご意見を、聞かなければなりませんから、まずアンケートということになるようです。

 私個人としては、会長にも総会に議案提案権があるので、5月の定例総会に決議案を出して頂きたかったという希望はありますが、会員の意見の反映という点でその方法は劣るのでしょう。

 ただ、決議に関して、今までの各弁護士会などで行われた増員反対の決議に関して、マスコミから弁護士のエゴだと誤った批判がなされてきていることは無視できません。そのあたりをどうわかりやすく、説得的に決議案に盛り込むかが難しいところのようです。

 あまり遠慮しないのが私の長所かつ短所なので、そこそこ発言させて頂きました。とにかく、弁護士が国民の方にとって安心して頼れる存在であり続けるために、もがきながらも微力を尽くすつもりです。

 遅すぎるかも知れませんが、まだ手遅れではないと信じて進むしかありません。

 なお、このPTのために貴重な情報をご紹介して下さっただけではなく、ご自身の論文をご提供して下さった兵庫県弁護士会所属の武本夕香子先生、誠に有り難うございます。この場を借りて、御礼申しあげます。

上野会長からの回答

 先日、大阪弁護士会上野勝会長に、法曹人口問題PTについて、質問をいたしましたが、その回答が上野会長より届きましたので、ご報告致します。

(以下回答)

2008年(平成20年)4月21日

弁護士 坂野 真一 殿
弁護士 加藤 真朗 殿
弁護士 冨宅  恵 殿
弁護士 吉村 洋文 殿
弁護士 久保 陽一 殿

ご 回 答

大阪弁護士会 会長 上 野  勝

 平成20年4月11日付の質問状に対して以下のとおり回答します。
 私は選挙の際の公約を実現すべく努力をしております。そのためには、会務の継続性に配慮することが重要であると考えております。
 このような観点から、公約を実現するためには前記のとおり司法法改革推進本部が昨年度4回開催した連続シンポジウムでの検討を踏まえる必要があると考え、本年4月1日の正副会長会議で法曹人口問題PTを設置しました。その検討結果を受けて法曹人口問題について会内合意を形成して外部に発信する必要があると考えております。
 なお、上記PTには若手の会員にも参加してもらうことを考えております。
 また、他方で幅広く会員の皆さまのご意見を聞くことも考えております。
 以上のとおり、会内合意形成を図るために弁護士会として必要な手続をふまえて、公約を実現するということを考えておりますので、ご理解をいただきますようお願いいたします。

以上

(回答ここまで)

 結局、私達の疑問である、法曹人口問題PTと大阪弁護士会の意見表明の関連等については、明確なご回答を頂けませんでしたが、それはPT内部で解るというおつもりなのかもしれません。会務の継続性についても、それが決議案提出を遅らせる理由になるのか、私個人にはよくわかりませんが、それもPTに参加すれば分かるということなのでしょうか。

 そうであるならば、PT内部での議論をできる限り公開し、幅広く会員全員で検討して頂く方法も考える必要があるように思います。その必要性をどのように実現するかは、PTを見てから判断しようと考えております。

 ただ、私の法曹人口問題に対する考えが正しいとは限りません。また、私は必ずしも大阪53期の弁護士全員の意見を代表している立場にあるわけでもありません。ですから、53期大阪の弁護士の方(もちろん他の期の方でも構いません)で法曹人口問題PTに、このような意見を伝えて欲しい等とご希望される方がおられるやもしれません。その際は、坂野まで直メール・FAXをいただくか、MLでお伝え下さい。

 頂いた、貴重なご意見をPTにあげていくつもりです。

 せっかく、物を言う機会ができたのですから、真剣に考えてみて、どうしてもおかしいと思うところは、「おかしい、改善すべきだ」と声を上げていきませんか?

 黙っていては、何も変わらないし、何も変えられないのだと思います。

法曹人口問題PTその3

 本日、私の手元に法曹人口問題PT(プロジェクトチーム)選任の内定通知のようなものが届きました。

 選任された委員の構成を見ると、20期代1名、30期代11名、40期代6名、50期代10名、60期代2名と相当50期代以降を参加させていることが解ります。

 私は寡聞にして、どの先生がどのようなお立場でおられるのかは、よく知りません。

 しかし、今般会長委嘱で選任された52期の増田尚先生は、これまでもご自身のブログを通じて、増員問題に関して非常にしっかりとした御主張をされている先生です。ですから、増田先生をPTに招聘されたということは、上野会長は増員反対問題(決議を含む)に対して、相当本気である可能性が高いのかも知れません。

 おそらく、現日弁連会長が大阪弁護士会所属の宮﨑会長であることから、日弁連執行部からの圧力が、上野会長にかけられていることは、可能性としては十分ありえます。

 さて、そのような圧力があるかも知れないこの大阪で、この法曹人口問題PTが、どのようなプロジェクトチームとして活動することになるのか。ひょっとして、エライ先生方からの圧力がかかったりするのか。

 私としては、微力ながら、できるだけ、皆様にご報告していければと考えております。

法曹人口問題PTその2

 先だって、大阪弁護士会会長選挙で、上野勝会長が選出されたことは、ご記憶に新しいところだと思います。
 ところで、先日、上野会長率いる執行部が、法曹人口問題PT(プロジェクトチーム)を立ち上げるという噂を耳にしました。
 仮に、プロジェクトチームを立ち上げて、のんびりと法曹人口問題の弊害の検証からはじめるのであれば、到底、上野会長の任期内に大阪弁護士会としての意見表明は困難だと思われました。
 そこで、イデア綜合法律事務所パートナー弁護士は、大阪弁護士会上野勝会長にどのような趣旨で法曹人口問題PTを立ち上げられるのか、その真意を聞かせていただく必要があると考え、質問状を出すことになりました。
 この質問状は、既に平成20年4月14日に、大阪弁護士会上野勝会長に届いていることが配達証明にて確認されています(ただし、私への会長委嘱としてのPT参加要請と入れ違いになってしまったことは既に私の4月14日付のブログで記載したとおりです。)。
 先だって、日弁連会長に質問状を出した際と同じく、上野会長からのお返事が頂ければ、(書式は違ってしまうかも知れませんが)一切手を加えずに当ブログに掲載する予定です。

(以下、質問状です。)

質 問 状

前略 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

 先日、上野会長率いる大阪弁護士会執行部が、法曹人口問題PTを立ち上げるとの噂を耳に致しました。しかも大阪弁護士会常議員会で、PTの構成は30名程度で、司法改革本部から4名、司法修習、法曹養成、刑事弁護、業務改革、研修、就職支援から各2名、会長委嘱として若干名とお聞きしましたが、この噂は事実でしょうか。
 以上の法曹人口問題PT設置と、その構成内容の噂が事実であることを前提に、上野会長にお尋ねしたいことがございます(万一、噂が事実でない場合は、ご容赦下さい。真剣に法曹人口問題を考えるが故の若手の勇み足としてご海容下されば幸いです。)。

 法曹人口問題を、最大の争点として会長選挙を勝ち抜かれたわけですから、上野会長には、当然上記問題に関心を持つ会員からの質問にお答え頂くべき立場におられると私達は考えます。

 なお、本質問については、当事務所ホームページ(アドレス:www.idea-law.jp)内の坂野のブログに公開させて頂くものとし、上野会長のご回答も、そのまま公開させて頂く予定です。希望があれば写しを配布することも考えておりますので、ご承知おき下さい。
 お手数ですが、回答につきましては4月20日までに頂けますようお願い致します。

(以下質問事項です。)

1 上野会長は、合格者3000人路線「即時見直し」を公約に掲げられ、即時見直しとは、2010年3000人という閣議決定の見直しを求める行動を大阪弁護士会として直ちに開始するべきだという意味で説明され、具体的には大阪弁護士会総会において2010年3000人という計画の見直しを求める決議を行ったうえで、日弁連、全国単位会に大阪弁護士会の意見として発信していくと公約されました(上野候補選挙特集Vol.3)。
 ① 大阪弁護士会定期総会は例年5月に開催される予定ですが、定期総会で上野会長が公約された2010年合格者3000人計画即時見直し決議を提案される予定はありますでしょうか。
 ② 大阪弁護士会定期総会が5月27日、日弁連総会が大阪で開催されるのが5月30日とお聞きしていますが、大阪弁護士会から3000人即時見直しを日弁連、各単位会に発信するには絶好の機会と存じます。定期総会で決議案を提案されない場合、何故、絶好の機会を見送って決議案を提案されないのかを明確に説明して頂けませんでしょうか。
 ③ 大阪弁護士会定期総会に3000人即時見直しの決議案を提出できない場合、いつ如何なる方法で決議をとるのか、その方法、時期について、具体的に明確にして説明して頂けませんでしょうか。

2 次に法曹人口問題PTについてお伺いします。
 ① 今般設置されたと聞く、法曹人口問題PTとは、具体的には何をどう検討するPTなのでしょうか。
 ② 大阪弁護士会として、3000人即時見直しの決議をすることと、この法曹人口問題PTはどのように関連するものなのでしょうか?
 ③ 万一、3000人即時見直し決議と、上記PTが関連する場合(例えば、上記PTが3000人即時見直し決議をすべきでないとの結論を出した場合、大阪弁護士会として上記決議をとらない等の場合)、公約違反となるおそれがあると思われますが、それについて如何お考えですか?
   (ちなみに、上野候補選挙特集Vol.3「私の決意」末尾の部分では、「私の政策の中には、今までの弁護士会の考え方と違う部分もあろうかと思います。特に3000人体制の即時見直しなどはそうかも知れません。しかし、このような選挙公約を表明している私が会長に当選させていただいたとしたら、会員の総意はこれまでの考え方に方針転換を求めているのだとはっきり示すことができます。そしてその方針転換を実現することが皆様のお力で当選させていただく私の使命だと確信しています。」と明言されています。)
 ④ 上野会長は、会長選挙において他候補の「増員という流れにブレーキをかける。」「対策プロジェクトチームを設置して、種々の課題を調査し、対応策を検討する。」との公約に対して、「検証していたのでは遅い」「このような調査、検討をしていたのでは同じく遅すぎるし、具体的な行動とはとてもいえない。」と批判されています(上野候補選挙特集Vol.3参照)。
   現在具体的な行動として何を行っておられますか、明確に説明して頂けませんでしょうか。
 ⑤ また、上野会長が今般設置を決定されたといわれている、法曹人口問題PTは他候補の主張した対策プロジェクトチームとどこがどう違うのか、具体的に明確に説明して頂けませんでしょうか。
 ⑥ 万一、法曹人口問題PTが、他候補が会長選挙で提示したPTの域を出ない場合、公約違反になるのではないでしょうか?
 ⑦ 法曹人口問題に関して、上野会長は、新人弁護士の就職難・待遇悪化等、増員問題は若手にとって非常に犠牲を強いている問題であることを認識されておられますか?
 ⑧ ⑥を当然認識されている前提でお聞きしますが、法曹人口問題PTには、若手(少なくとも40期以降、できれば50期以降の会員)をどれだけ参加させる方針で設置を指示されましたか。それとも若手の参加を全く指示をされていないのでしょうか?
 ⑨ 仮に⑦で若手会員の参加を指示していない場合、それは何故ですか?最も法曹人口問題で犠牲を被る、当事者ともいうべき若手をPTに参加させずに、真の法曹人口問題を検討できるとお考えになる根拠はどこにあるのでしょうか?

平成20年4月11日

大阪弁護士会 会長  上  野   勝  殿

〒530-0047
 大阪市北区西天満4-11-22阪神神明ビル901号
               イデア綜合法律事務所
弁護士  坂   野   真   一
弁護士  加   藤   真   朗
弁護士  冨   宅       恵
弁護士  吉   村   洋   文
弁護士  久   保   陽   一
電 話 06-6360-6110
FAX 06-6360-6120

(質問状ここまで)

法曹人口問題PT

 ちょっと困ったことになりました。

 今朝、大阪弁護士会副会長から直々のお電話があり、法曹人口問題PT(プロジェクトチーム)を立ち上げるので会長委嘱として、私に参加してくれないかというのです。

 実は、大阪弁護士会上野勝会長が法曹人口問題PTを立ち上げるという噂は既に私達は聞いており、結局いつも通りの各委員会からの選抜と各会派からの選抜という構成らしいとも噂で聞いていました。そんな構成なら今までのPTの枠をはみ出るものではなく、結局はプロジェクトチーム立ち上げで増員反対派のガス抜きをして誤魔化すつもりかもしれないとも考えられたものですから、先週の金曜日に私達は上野会長宛に質問状を発送したばかりだったのです。

 うがったものの見方かも知れませんが、これまで若手は弁護士会執行部にいいようにされてきたので、エライ先生方の執行部をあまり信用ができなくなっている部分もあり、このような行動をとらざるを得なかったのです。

 質問状については、上野会長に送達されたことが確認されてから公表させていただくつもりですが、その質問状と入れ違いに、会長委嘱が来てしまったので、少し困ったのです(副会長はまだ私達が質問状を出した事実を知らないようでした。)。

 私は、兵庫県弁護士会の武本夕香子先生(私の2月1日のブログ参照)ほど、この問題に精通しているわけでもなく、まさに浅学非才の身というしかありません。ただ、このままではいけないという思いを若手の多くは持っており、その中で、このまま黙っていてはいけないという気持ちに関しては、比較的強く持っている方だと思っています。

 私の弁護士会副会長への回答は、PTがお茶を濁すような内容であれば参加しないが、前向きな内容であれば参加を検討させていただきます、としておきました。

 仮に私がPTに入ることができれば、どんな問題が法曹人口問題PTでおきているか、どれだけ法曹人口問題について真剣に執行部が考えているのか否か、くらいは、皆さんにご報告できるかも知れません。

 とりあえず、私達イデア綜合法律事務所の上野会長への質問状は近日中に、当ブログに公開するつもりです。