国選弁護事件報酬の過大請求についてマスコミ各社が報道している。
法テラス発表の資料によると、
被疑者国選全件調査において
過大請求件数 221件(151名)
過大請求額 4,099,170円
だったそうだ。
確かにこれだけ見れば、とんでもない弁護士がいるのではないかと指摘されてもやむを得ない面もないではない。過大請求となってしまった理由として、記載ミスや、記憶違い等があげられており、一般の方からご覧になれば、そんなミスなど理由にならず、過大請求がこれだけあるのなら、弁護士が故意にやったのではないかと思われるかもしれない。
しかしこれだけで弁護士が「故意に」不正ばかりやっていると即断することは誤りだ。
何故なら、全く同じように記載ミスや記憶違いの申告による過少請求もあるからだ。
その件数は、被疑者国選全件調査において
過少請求件数 511件(402名)
過少請求金額 推計1,000万円
つまり、記載ミスや記憶違いによる過少請求の方が過大請求よりもはるかに多いのだ。
この事実からすると、確かに一部弁護士が故意に過大請求を行った疑いは払拭できないものの、多くの弁護士は、きちんと記録をしておらず弁護活動の内容がよく分からなくなってしまった場合には、むしろ自分が身銭を切る手段を選択している可能性が高いように思える。
このような点について、マスコミはなかなか報道してくれない。過大請求の面ばかり取り上げてもう一方の過少請求は無視するところが多いようだ。
少なくとも皆様には、偏った報道に惑わされないで頂きたい。まだまだ善良な弁護士も多いのだ。
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