大阪弁護士会のLAC負担金に関して~ご報告

 台風直撃の影響で、常議員会が延期され、今日の常議員会は、2回分の決議・審議をしなければならない非常にタイトなものだった。案の定、予定終了時間である5時を大幅に超過しても終わらなかった。

 だが、8月8日のブログで書いたように、LAC案件の負担金に対する私の質問に対して、回答をすると執行部から約束してもらっていたので、来客との待ち合わせ時間を少し過ぎるまで頑張って、審議事項の最後までは出席していた。

 弁護士費用保険(LAC)に関して、①弁護士会が保険会社から依頼を受けて弁護士を紹介する紹介案件と、②弁護士が直接クライアントから依頼を受けて保険を利用する選任済案件、という2種類があることは前のブログでも記載したとおりだ。

 ①は弁護士会が弁護士に紹介する手間をかけているので負担金という発想も、ギリギリ理解できなくはないが、②に関しては全く弁護士会に手間をかけていないのでどうして自分の依頼者が弁護士費用保険を利用するというだけで7%もの負担金を弁護士会に納めなくてはならないのか、理解が難しいところである。

 前回の常議員会で、選任済案件に負担金を課している弁護士会はどれだけあるのか質問していたが、今日の常議員会でその回答が得られた。

 選任済案件に負担金を課している単位会は、全国で唯一、大阪弁護士会だけだということだった。担当副会長は神奈川、新潟の弁護士会にも確認してくれたそうだが、やはり今は負担金は課していないとの回答だったそうだ(かつて負担金を課していたかことがあるかは不明)。

 紹介案件について負担金を課している弁護士会は、担当副会長の調査のご記憶では13会だということだから、全国52単位会(弁護士会)のうち、紹介案件について負担金を課しているのはわずか25%の弁護士会にすぎないということだ。

 ということは、大阪弁護士会は、LAC紹介案件に負担金を課している少数派であるだけでなく、選任済案件にも負担金を課している全国唯一の弁護士会ということだ。

 おそらく総会決議を経てそのような負担になっているはずだし、執行部提案に漫然と賛成しているうちにこうなってしまったのかもしれないが、果たして、大阪弁護士会会員の多くは、選任済案件にも負担金を課されることを、ホントに納得しているのだろうか。

 選任済案件にも負担金を課す日本唯一の弁護士会という状況から考えれば、大阪弁護士会執行部のエライ先生方は、LAC案件などやらなくてもやっていけるので、あんまり深く考えてくれていないのではないか、との疑念を拭いきれない。

 また、他の多くの弁護士会ではたとえ紹介案件でも負担金を課さずにやって行けてるのに、どうして大阪ではそれができないのかという疑問も湧いてしまう。

 谷間世代に対する会費減額の大盤振る舞いをする前に、もっと他に、やることがあるんと違うのかな~、大阪弁護士会は。

う~ん授業改善報告書かあ・・・・。

 私は、縁あって関西学院大学の法学部と、法学研究科(大学院)で、春と秋に一つずつ演習講座を担当させて頂いている。

 ぶっちゃけ非常勤講師のお給料は安い。関関同立の非常勤講師は結構安めに設定されているとの、捨て置けない噂もあったりする。西宮北口から山の上にあるキャンパスまでタクシーを利用することや、事務所維持費を考えると完全赤字だったりもする。

 しかし、私は教えることが好きだったりするので、ちょっと大変でも講師を続けさせて頂いている。法学部で教え始めてからもう12年ほどになる。

 大学院では会社法についてお話しさせて頂いているが、法学部では、ペットに関する法律の諸問題と題して、ペットの法律上の扱いからはじまって、ペットがトラブルを起こした場合等の法的構成などについて、かなり実務家的視点を交えて、お話しさせて頂いている。

 最近、大学側から、学生による授業評価を実施するようにと、多くの講師もいわれているようだが、私も例にもれず、大学側から指示を受けた。

 そこで、学生にインターネットで授業評価を提出するように伝えた。

 先日、大学側から親展で、その結果が届けられた。

 結果的には全学平均や学部平均よりも高い評価を学生さんから頂いた。授業に関する10項目ほどについての学生さんの評価は、5点満点で5~4.5点であり、特に授業満足度は5点を頂いた。

 他の大学のある教授にお伺いしたところ、学生の評価なんか気にしてちゃダメですよ、とのお言葉を頂いたが、やはり評価してもらえると嬉しいものである。

 ところが、大学側は、授業改善報告書を出せというのである。

 私としては、ここまで学生さんに満足して頂けているのなら、改善する必要は、そんなにないんじゃないかとも思うのだが、おそらく、学生を募集する際に、うちの大学では、教員に対して、このような評価もして常に改善に取り組んでいると対外的に示せるし、文科省に対する対応も含めてこのような報告書を大学側は求めているのだろうと思う。

 大学側も、大変なんだな~と同情する反面、これだけ評価して頂いているのであれば、改善報告書が必要なのか?と、改善報告書を求める一律の扱いに対して、少し反発心を覚えてしまったりもするのである。

なんだかなぁ~・・・・某弁護士会のエライさん

 私は、7月19日のブログで、いわゆる谷間世代に対する弁護士会費・日弁連会費の減額は、筋違いであるとして反対する記事を書いた。

 そしてその記事の中で、

「日弁連執行部主流派は、良いだろう。自分達が主導して谷間世代救済を行ったと胸を張れるからだ。また谷間世代は会長選挙の際には相当大きな票田になりうることも、おそらくその背景にはあるのだろう。

 しかし、その実態は、他人の金(谷間世代以外の会員の会費)を使い、さも自分が救済したかのような顔をすることになるだけの話だ。」

と記載した。

 今でもその考えは変わらないが、弁護士会単位で谷間世代に対する弁護士会費を減額することを決議した某弁護士会所属の方から、やっぱりなぁ~(もしくは、なんだかなぁ~)と思われる話を耳にした。

 大阪ではない、西日本の某弁護士会でのお話である。

 その某弁護士会では、会長をはじめとする執行部が音頭をとって、谷間世代の弁護士会費減額を提案し、総会で可決した。
 当時の会長は、総会のあとに谷間世代の弁護士複数から、(弁護士なら誰だって、弁護士会費が減額になれば助かるのだが)「先生のおかげで助かります!」などと言われ、「若手のためにできることはやる!」等と、胸を張ってカッチョイイお答えをされていたようだ。
 まあ、そのような受け答えからすれば、その会長さんは、若手のために可能な限りの尽力をするというお立場のようなので、もちろん、私的な部分でも若手のために可能な限りの尽力をなさっていると、普通思うだろう。
 そのお話を聞いたとき、私もそう思った。

 しかし実態は違った。

 少し話が飛ぶようだが、ご存じのとおり、司法修習のうち弁護修習は弁護士事務所に割り当てられて、そこで弁護士業務に関する修習を行う。弁護士としては、机やスペースを用意するだけでなく、まだまだとても戦力にならない修習生に起案させたり添削したり、法廷に連れて行ったり、相談に同席させたり等、手間ばかりが相当かかる。
 司法修習生を弁護修習のために事務所に受け入れることは、内容的にはほとんどボランティアに近い、はっきり言えば事務所にとっては、経営上迷惑な制度でもあるのだ。
 特に、弁護士が激増していながら裁判所に係属する事件数が減少中の昨今は、弁護修習先の事務所を見つけること自体が、大変になりつつある。

 話を戻すが、某弁護士会の会長さんは、これまで司法修習生を事務所に受け入れることに消極的であったそうだ。それ自体、若手支援の立場に矛盾しかねないように思うが、ただ、会長時に、谷間世代の救済、若い世代への尽力を公言し、他の世代にツケを回す形で谷間世代の会費減額を推進したので、周囲はさすがに、今回は司法修習生を事務所に受け入れるのではないかと思ったそうだ。

 
 そりゃそうだ。
 あたしだって、そう思う。

 谷間世代の会費減額をするということは、その減額分をそれ以外の世代で負担するということである。他の世代を犠牲にしてまで、若手のためにと銘打って谷間世代の会費減額を提案・推進する以上、ご自身が先頭に立って、若手のために行動しているか、少なくとも行動する堅い決意があるとみて、普通は間違いないところだからだ。しかも弁護修習の受け入れ先を探すのに、弁護士会は相当苦慮している状況下にあり、その事情も会長経験者なら、当然よ~~~く分かっていらっしゃるはずだからだ。

 まず隗より始めよとは古今の名言。
 知らないとは言わせない。

 しかし、その会長(経験者?)さんは、司法修習生の受け入れを明確に拒否したそうだ。

 おそらく、その方のお考えはこうではないか。

 「他人の金(弁護士会の金)を使うのであれば、谷間世代を救済しても良いけど、自分の懐が痛むのなら若手のために尽力することはできない。」

 もっと分かりやすく言えばこうなるか?

 「会長としては、谷間世代を救済したいが、個人としては若手支援はできない。」

 
 私の邪推が当たっているとすれば、な~んだ、結局、谷間世代の救済実現!と大戦果でも上げたような顔しながら、「その実態は、他人の金(谷間世代以外の会員の会費)を使い、さも自分が救済したかのような顔をすることになるだけの話」ってことじゃない。

 まあ、私から見れば態度が一貫していないように見えちゃうね。