(続き)
13番(280Y・par4:パー)
右ドッグレッグ。距離は短いが、フェアウエイがカマボコ型に盛り上がっていて、ティーからグリーンは見えず、狙い所が難しい。
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前がつまっていて待ち時間もあったことから、70歳台の方(以下「大御所さん」と呼ぶ。)、60歳台の方(以下「還暦さん」と呼ぶ。)、58歳本間ゴルフのクラブセットをお持ちの方(以下「本間さん」と呼ぶ。)と、いろいろなお話しをする。
「ゴルフやり始めて2年位ちゅうのは分かったけど、ベストスコアはなんぼや」と大御所さんに聞かれ「96です。」とS弁護士は正直に答えておく。見栄を張ったところで実力が上がるわけではないし、そもそも一緒にプレーすればすぐ実力はばれてしまうからだ。大御所さん、かっかっと笑って、「まだまだやな~」と一言。こういう豪快な感じのオッチャン、嫌いじゃないぞ。
還暦さんは、見た目お若く到底60歳には見えない方。本間さんはクラブをきちんとフィッティングされるなどゴルフに真剣な方。大御所さんは結構豪快さん。お三方とも、競技などに参加されているらしい。最初は怖そうな感じに思ったが話してみると、なかなか面白いし、やっぱりゴルフがお好きなんだなぁというのがよく分かる。
閑話休題
グリーンが見えなくて、狙い所が分かりにくいですね~とS弁護士が話しかけると、大御所さんと本間さんが、「フェアウエイからちょこっとだけ見えている木の先があるやろ。そこが狙い目や。」とピンポイントで教えてくれる。そもそも狙った場所に打てるなら苦労はしないが、せっかく教わったのだからそっちを狙うつもりでティーンググラウンドにあがる。
1打目 ドライバーがやや左に出るもスライスがかかってど真ん中
2打目 ウエッジでグリーンエッジまで
3打目 パターで寄せて
1パット
「パーか、意外にやるな」とは大御所さんの一言。
14番(327Y・par4:トリプルボギー)
ひたすら打ち上げていくホール。距離感が難しい。どちらのグリーンでもガードバンカーのアゴが高く、入れたら結構厳しい。
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1打目 ドライバーがど真ん中
2打目 FW7でグリーンオンを狙うも、右に出てグリーン近くのラフへ。暫定球を打とうとしたが大御所さんと本間さんから「あそこならセーフ」とのお言葉を聞いて一安心。しかし、喜んで行ってみると、ボールとグリーンの間に立派な木が。。。
3打目 木が邪魔になって狙えない。誰がこんなところに木を植えたんだ~!と見当違いの文句を言いながら、7番アイアンでグリーンの右端を狙って転がすもグリーンに届かず。エッジまで10Y位残す。
4打目 58度で打つも、飛びすぎて、乗ったところはピンのだいぶ奥。
「ここは奥につけたらあかんのや・・・」と大御所さん、「そりゃ~難しいところやで」は本間さん。「ちょっと、難しいかもしれんね」は、還暦さん。お三方の意見、「難しい」で、そろい踏みかい!
「どうせなら、打つ前に言ってくれ~!」とは、S弁護士の心の叫び。
お三方の予想どおり、やはりの3パット
「う~、そろそろ馬の脚が見えてきたか」とは、S弁護士の独り言。
15番(Bグリーン・145Y・par3:ボギー)
打ち上げのショートホール。傾斜がきつすぎて、途中の池は、ほぼ視界に入らない。またグリーン奥に載せるととても難しいが、グリーン手前だと傾斜がきつく、ボールが転がり落ちてしまう。
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1打目 UT7で真っ直ぐ飛ぶも僅かにグリーンに届かず、きつい傾斜で5m程転げ落ちてくる。
2打目 58度で打つも、ピンの奥へ。
「S、ここはバントやで、入れに行ったらあかん。絶対バントや。それからな、グリーンは、難しい思たらあかん、難しいんやなくておもろいと思うもんや。」という大御所さんのアドバイス。そっか、「難グリーンは、面白いのか。」何かストンと落ちた気がした。大御所さんのアドバイスに従い、1パット目は慎重~に触るだけ、で距離だけを合わせる。
勝負の2パット目は、外れかけたものの、カップの淵をくるっとまわって入ってくれた!
「ラッキー!今日はついてる!」
16番(298Y・par4:パー)
距離の短い右ドッグレッグ。ワンオンを狙いすぎると右の山に打ち込むおそれあり。
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ティーンググラウンドで、前の組が進むのを待っていると、還暦さんが「Sさんには負けへんで~」と素振りをぶんぶん。ゴルフカートには、打数を記録するタブレットが付いていて、それで現在、誰が何打なのかがすぐ分かる仕組みになっている。
還暦さんは出だし2ホール目にOBがあって、何という僥倖か、S弁護士の方が一打だけスコアが良い状態でここまできてしまっているのだった。確かに、ヒヨコがオオカミの前をピヨピヨしてたら、目障りだろうけど、ヒヨコなんで許してくれてもいいじゃない。
「そんなん、すぐ崩れますよ~。還暦さんに勝てるわけないやないですか~」と正直に心情を述べつつも、S弁護士の内心はこうだ。「エライことになってきたなぁ~。上手い人に本気出されたら、どないなるんやろ。」
1打目 その心理的動揺が出たのか、ドライバーはスコンと妙な音を立てた。ボールは右に出て、スライスしていく。「うわ~、やっちゃった~。」思わずS弁護士は言葉を漏らす。しかし、神はまだS弁護士を見捨ててはいなかった。右方向に大きくそれたボールは、山の斜面で、ぽーんと左に大キック(大きく跳ねること)!まさにナイスキックで、斜面からラフまで出てきたのだ。
2打目 この幸運を生かさねば!と気負ったせいか、アイアンで打った第2打は、グリーン左に外れる。
3打目 ウエッジでグリーンに乗せるが、寄せきれない。3~4mは残っている。
しかし、幸運は続く。大御所さんの第2打が、ほぼ同じ場所で、僅かにカップより遠い位置に落ちてきたのだ。グリーン上のラインは大御所さんのパットが教えてくれる。見ていると、僅かにフックだが思ったほど切れないことが分かった。
「S、ラインを見せたったんやで、わかったやろ」 「うわっかりました!」
緩むなよ~と暗示を掛けつつ、3~4mのパットをほぼ大御所さんのラインどおりに打って、カップイン。
「パーか、しぶとい」と還暦さんの声が聞こえたような気がした。
17番(468Y・par5:ボギー)
ずーっと打ち上げのロングホール。左右ともOBが迫っている。
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1打目 ドライバーがやや左からフェードしてほぼ真ん中へ。我ながら、こんなにドライバーが真ん中へ飛ぶ日は少ない。前回のゴルフではどうやっても真ん中にだけは飛んでくれなかった。それから練習場に行ったわけでもないのに、この調子。全くゴルフは分からない。
2打目 FW5が会心の当たり。ピキーンと金属音を鳴らして、中古で購入した8年落ちのツアーステージViqFW宮里藍ちゃんモデルが仕事をした。「おぉ!ナイスやんか!」と大御所さんからも一言あって、気分は上々、小さくガッツポーズ。
3打目 もしこれでグリーンに乗ったら、次はバーディパットになるかも!と色気を出してUTでグリーンを狙うも、アドレナリンが出過ぎたか、グリーンオーバー。グリーン奥の斜面までいってしまう。
4打目 グリーンが極度の受けグリーンなので、ちょっと大きく打つと、あっという間にグリーンから転げ落ちる危うい状態。ピンチ!グリーン奥の斜面から58度で打つも、びびっていたのかエッジまでしか届かない。
5打目 エッジからパターで距離を合わせる。これも大御所さんが先に打って、距離感を見せてくれていたのが大いに参考になった。我ながらナイスタッチで距離感はばっちりあっていた。但しカップの真横から微妙な距離が残る。
微妙だったが、「パターを真っ直ぐ引いて真っ直ぐ押し出す」と3回唱えて自己暗示を掛けて、1パットで沈める。
18番(380Y・par4:ダブルボギー)
右ドッグレッグだが、ドライバーだと正面を突き抜ける危険がある。左は白杭でOBだが、右は途中まで黄色杭でローカルルールがある。
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1打目 大御所さんがやや左真っ直ぐに出てOB。左は怖い・・・という気持ちが消えないうちに打ったせいか、ドライバーから放たれた打球は大きく右に曲がり、黄色杭のある山中に消え去った。「ありがとう、キラクレノ白色2番、これまでいいスコアを出してくれて・・・」などとボールに対する感傷を述べる余裕などS弁護士にはなく、次をどうするか考えなくてはならない。
大御所さんは、特設ティを使わず打ち直しを選択。
「Sはどうするんや」と大御所さんに聞かれる。
これは多分、一緒に打ち直そうぜ、ということなんだろうけど、今日の調子だとベストスコアもあり得る。ここでの打ち直しは明らかに危険だ。
実は大原パブリックのローカル・ルールとして、1打目が黄色杭を超えた場合は特設ティから3打目として打てるという超お得なルールが存在する。S弁護士もそんなお得ルールがあるとはこの間まで知らず、そのとき同伴した方から教わったのだ。
せっかくの大御所様からのお誘いかもしれないが、背に腹は代えられない。
「いいえ、黄色杭なので前から3打目で打ちます!」というと、大御所さんが
「お前、それは進行早めるためのもんやぞ。そんな卑怯なルール、使うたらあかんやろ。」と笑いながら圧力を掛けてくる。
卑怯かもしれないがルールはルールだ。そもそもプレ4だって進行を早めるためのローカルルールなんだし。非難されるいわれはない!
理は吾にあり!
「これは、大原で認められているルールなんですから、それで行きます!」と強気に突っ張った。他の二人も笑いながらこのやり取りを見ている。なかなか良い感じのパーティじゃないですか。なぜか一緒にゴルフをやると仲良くなれることが多いような気がする。
ちなみに、お三方によると、どうやらこのお得ルールは、公式の試合では認められていないらしい。でも今日は公式試合ではないもんね。
3打目 特ティからアイアンで打つも、大御所さん曰くの卑怯なルールを利用した報いか、グリーン左に外す。
4打目 58度でふわりと揚げてグリーンオン
難しいラインを読み切って入ったかと思ったが、カップにけられて2パット。
ここで前半修了。
数えてみると、45打。単純に後半も同じペースでまわれば、取らぬ狸の皮算用だが、90だ。これはひょっとするかもしれんが、ゴルフは上がってみなければ分からない。
「おお、今日はベストスコア更新と違うか」とお三方に冷やかされながら、昼食休憩へと移った。
(続く)