先日のブログで、死刑廃止決議に関する大阪弁護士会執行部の各委員会に対する意見照会回答書の公開について触れた。
今川会長は、大阪弁護士会のHP会員専用ページで、各委員会(委員会の意向により一部非開示)の意見照会に対する回答を掲載することにされた。
大阪弁護士会執行部は、最終的に、死刑廃止を求める総会決議を実施しようとしており、そのために会内での議論を活発化させるための方策だそうだ。
大阪弁護士会の皆様には是非ご覧いただいて、死刑廃止を求める総会決議を行うべきかについて検討していただきたい。
一般の方々は、弁護士会=死刑廃止論で凝り固まっているかのような印象をお持ちだと聞いたことがあるが、個々の弁護士は必ずしもそうではないことが分かる資料だ。また、死刑の代替刑として仮釈放のない終身刑導入を考えていることもわかる。
ちなみに、私が聞いたところによると、学者で終身刑の導入に積極的に賛成している人は一部のようで、むしろ終身刑の導入については弁護士会等が積極的である、との見方もあるそうだ。
私個人としては、とにかく死刑を廃止したいがために、その危険性を軽視したまま終身刑の導入に突っ走るのはいかがなものかと思っている。ドイツでは死刑廃止の際に、終身刑を導入したが、収容者の精神障害や自殺などの問題が発生したことから結局絶対的終身刑は廃止されるに至っているそうだ。
このように実際にも導入後に大きな問題が生じた例があるにもかかわらず、死刑廃止を実現したいがために、死刑廃止に代わる刑としては終身刑をセットで提案してよいものか、慎重な検討が必要であろう。
いずれにせよ、大阪弁護士会の皆様には、ぜひ多くの委員会の、死刑廃止に関する意見をお読みいただきたいと考えている。