一枚の写真から~60

NZ南島 ジェラルディンの街角にある小さな映画館。

なかなか魅力的。

アップで見ると、映画フィルムケースが積み上げられ、扇風機が置かれているなど、まるで映画「ニューシネマパラダイス」に出てきた主人公が通っていた映写室のよう。

ここで映画を見てみたかったが、帰国のため空港に向かっている途中だったので断念。

10年以上前の写真なので、このかわいい映画館が今でも残っているのかは、ちょっと不明。

一枚の写真から~59

NZ南島で

NZは、あまり鉄道網が整備されていないが、鉄道も、あるにはある。

踏切も、たいてい、遮断機や警報器がない場合が多かった記憶がある。

道路の先にONE LANEと書いてあるのは、その先の橋が一車線しかないという表示。

もちろん信号もないことが普通なので、対向車の有無を確認してから渡ることになる。

映画 「JUNK HEAD」~堀貴秀監督作品

実は、昨年の春、私はこの映画を2度映画館で見ている。

私にとっては、相当面白い作品だった。

人形を少しずつ動かしてコマ撮りで撮影し、アニメーションとして作られた作品である。

人形の動きは実になめらかで、それだけでも見る価値がある。

アフレコはもう少しなんとかして欲しかったが、字幕なので気にしなければどうということはない。

特に地底空間の壮大な表現は、映画館で見ていて息をのむ美しさであった。

堀監督の本業は確か内装業だったと記憶している。たった1人で作り始め、7年もの歳月を掛けて完成させたそうだ。

公式サイトもあるので是非予告編だけでも御覧頂きたい。

映画『JUNK HEAD』 公式サイト (gaga.ne.jp)

確か、昨年の春の公開時には、ミニシアター中心であったが、熱狂的ファンを獲得したようで、京都ではパンフレットは品切れ、大津の映画館で購入しなければならなかった。その後も、ファンの要望によりパンフレットが増刷・通販されたはずだ。

DVD等も欲しかったが、まだ発売されていないのではないだろうか。

この作品は、3部作の第Ⅰ章という位置づけだそうで、続編が期待されている

私としては、機会があるのなら、やはり映画館で見て頂きたいと思うが、最近アマゾンプライムで公開されており、鑑賞のチャンスといえる。

是非、一度鑑賞されることをお勧めする作品である。

何のための代理人選任届?

 大阪弁護士会の臨時総会が3月8日に開催される。


 現在各会員に議案書冊子が配布されているところである。
そしてその議案書の最初の頁には、代理人選任届のハガキが切取線付で添付されている。

 このハガキの裏には、各議案に対する賛成・反対・棄権の欄が設けられており、そこに自分の意見を記載することが出来る。つまり今回は第5号議案から第12号議案までが上程されているので、例えば第8号議案だけ反対したければ、8号議案のところは反対の欄に○印を付し、その他の議案には賛成の欄に○印を付して、投函することが可能なのである。

 このハガキだけをざっと見れば、自分が○印を付した意見に沿って、総会でも代理人が賛成・反対の投票してくれるものと考えてしまいがちである。

 しかし、である。

 そのハガキの下部の注意書き欄には、次のような記載がある。

※1 会則第39条第4項により、議決権行使の代理権に制限を付することはできず、上記で○印により表明された貴殿の意見は代理人を拘束しません。

 上記の大阪弁護士会会則により、議案書を読んで、各議案について賛成・反対の意見を固め、代理人選任届のハガキに自分の判断を○印で意見表明しても、その意見表明は、実際に代理権を行使する人間を拘束しないのである。

 簡単に言えば、全ての議案について反対する意思で反対欄に○印を付してハガキを投函しても、その代理人選任届を使って実際に総会で投票する代理人は、全ての議案に賛成の投票をしてしまってもよいのである。

 これでは一体何のための代理人選任届か良く分からない。
 まあ、参加者の少ない総会で、決議を行う為には有用なのだろうが、全く会員の意見が反映されない代理人選任届で、本当に良いのだろうか。

 しかも、代理人を頼もうと思っても、臨時総会に出席する人しか代理人に指定できないから、そもそも自分と同じ意見で総会に出席してくれる人を探すこと自体が大変である。
 そのような人が仮に見つかったとしても、代理人は10票までしか代理できない。
 そのうえ、代理人を指定しなければ、会長に代理人選任を一任したものとして処理されるそうだから、結局、どうあがいても執行部の提案する議案が、まず確実に通過する構造になっている。

 昔と違って、執行部の意見を盲信する会員ばかりではなくなってきているし、web経由の投票なども技術的に可能になっているのだから、きちんと会員の意見を反映する総会運営をするようにしてもらいたいと、私は願っている。

一枚の写真から~58

鉄道の駅付近で列車を陸橋から眺めている人がいた。

場所はコペンハーゲン。

その夜にチボリ公園で花火を見た記憶があるので、多分大晦日だったはずだ。

「深海の使者」 吉村 昭 著

私は、以前のブログ記事に次のように書いた。

『何を隠そう、S弁護士は潜水艦が好きである。古くはヴェルヌの小説「海底2万里」、小さい頃に父親と見た映画「眼下の敵」では、ドイツ軍Uボートとアメリカ駆逐艦の死闘に胸を躍らせ、トム・クランシーの「レッドオクトーバーを追え」、福井晴敏の「終戦のローレライ」などの潜水艦小説を読み、かわぐちかいじの漫画「沈黙の艦隊」を全巻大人買いした経歴からすれば、原潜に乗れるなんてテンション上がることこの上ない。』(アーカイブス。S弁護士シリーズ、日中韓FTAシンポジウム旅日記~その9参照)

その後、私はチンタオの中国海軍博物館で、攻撃型原潜長征一号に、追加料金を支払って見学乗船することになるのだが、ミリオタではないので、誤解されぬよう。

 さて、先日読んだ吉村昭の「深海の使者」は、太平洋戦争中、同盟国ドイツとの連絡路を求めて、日本軍潜水艦が大西洋に数次にわたって潜入した、苦闘を描いた作品である。レーダー等の最新技術を日本が求める一方、ドイツが南方資源を求めていたことなども描かれている。

吉村昭の小説は、実に淡々と記述が進む。

登場人物の感情を表す表現が、通常の小説に比べて、極端に少なく感じる。

しかし、その記述の裏には、綿密な取材に裏打ちされた、潜水艦乗り達の決死の、全力を尽くしての苦闘ぶりが透けて見えるのだ。

淡々とした記載が続くだけに、逆に、なお、実際の苦闘ぶりが想像され、胸が苦しくなる場面も多くあった。

戦艦や航空母艦のような華々しい活躍ではない。

しかし、日本のために死力を尽くして戦った人たちに向けられた小説である。

機会があれば手に取って頂きたい。

(文春文庫 740円+税)

一枚の写真から~57

あるホテルにて~部屋の鍵と(バラが生けられていた)一輪挿し。

現在はカードキーになっているが、かつてこのホテルでは、写真のように金属製の鍵がキーホルダーに付けられて宿泊客に手渡されていた。

不便で時代遅れかもしれないが、形ある普通の鍵の方が、様々な人々の人生を反映している、そんな気がする。

一枚の写真から~56

ヨーロッパに向けてシベリア上空を飛行中に撮影。

地上は極寒なのだろうが、この景色はまるで芸術作品のよう。

誰が見ているわけでもないのに、このような美しい模様を作り上げている自然の営みに感動させられる。

電車一本遅れた理由

S弁護士は、朝の通勤電車に乗ろうとしていた。
始発駅なので、淀屋橋行き特急がホームに止まってドアを開けている。
いつも乗る特急より一本早く行けそうだ。

京阪特急2扉車は、進行方向に向かって2+2のロマンスシートである。
このシートは背もたれの位置を倒すことにより、常に進行方向に向かって座れるよう工夫されている。
通路側に座ると窓側の人が途中の駅で降りる場合に面倒なので、終点まで乗るS弁護士としては、できれば窓側に座りたいところである。

S弁護士が急ぎ足で特急に乗ると、前方に窓際が空いている席が見えた。
ラッキーだ。
さらに急ぎ足で、その席に向かう。
幸い誰も座っておらず、窓側の席が確保できそうだ。

しかし、その席には妙な違和感があった。
シートが進行方向の反対側に倒れきらず、途中で止まっているようだった。
後ろの席の男性が足下に大きな荷物を置いていたので、倒れないのかと思ったS弁護士は、「すみません。もう少し倒しますね。」と伝え、男性が頷くのを確認の上、シートを倒そうとした。

「ガッ」という音がしたが、やはりシートは完全には倒れない。
シートは何かに引っかかって倒れないことが分かった。
通路側の席と肘掛けの間の下の方に、何かが見える。
携帯ストラップのようなヒモだ。

携帯電話を落としてんのか?そそっかしい奴だな。
「ったく、こっちは迷惑なんだけどなぁ~」と心の中でぼやきながら、さらに引っ張る。
しかし何かに引っかかっているようで、出てこない。

ええぃ!まったくなんてこった!!
心のぼやきはさらに大きくなる。
仕方が無いので、指を突っ込んで引っ張り出そうとする。
ツッ!
何かにぶつかって、右手の人差し指に逆むけができてしまった。
あ~~~~、も~~~!!
心の中では、落とし物をこんなところに残した、そそっかしい前客に恨み節満開である。

しかし座るためには、背もたれをきちんとしなければならない。
だから放置するわけにもいかない。
痛む指を庇いながらなんとか引っ張り出す。
出てきたのは、ケース入りのICOCA定期券だった。

そのまま淀屋橋駅まで乗って行き、そこで忘れ物として届けることも考えられた。
誰かに勝手に使われるよりも、落とし物として届けてもらえば、それだけでもラッキーと違うんかなぁ・・・と一瞬思った。

しかしこういうときに限って、S弁護士の脳裏には定期を落として困っている人の姿が浮かぶのである。
自分が定期券を落としたらホント絶望的な気分で一日を過ごすことになるはずだ。

くっそ~、この駅の駅員さんに渡さないと。
S弁護士は、座席にショルダーバッグを置いて確保し、ケース入りのICOCA定期券を片手に、ホームに走り出て駅員さんを探す。

あっちゃ~、なんてこった、
いつもは、どこかにいる駅員さんが、こういう大事な時だけ、どこにも見当たらない。

「2番線淀屋橋行き特急、まもなく発車です」とのアナウンスが流れ、特急が発車する音楽が流れはじめた。


え~~~い、こんちきしょう!!
電車一本くれてやらぁ!!!

S弁護士は、特急に飛び乗り、座席をキープしておいた荷物をひっつかんでドアから飛び降りた。そのまま駅の有人窓口に早足で向かう。
まもなく、ドアは閉まり、特急は淀屋橋に向かって、S弁護士を乗せないまま発車していった。

有人窓口で、今出ていった特急の5号車に落ちてました、とだけ伝えてケース入りのICOCA定期券を渡し、振り返らずにその足で次発の特急に急いだ。

背中から聞こえる、駅員さんの「有り難うございます」との声が聞き取りにくかった。
S弁護士は、そこでようやく、ずっとイヤホンで音楽を聴いていたことを想いだした。

ホームへの階段を下りている際、音楽の合間に、定期の持ち主と思われる人を呼び出しているような場内アナウンスが聞こえた気がした。

S弁護士は次発の特急でなんとか席を確保し、少し読書した後は、淀屋橋まで爆睡したのだった。

日弁連会長候補者と法テラス案件

 日弁連会長選挙公聴会(九州地域)で、候補者に対して、いくつかの質問と一緒に法テラス案件を何件やっていますかという質問がなされていた。

 ご存じのとおり、法テラス案件は報酬が極めて低く設定されており、経営者弁護士にとっては、手を抜かない限りほぼ確実に赤字案件である。

 これに対して医師の健康保険治療はそれで十分生活できるだけの収入が認められているようであり、むしろ医師の世界では保険適用の治療ができなくなると死活問題であるとも聞く。

 ところが、弁護士の場合はそうではない。私の経験から言って、法テラスからの弁護士報酬だけで事務所を経営することは、ほぼ不可能である。

 しかし、今回のコロナ渦のなか、日弁連は、現在経済的弱者に限定されている法テラス利用を、経済的弱者以外にも拡大すべきという提案をしたかとかしなかったとかで、問題視されていた。

 要するに、その提案は、普通に弁護士費用を支払える人に対しても、法テラス基準の安い弁護士費用でサービス提供せよと日弁連が強いるに等しいものである。

簡単に言えば、
日弁連「コロナ渦なので、経済的に困っていなくても半額以下で弁護士を使えるようにしたいと思います~!」
一般人「お~、有り難い。さすがは、日弁連、やるね~。」
日弁連「もちろんです。日弁連は皆様の味方です!」

弁護士「で、誰がその差額を負担するの?」
日弁連「お前らの自腹にきまっとるやろ!!」

という感じだ。

 歯に衣着せずに言わせてもらえば、これまでの日弁連執行部主流派というものは、弁護士過疎解消!弱者救済!等という、かっこいい掛け声は大好きだが、たいてい若手や現場の弁護士等の犠牲の下に、その政策を実現させようとすることが多いように感じる。

 話がだいぶ飛んでしまったが、日弁連会長候補に話を戻す。

 法テラス案件を何件やっているかとの質問だった。

 法テラス案件をやった経験がないのであれば、法テラス案件の酷さが分かるはずがないので、私としては、法テラス案件でひどい目に遭わされた、現実を知る方に会長になって頂き、法テラスとしっかり戦って欲しいと思っている。

 それゆえ、この質問の回答には興味があった。

 及川候補はここ5年で100件くらいと明確に答えた。
 ~及川候補は確か単独事務所だから、選挙活動もしながら5年で100件もの法テラス案件をこなすとは、凄いとしか言いようがない。法テラスの酷さも十分お分かりなのだろう。

 小林候補は法テラススタッフ弁護士育成をやっていたので、共同受任で60件程と答えた。
 ~共同受任を60件と言われても、養成のためであり、自ら積極的に法テラスを利用したわけではないのだろう。自ら単独で何件も法テラス利用をしていれば、そちらの方がアピールしやすいから、当然その件数も答えたと思われるからだ。おそらく質問者は、候補者単独でどれだけ法テラス案件を処理したかを聞いているはずだから、「自分で処理した法テラス案件はゼロですが、育成のために共同で60件ほど関与しました」、というのが質問者の問に対する正確な答えであるべきだ。

 高中候補は、時間の関係で割愛しますと述べて質問に直接答えなかった
 ~おそらく高中候補は、法テラス案件をご自身で処理した経験がない可能性が高い。なぜなら、「○○件です」と答えた方が「時間の関係で割愛します」と答えるようりも短く答えられるからだ。とはいえ、正直な方なので嘘の経験もいえず逃げた答えになったのだろう。高中候補の顧客層は、法テラスなど必要のない方ばかりなのかもしれない。

 その人と同じ経験をしなければ本当の痛みは分からない。
 本当の痛みが分からないのであれば、その痛みに対する対処方法も真剣になれないことが多いだろう。

 そろそろ、法テラスに対しても、しっかりものを言ってくれる人が日弁連会長になってもいいような気もするね。