何のための代理人選任届?

 大阪弁護士会の臨時総会が3月8日に開催される。


 現在各会員に議案書冊子が配布されているところである。
そしてその議案書の最初の頁には、代理人選任届のハガキが切取線付で添付されている。

 このハガキの裏には、各議案に対する賛成・反対・棄権の欄が設けられており、そこに自分の意見を記載することが出来る。つまり今回は第5号議案から第12号議案までが上程されているので、例えば第8号議案だけ反対したければ、8号議案のところは反対の欄に○印を付し、その他の議案には賛成の欄に○印を付して、投函することが可能なのである。

 このハガキだけをざっと見れば、自分が○印を付した意見に沿って、総会でも代理人が賛成・反対の投票してくれるものと考えてしまいがちである。

 しかし、である。

 そのハガキの下部の注意書き欄には、次のような記載がある。

※1 会則第39条第4項により、議決権行使の代理権に制限を付することはできず、上記で○印により表明された貴殿の意見は代理人を拘束しません。

 上記の大阪弁護士会会則により、議案書を読んで、各議案について賛成・反対の意見を固め、代理人選任届のハガキに自分の判断を○印で意見表明しても、その意見表明は、実際に代理権を行使する人間を拘束しないのである。

 簡単に言えば、全ての議案について反対する意思で反対欄に○印を付してハガキを投函しても、その代理人選任届を使って実際に総会で投票する代理人は、全ての議案に賛成の投票をしてしまってもよいのである。

 これでは一体何のための代理人選任届か良く分からない。
 まあ、参加者の少ない総会で、決議を行う為には有用なのだろうが、全く会員の意見が反映されない代理人選任届で、本当に良いのだろうか。

 しかも、代理人を頼もうと思っても、臨時総会に出席する人しか代理人に指定できないから、そもそも自分と同じ意見で総会に出席してくれる人を探すこと自体が大変である。
 そのような人が仮に見つかったとしても、代理人は10票までしか代理できない。
 そのうえ、代理人を指定しなければ、会長に代理人選任を一任したものとして処理されるそうだから、結局、どうあがいても執行部の提案する議案が、まず確実に通過する構造になっている。

 昔と違って、執行部の意見を盲信する会員ばかりではなくなってきているし、web経由の投票なども技術的に可能になっているのだから、きちんと会員の意見を反映する総会運営をするようにしてもらいたいと、私は願っている。

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