馬鹿馬鹿しいお話しを一つ・・・

 現在の日弁連会長の任期がほぼ1年残っている現状で、気が早い話と思われるかもしれないが、次期日弁連会長選挙を見据えた戦いが大阪で始まっている。

 なんでも、次期日弁連会長は大阪弁護士会選出の候補がなると目されている(次は大阪の番)こともあって、大阪弁護士会内ではその前哨戦が始まっているように見える。
 実質上、名乗りを上げている状況にあると目されているのは、いずれも大阪弁護士会で会長を勤めた経験を持つK先生とN先生だ。もし大阪で調整がつかず、日弁連会長選挙にK先生、N先生とも立候補などした日には、眠れる虎の髙山派に会長の椅子をさらわれるおそれもゼロではない。そこを牽制してか、大阪で日弁連会長候補を一本化できない場合は、東京からも候補を出すとの情報もあり、大阪で一本化できるかどうかはかなり大きな問題となりそうだ。

 とはいえ、まだ選挙期間中でもなく、事前の選挙活動は選挙規定の違反になるだろうから、面と向かっては選挙活動はできない。○○の会などを立ち上げて賛同者を募っていくのが、実質上の選挙活動となる。K先生・N先生両陣営とも、例にもれず、○○の会が出来上がっている様子だ。

 以前、日弁連会長選挙の際に山岸候補(後に会長当選)が、「弁護士未来セッション」なる団体を立ち上げ、豪華なパンフレットを全会員に配り、目立つホームページを掲げて、「活動する」と宣言していたが、結局、山岸氏当選後は、私の見る限り何にもしてくれなかった。餅を絵に描いただけで、終わってしまった。
http://www.idea-law.jp/sakano/blog/archives/2011/09/16.html

 本気で弁護士の未来を心配してくれていたのなら、弁護士を取り巻く環境がさらに悪化している現在では、弁護士未来セッションは、なおさら活動してくれていなければならないはずだが、今は、弁護士未来セッションのホームページすら見当たらない。

 あまり会員を馬鹿にしすぎていると、どっかでツケが回ってくると思うんだけどなァ。

高齢弁護士の会費免除年齢引き下げ問題

 弁護士が納める日弁連会費が余ってきたので、若手の会費減額の延長、会費免除となる年齢を77歳から75歳に引き下げること等を行おうとしているのだが、という問題に関する意見照会が日弁連から来ていた。

 大阪弁護士会執行部案は、若手の会費減額延長は賛成、会費免除となる年齢引き下げについては反対の案だった。

 私は、若手の方も等しく弁護士である以上、本当は若手の会費減額はすべきではないと思っているが、昨今の若手の方の大変さから、現状ではやむを得ないと考えるようになっている。

 一方、会費免除年齢引き下げ反対の案については、執行部としては意外にやるなと思ったのだが、複数の常議員の先生から、高齢の弁護士の生活が大変だから等の理由でおかしいのではないか、との意見が出た。

 私は、若手の生活はもっと大変であることを主張して、反論した。

 確かに、先達により弁護士会・日弁連が一定の地位を得てきた(?)ことは、否定しないし、その功績を評価していないわけではない。むしろ先輩方の努力があって、今の弁護士会があるとも思っている。

 しかし、言い方は悪いが、先達の方々は競争相手が極めて少なく、しかも、肥沃な土地が広がっている時代に収穫が可能だった方々だ。

今の若手の多くは、肥沃な土地はほぼ見当たらず、未開の地を開拓しなければならない。国家制度の問題でもあるが、年金や健康保険の自己負担分についても、若手がわりを食う設計になっているようにも思える。資産についても世代間格差が指摘され、資産の多くは高齢者が保持する傾向が強まっている。

 その状態で、会費免除の年齢を引き下げを主張し高齢会員を優遇するのは、すでに日弁連の多数派になっている若手に対して、ますます日弁連の求心力を失わせるものではないだろうか。

 日弁連・弁護士会の将来を思うなら、会費免除年齢の引き下げは愚策ではないかと思うのだけれど。

理想でご飯を食べる秘術?

 先日の常議員会で、成年後見人・成年後見監督人に対する報酬に負担金を課す議案が討議された。
 提案理由の説明について、無報酬案件などの補助の必要性などが挙げられていたが、私は、二つの理由で賛成しなかった。

 一つ目の理由は、成年後見業務・成年後見監督業務には、採算性がない事件が多いため(もちろん全ての事件が採算性がないとは言わないが採算が取れない事件の方が私の経験上遥かに多い。)、成年後見人・後見監督人の報酬に負担金を課すことは、採算性のない当該事件を担当している弁護士にとって二重の負担となるという点だ。
 採算性のない成年後見業務・成年後見監督業務でも弁護士全体が支えて行うべき業務だと考えるのならば、全会員から特別会費を徴収して行うのが筋である。採算性のない成年後見業務・成年後見監督業務を経済的に見合わなくても弁護士としての使命感から、頑張って業務を行っている弁護士に、さらに負担金を負担させるのは、あまりにも当該弁護士にとっての負担が大きすぎるのではないだろうか。
 採算性のない成年後見業務・成年後見監督業務を仮に弁護士会が維持しなければならないのなら、むしろ、そのような採算性のない案件を等閑視し、儲かる案件ばかりに走る弁護士に負担させるのが筋ではないか。
 大阪弁護士会は、国選弁護事件にも負担金を課しているはずだが、これと同じ問題が生じているように思うのだ。

 二つ目の理由は、弁護士がどうして自腹を切って無報酬案件を受任しなければならないのかわからないという点だ。
 基本的に成年後見人・成年後見監督人の報酬は貢献を受ける人達の負担だ。自分のためについてもらうのだから当たり前である。しかし、市町村からの申し立てられた案件には、経済的に困窮している人達の案件も多い。行政がお金を出してくれればいいが、申立はしてやるがお金は出さないという身勝手な自治体が実は多い。こういう案件は、弁護士が(泣きながら)無報酬やごくわずかの報酬でやっていたりする。私自身も、次は良い案件を回しますからと言われて、(もちろんそんなに期待はしなかったが)極めて低報酬の成年後見監督人を受けたことがあるが、その後でも結局、良い案件は回してもらえなかったぞ(笑)。

 しかし、この状況は明らかにおかしいだろう。

 いくら公益のためとはいえ、無報酬や仕事に見合わない報酬で働くことを余儀なくされるいわれはないはずだ。
 もちろんボランティアなら、それでもいいだろう。余暇の時間を使って、自分の意思で奉仕活動行うからだ。しかし、成年後見業務は余暇の時間にできるとは限らない。通常の業務時間に行わなければならないことが多いのだ。純然たるボランティアと違って、どうしても通常の業務時間内に事務員なども動員して、つまりは無報酬案件であっても時間と経費を負担して業務を行う必要がある。弁護士だって職業だ。弁護士業で生活を支え、家族を養わなければならない。
 どこのタクシー会社が、ワンメーター料金も支払ってくれないお客を、大阪から京都まで載せてくれるというのだ。どこの新聞社が100円で一月分の新聞を購読させてくれるというのだ。いずれもサービスに見合ったお代を頂戴するからこそ事業が成り立っているはずなのだ。医師会だって、医療過疎地域への医師派遣は、経済的な裏付けがあること(要するに食えるかどうかということ)が大前提だとしていたはずだ。何もおかしなことではない。職業とはそういうものであるはずだ。
 
 だから私は、本当は弁護士会は、そのような非採算案件については、きちんと理由を説明して、これ以上受けることができない、と説明するべきではないかと思うのだ。決しておかしなことではないはずだ。
 泣きながら赤字案件をこなすことも一つの美学かもしれないが、その美学は弁護士に余裕があった時代の遺物だ。そして、泣きながらでも赤字案件をこなしていれば、世間や行政は、弁護士にはまだまだ余裕があると見て、さらに赤字案件を押しつけてくるだろう。

 以上の理由から私は反対したが、常議員会では賛成多数で、負担金を課そうとする執行部の案が通過した。

 どんなに理想を語っても理想ではご飯は食べられない。
 理想ばかり語る弁護士会執行部の方は、理想でご飯を食べる秘術を心得ておられるようだが、それは一般の弁護士は持ち合わせていない。

 現実を見て判断する必要がどうしてもあるはずだ。

会館特別会費の議論に思う。

大阪弁護士会の常議員会で、現在月額5000円を徴収している会館特別会費の減額について議論がなされた。

私もよく知らなかったのだが、現在は原則として、5000円×12ヶ月×18年を支払えば一応会館特別会費の徴収は終了ということになっているらしい。

これを月額3000円に減額できないのかという話だ。昨今良く言われる若手を中心とする弁護士の経済的苦境等に鑑みれば、馬鹿高い弁護士会費(大阪では、月額約5万円弱+隠れ会費~管財事件負担金・国選事件負担金・法律相談負担金など)の会費減額は急務であろうし、若手支援にもつながるということで、一つの提案として十分考慮に値する提案だと考えられた。
弁護士会側のシミュレーションによると2036年には、積立額で約20億円の差が出るとのこと。つまり仮に会館特別会費を減額し、2036年に会館を建て替えるなら、月々の支払いは楽にはなるが2036年に立て替える際の大阪弁護士会会員の負担が約20億円増えるという計算になるともいえる。

確かに、若手への支援策にもなるという執行部の理由は分かる。しかし、今でも苦境の若手が多いといわれているのに、弁護士需要が急に増加するとも考えられない状況下では、将来の弁護士がさらに苦境に立っている可能性の方が高いようにも思う。結局どちらが良いのかは容易には判断できない。私は、決議において保留せざるを得なかった。

結果的には、この議案は、賛成多数で、総会に提出されることになった。

議論の過程で、「公平の観点から、減額後に入会した新会員が結果的に3000円×12ヶ月×18年で足りるのなら、現在5000円支払っている会員に不公平であるため、総額で3000円×12ヶ月×18年に達したら以降の支払いは免除すべきじゃないのか」、との意見もだされた。
確かに会館特別会費徴収が開始された2007年から7年以上経過しているので、差額の2000円×12ヶ月×7年=168000円をどうしてくれるんだ、という批判は当然ありうると思う。

この意見を聞いて改めて思ったのは、若手会員の会費減免措置は一見当然のように見えるが、実は一般会員からすれば極めて不公平な制度だということである。通勤に使う電鉄会社だって、新入社員は給料が少ないから運賃を割引きしましょうとは言わないだろう。運賃に見合ったサービスを提供しているからだ。弁護士会だって本当はこの電鉄会社と同じなのだ。
この不公平を改めるためには、公平に弁護士会費を負担させることが最も単純な解決策だが、それも若手会員にとって厳しいとなれば、残る手段は、弁護士会費を全員一律に大幅に減額することしかないように思う。そのためには弁護士会が本当に必要なこと以外には手を出さないことが、今後は求められるのではないか。

いままで、弁護士会は、人権擁護に必要なことだから、良いことだから、等の理由でどんどん支出を増やしてきたように思う。それを支えたのが、弁護士の正義感と馬鹿高い弁護士会費だった。
弁護士が少ない時代であれば、それでも弁護士は仕事にあぶれることもなく会費を支払えた。しかし、司法改革による弁護士激増策の結果、現状は大きく変わってきている。就職出来ない新人弁護士の増加もそうだ。弁護士とはいえ同じ人間だ。人間は生活しなければならない。だから、背に腹は代えられない。理想は現実にはかなわない。ベテランの先生から、新入会員の希望する委員会は、人権擁護の分野よりも仕事につながる可能性が高い委員会が圧倒的だ、との嘆きを聞いたこともある。

結局、弁護士激増策は、弁護士の経済面を大きく損なわせただけでなく、弁護士の正義感も失わせることにつながり、次第に顕在化しつつあるのではないかと、私は危惧している。

武本夕香子先生、ご当選!

当ブログで、随分前に早すぎた天才として紹介させて頂いた、兵庫県弁護士会の武本夕香子先生が、兵庫県弁護士会の次期会長に当選したとの知らせを受けました。

http://www.idea-law.jp/sakano/blog/archives/2008/02/01.html

武本先生は、随分前から脳天気な司法改革路線に警鐘を鳴らしてこられ、また自ら率先して日弁連の委員などとしてご活躍されてきました。

私も宇都宮日弁連前会長のもとで設置された、法曹人口問題に関する会議で二年間ご一緒させて頂きましたが、どんな相手であろうが臆することなく、正しいものは、正しい、間違いは間違いという姿勢を貫かれる武本先生のお姿に、幾度勇気づけられたか分かりません。

小柄な武本先生ですが、 ファイト溢れるそのお姿は、とても大きく見えます。

私は、見たことはないのですが、武本先生は現代のジャンヌダルク的な方なんじゃないだろうか、と勝手に思っていたりします。

会長職は大変な激務ですので、お体にだけは十分を気をつけて頂いて、存分にご活躍して頂けることを祈念しております。

育児期間中の会費減免

常議員会で、育児期間中の日弁連会費減免についての意見照会が議論された。

日弁連は、育児期間中の会員に対し性別を問わず、休業を要件とせずに6ヶ月(出生した子供が2人以上の場合は9ヶ月)の会費免除を行う規定を準備しているという。男女共同参画推進に必要なのだそうだ。

説明委員のお話では、日弁連会費収入に与える影響は約1.5%程度と軽微であるとのことであった。具体的な金額は分からないが、日弁連はきちんとシミュレーションしているはずだとの説明があった。

ただでさえ、弁護士会費はバカ高くて、最近では若手会員の収入減少傾向から、若手会員への会費軽減措置がとられている状況にある。訴訟件数が減少傾向にありながら弁護士激増は止まっていないので、今後も今まで通りにバカ高い弁護士会費を会員が継続的に負担しつつづけることが可能なのか、少なくとも疑問を持っても良い状況だと私は思っている。会費がきちんと納入されないのであれば、弁護士自治だって不可能だ。

配付された資料をよく見てみると、弁護士会会員の増加を年間1805名とするというシミュレーションが記載されていた。その後に、「平成22~26年度は司法試験合格者数2000名程度を前提に新規登録者数を1805名とし、2015年度以降は同合格者数1500名程度を前提に、新規登録者数を1330名とする」との記載が、横棒線で消されていた。この消されたシミュレーションの方がよほど将来実現しそうな数字に私には思えるが、何らかの理由で、そちらは採用しなかったということらしい。

あれほど頭の硬い法曹養成制度改革審議会が、司法試験合格者年間3000名は現実性を欠くとして、その目標数値を撤回するよう発言し始めている昨今、現状の司法試験合格者数を前提にシミュレーションするなんて、そしてその人達が必ずバカ高い弁護士会費を支払い続けてくれるなんて、楽観主義にも程があるんじゃないだろうか。

しかも、その楽観数値を元にシミュレーションした結果、年間1億円弱の会費収入減となる数値、しかも年々その額は増加するという数字が出ていた(非常に小さい字で極めて読みにくい資料であった)。

これでは、空港誘致のために乗客シミュレーションを操作して採算が取れるように見せかけるやり方とあまり変わらないのではないか。普通の企業でも、計画を立てる際には楽観シナリオ、通常シナリオ、悲観シナリオを作成すると思うが、楽観シナリオだけしか出していないように見える。

そもそも、本当に男女共同参画が重要なら、年間1億円弱、弁護士1人頭年間3000円程度を、今の弁護士会費に上乗せして子育て支援のために徴収する、という会費増額提案をする方が、よほどストレートなやり方ではないだろうか。

私は、この日弁連の提案に基本的に賛成する内容である大阪弁護士会の回答には賛成できなかった。前提となるシミュレーションがいい加減だし、一度免除規定を作ってしまうと容易に撤廃ができないから今後の日弁連運営に大きな影響を与えかねないと考えられたし、さらに、子育てしながらしっかり稼げる弁護士もいるはずなので、そのような方への支援までは不要だと思ったからだ。

本当に支援が必要な場合、例えば、子育て期間中と前年度を比較して子育てが原因で当該弁護士が減収になっている場合、一度納めた弁護士会費を還付するという、より会費を無駄にしない支援方法も十分あり得るように思う。

しかし、常議員会では、保留は私を含めて2名、他全員の賛成で日弁連の案に基本的に賛成する意見を出すことに決まってしまった。

弁護士会の収入が今まで通りに入ってこなくなるかもしれないという危機感を、ほとんどの常議員の先生方は持っていないのかもしれない、と思った。

それにしても、弁護士という人種は、男女共同参画という言葉にはめっぽう弱い。

司法過疎対策用弁護士会費徴収に反対

司法過疎対策用に徴収されていた弁護士会費の期限が切れたが、再度、徴収するという日弁連からの意見に対して、大阪弁護士会として賛成しようとする議案が常議員会に提案された。

私は、反対した。

司法過疎対策をどう考えるんだという非難を浴びそうだが、私には反論がある。

そもそも、司法過疎対策は、国家ないし地方公共団体が取るべき対策だ。無医村問題と、おんなじだ。医師がいなくて困る自治体は、多額の給与を提示して医師を招いているじゃないか。自治医大という大学を作って、医者を育てているじゃないか。本当に弁護士が過疎地に必要なら、弁護士に対しても自治体は同じような扱いをするはずだ。それがないってことは、自治体は本当は弁護士がいなくても困っていないということではないのだろうか。

それに、医師会だって、「医療財源の確保を前提に」、地域における医療を推進すると、事業計画で述べている。 つまり、食っていける状況があるなら、そのような状況を作ってくれるなら、医療過疎を解消しましょう、ということだ。

医師だって職業なんだし、その仕事で生活をしなければならないから、当たり前のことだ。ところが、こと弁護士過疎になると、弁護士がその地域で食えるかどうかなど全く関係なしに、司法過疎解消は弁護士会の責務だと、非難され続ける。特にマスコミにはその傾向が強い。

これまで、日弁連は、会員からの強制徴収する会費を司法過疎解消のためにつぎ込んできた。何十億円かの自腹を切って、司法過疎の解消を行ってきたのだ。
誉められこそすれ、貶されるいわれなどないはずだ。むしろ、マスコミは、医師会は弁護士会を見習って自腹で、医師を過疎地に派遣せよ、とわめいてくれても良いくらいだ。

世の中の弁護士が、全員金のなる木を持っているお金持ちなら、司法過疎は弁護士会の責任と言われても仕方ないかもしれない。しかし、所得70万円以下の弁護士が平成22年度には、6,000人弱になろうとしている。弁護士は、ごく一部の方は大もうけしているかもしれないが、多くはつつましい生活をしているのだ。

だから、日弁連は司法過疎解消のために会員に対して、もっと金を出せと言うのではなく、「これまで司法過疎解消のために、会員に自腹を切らせて、何十億円も司法過疎対策にお金を出してきました。そもそも国家の仕事なのですし、ここまで弁護士会は頑張ったのですから、あとは、国家で代わりにやって下さい。国民の皆様もご理解下さい。」と、国家や国民の皆様に対して本当のことをいうべきなのだ。

私の意見に対して、「そもそも必要だけれど国家がやってくれないのだから、弁護士会が頑張るべきだ。そのうち国家が支援してくれるようになる。被疑者国選だってそうだった。」との御意見もあるようだが、それは弁護士数が少なくてまだ弁護士に余裕があった時代の話だ。国の援助を受けている法テラスだって、採算の取れない地域に事務所を出すことに反対しているという話を聞いた。

弁護士を激増させ、弁護士にも自由競争をさせようとマスコミは盛んに主張する。仮に、弁護士も完全な自由競争というのなら、「赤字の仕事は全てやらない。後進の指導も商売敵を増やすことになるから、もうやらない。司法過疎解消なんて俺たちの責任じゃない。だって競争して、儲けたものが生き残る世の中なんだから。」これが自由競争の自然な帰結だ。

弁護士に対して自由競争をしろと言いつつ、弁護士に司法過疎解消の義務を負わせることは、矛盾を含む主張であることを、少なくともマスコミは理解すべきだ。話は少しずれるが、弁護士は社会的インフラだから増やすべきといいつつ、弁護士に自由競争をせよとか、司法修習生への給費制は自分のための資格取得だから不要とか主張するのも、マスコミは辞めた方が良いように思う。インフラの意味を知らないことがばれちゃうぞ。

それはともかく、日弁連としても、理想に燃えるのも結構だが、あまりにお人好しすぎると、利用されるだけで終わってしまうんじゃないか。被疑者国選だって、結局は、赤字の仕事が増えただけなんだから。
どんなに弁護士が人権擁護に必要な仕事だと力説しても、国民の皆様が不要だと思っているから予算が付かないんじゃないのか。その意味では、弁護士会はお人好しすぎることを反省すると同時に、自分をあまりに高く買いかぶりすぎていないか(弁護士の関与が増えると世の中が良くなると思い込んでいないか)についても反省すべき点があるようにも思う。

大阪弁護士会は、法科大学院維持の意見書

日弁連が各単位会に意見照会をかけていた、「法科大学院制度の改善に関する具体的提言案」について、本日、大阪弁護士会常議員会で審議がなされました。

私は従前から、法科大学院制度に疑問を持っていたため、事前に大阪弁護士会執行部に対して、法科大学院導入により生じたメリット(弊害を上回るメリット)について説明して欲しいとお願いしていました。

執行部の回答は、
①事実に即して思考する、少人数双方向の教育を設計し、実践できている。
②多様なバックグラウンドを持ち、コミュニケーション能力に優れた法曹が生まれている。
③多くの法曹実務家が、法曹養成課程に関与できるようになった。
④旧制度に比べて人生設計を立てることが容易になった。

という4点でした。

それに加えて、法科大学院擁護派の先生からは、⑤良い制度なんだが上手く機能していないだけ。⑥法科大学院出身者でも優秀な人がいる。⑦ある制度を作ったときにその制度をまず改善する方法を考えるのが筋。というご発言がありました。

私としては、そもそも法科大学院は、司法試験合格者を増加させる際に、質の低下を防ぎ、時代の要請に合致したより優秀な法曹を生み出すものとして(少なくとも建前上は)設計されたものであると考えています。そうである以上、優秀な法曹を多数輩出していなければ法科大学院に存在意義は無いと思っています。

ところが、法科大学院擁護派の方の説明①~⑦は、どれだけ優秀な法曹を輩出したというものではありませんでした。

①についていえば、いくら良い教育を、と考えて設計・実践しても、それが身につかなければ意味がありません。ゆとり教育の失敗が良い例です。旧制度でも司法研修所で少人数双方向教育はできていました。
②については、新60期は確かにそうだったかもしれませんが、その後は法学部以外出身者の割合は減少を続け、現在では、旧司法試験時代と割合的に変わらなくなっています。むしろ、法科大学院制度は、法科大学院に通えない地方の有職者、お金の問題で法科大学院に通えない方を排除する制度となっています。コミュニケーション能力については、年代とともに変わるものですし、旧制度出身の弁護士がコミュニケーション能力で劣っているという実証もありません。
③について、多くの法曹が、法曹養成に関与したところで、優秀な法曹を輩出できなければ自己満足の世界でしょう。
④について、人生設計が立てやすいかどうかは、優秀な法曹の輩出とは関係ありません。
⑤について、どんなに良い制度でも機能しないなら無駄です。7年かかって良くならないものが、本当に良くなる保証があるのでしょうか。
⑥これは議論のすり替えです。法科大学院制度を否定的に述べる人も、法科大学院出身の方で優秀な方がいらっしゃることは否定していません。合格者の全体的なレベルダウンは、司法試験採点雑感に述べられたとおりです。司法試験合格者の全体的なレベルダウンが生じているのであれば、法科大学院に問題があることは明らかでしょう。
⑦ある制度を作ったときに、その改善を目指す方法もあるでしょうが、それは改善して良くなることが明らかな場合でしょう。もし、改善しても駄目であることが明らかなら、制度自体を変えるしかないように思います。逆にそこまで法科大学院側に自信があるなら、それこそ司法試験の受験資格を法科大学院卒業者以外にも与えて競争すればいいのです。本当に素晴らしくてかつ役立つ教育をしているのであれば、司法試験で予備校ごときに負けるはずもないでしょう。また社会に出ても即戦力として引く手あまたのはずです。

このように、結局法科大学院制度の良さは、全く私には理解できる説明は頂けませんでした。しかし、大阪弁護士会としては、法科大学院を維持改善する意見に賛成する常議員会決議をしてしまいました。

賛成29、反対13、保留9でした。

法科大学院維持派の先生方、本当に法科大学院制度は良くなるのですね?
もし、失敗したときは、逃げずに責任取って下さいね。

※ブログの記載は、記載者の個人的意見であり、当事務所の見解ではありません。

御意見募集

もう、大阪弁護士会の皆さんのレターケースに投函されていると思うが、機構改革PTがアンケートで会員の皆様の意見を募集している(緑色の両面印刷のアンケートです)。

こんな無駄があるのではないか、こんなところを改めれば会費が安くなるのではないか、あらゆる御意見を頂戴できればと思っている。

弁護士会費が足りなければ値上げをすればいい、という時代はとうに過ぎ去っている。

弁護士全体の収入が右肩上がりなのであればいざ知らず、そうでない現状では、会費だけで年間50万円以上、隠れ会費も入れれば年間100万円も会費が必要な強制加入団体が、今後存続できるはずがない。

会費の値下げのためには、弁護士会の機構改革がどうしても必要だ。必要な機能を集約して、スリム化を図らなければ、会費負担だけで弁護士が参ってしまう。こんなに金がかかるなら、強制加入団体を辞めた方が良いという意見も出てくるし、そうなれば、弁護士自治はおそらく完全に崩壊する。

そこで、会員の皆様から、こんな無駄やめろ、こんな出費おかしいだろう、という御意見、もっとこうしたら会務がうまく行くのではないかというご提案など、あらゆる御意見を頂戴できればと考えています。

どうせ言っても変わらない、と思わず、どんどん御意見を頂ければと考えています。

今の弁護士会に、弁護士会費に満足ですか?

そうでないなら、御意見を下さい!。

機構改革PTは、会員の皆様の御意見をお待ちしております。

大阪弁護士会予算案

もう、定時総会上程が常議員会で決定したので構わないと思うが、大阪弁護士会の予算案が作成されている。

その中で支出の40%を占めるのが、弁護士会職員の人件費だ。常議員会の中では二つの意見が出た。

弁護士会職員の雇用条件の不利益変更は慎重にあるべき、との意見と、ここ10年地方公務員だって給料は下がり続けているから減額方向で考えるべきではないのか、との意見。ちなみに、某国立大学のある法律の大家でいらっしゃる先生も、飲み会で、同じようにここ10年給与が減少していると言っておられた。

ちなみに、来年度予算案は、ベースアップ1%を見込んだ予算になっている。ある情報によると大阪弁護士会の職員さんの平均給与は500万円を超えているとの話もある。いまや、多くの新人イソ弁さんの給与を上回る職員給与になりつつある可能性がある。

主人が不景気でおかゆをすすっているときに、お手伝いさんがすき焼きを食べている家庭はどこかおかしい。

もちろん大阪弁護士会に優秀な事務職員の方が多くおられること、かなりお世話になっていること自体は否定はしないが、余りにも今までの弁護士会職員さんへの給与は、大盤振る舞いに過ぎたのではないか。

若手援助のためにOJTを行うことはもちろん大事だが、それよりもまず、高額すぎる弁護士会費の削減が若手への最大の経済的援助になるだろう。今でさえ、若手の弁護士会費は軽減されているが、それでも年間40万円程度は支払う必要があるはずだ。もちろん軽減されていない弁護士の弁護士会費は馬鹿みたいに高い。

弁護士会費削減のためにもどこかで、誰かが決断しなければならないと思う。