高齢弁護士の会費免除年齢引き下げ問題

 弁護士が納める日弁連会費が余ってきたので、若手の会費減額の延長、会費免除となる年齢を77歳から75歳に引き下げること等を行おうとしているのだが、という問題に関する意見照会が日弁連から来ていた。

 大阪弁護士会執行部案は、若手の会費減額延長は賛成、会費免除となる年齢引き下げについては反対の案だった。

 私は、若手の方も等しく弁護士である以上、本当は若手の会費減額はすべきではないと思っているが、昨今の若手の方の大変さから、現状ではやむを得ないと考えるようになっている。

 一方、会費免除年齢引き下げ反対の案については、執行部としては意外にやるなと思ったのだが、複数の常議員の先生から、高齢の弁護士の生活が大変だから等の理由でおかしいのではないか、との意見が出た。

 私は、若手の生活はもっと大変であることを主張して、反論した。

 確かに、先達により弁護士会・日弁連が一定の地位を得てきた(?)ことは、否定しないし、その功績を評価していないわけではない。むしろ先輩方の努力があって、今の弁護士会があるとも思っている。

 しかし、言い方は悪いが、先達の方々は競争相手が極めて少なく、しかも、肥沃な土地が広がっている時代に収穫が可能だった方々だ。

今の若手の多くは、肥沃な土地はほぼ見当たらず、未開の地を開拓しなければならない。国家制度の問題でもあるが、年金や健康保険の自己負担分についても、若手がわりを食う設計になっているようにも思える。資産についても世代間格差が指摘され、資産の多くは高齢者が保持する傾向が強まっている。

 その状態で、会費免除の年齢を引き下げを主張し高齢会員を優遇するのは、すでに日弁連の多数派になっている若手に対して、ますます日弁連の求心力を失わせるものではないだろうか。

 日弁連・弁護士会の将来を思うなら、会費免除年齢の引き下げは愚策ではないかと思うのだけれど。

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