週刊法律新聞の「論壇」

 昨年の、法曹人口問題に関する大阪弁護士会臨時総会の顛末について、週刊法律新聞の「論壇」に掲載されたことは、すでに、お伝えしたとおりです(2008.9.17の私のブログ参照)。

 ごく希にですが、その記事を読みたかったと仰る方もおられるので、法律新聞社の許可を頂いて、2008.9.12日付週刊法律新聞から、私の書いた「論壇」について、PDFファイルで掲載させて頂きます。

 下記のリンクから、お読みください。

 恥ずかしながら、司法試験合格直後の私の顔写真もボンヤリとですが写っています(コンタクトで、ヒゲもない頃のものです)。

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Posted by sakano at 17:19  | パーマリンク |
2009年01月09日
マニュフェスト(粗案)

 私が仮に、大阪弁護士会の会長に立候補するのであれば、第1次粗案として、次のような選挙公報用論稿を考えていました(今後の戦略もありますので、たたき台として作成したものだけを公表します)。

 選挙公報は、字数制限も厳しく、また以下は、第1次粗案であるため、私が訴えたいことのごく一部しか記載できておりませんし、内容も練れているものではありませんので、その点はご容赦ください。

 大阪弁護士会の会員の一意見として、もしも、ご参考にして頂けるのであれば幸いです。

ご挨拶

 私は、この度、○○○○の推薦を受け、平成○○年度大阪弁護士会会長に立候補致しました。私の所信の一部を申し述べ、会員の皆様のご理解と御支援を賜りたいと存じます。

1 弁護士人口問題

 弁護士激増による弁護士過剰が現実のものとなり、2回試験に合格していながら法律事務所に就職できない人の数が相当数生じる時代が到来しました。

 司法統計をみても訴訟事件は減少、破産事件も横ばい状態であり、弁護士の仕事が、弁護士数の爆発的増加に見合うだけ増加している現実もありません。

 潜在的需要があると言われ続けて、一体何年、経過してきたことでしょう。現在の訴訟の3割を占めるといわれる過払バブルが去った後、独立間もない若手の生活は成り立つのでしょうか。私の知っている若手弁護士には、現在訴訟事件がゼロであるという人もいます。仕事が無くコンビニでのバイトを考えている、と大学時代の恩師に相談した弁護士もいると伝え聞いております。もういい加減に現実を見るべき時期です。弁護士の需要は、世間で言われる程は無いのです。あれほど需要があるといった経済界が弁護士をどれだけ雇用しているのでしょうか。需要が本当にあるのであれば、弁護士の就職難が発生するはずがありません。

 法曹人口の爆発的増加は直ちに是正されなければならない問題です。増員のペースダウンだけでは、現在のペースで事態が悪化し続けるだけです。このままでは、弁護士という職業が、努力しても食えない仕事となる可能性があります。そうなれば、優秀な人材が法曹界を目指さなくなり、その結果、法曹界全体のレベルがダウンしたり、アメリカのようにアンビュランス・チェイサーや一発狙いの高額訴訟も頻発するかもしれません。その場合に、最も被害を被るのは他でもない国民の皆様です。一部マスコミや現実を知らない規制改革会議の学者は、そのような危険を全く考慮しない発言を繰り返しています。

 このような時に、現実を国民の皆様にきちんと説明できるのは弁護士会しかありません。私は、国民の皆様にきちんと事実を説明し、近弁連、日弁連とも協働して法曹人口の増加を直ちに適正規模に戻すべく活動すべきだと考えます。具体的には定例の意見公表・記者会見の制度を設けること、マスコミ報道・政治家の発言等に誤解があれば直ちに意見表明すること、併せて法科大学院の三振制度の撤廃の提言等が考えられます。

2 業務基盤の拡大・確保

 弁護士数は激増しているにも関わらず弁護士の法律事務独占は次々と後退を迫られています。そして、他士業・サービサー・信託銀行などが従来弁護士の仕事であった分野にも続々と進出してきています。

 本来、弁護士数が増加すれば、弁護士の法律事務独占はより強固になって良いはずです。オールマィティに法律を扱える弁護士が増加するのですから、他士業等を参入させる必要は減少するはずだからです。

 ところが、現実は正反対です。このような事態を招いた原因の一つは、私には、弁護士業界の広告・宣伝の軽視と他士業の弁護士法違反を摘発する姿勢の曖昧さだったのではないかと思われます。

 インターネットでは、離婚専門や相続専門を名乗る行政書士がサイトを沢山開設しています。地裁で、形式的には、本人訴訟を行わせ、送達場所は自分の事務所と指定し、傍聴席から指示を送る司法書士も何人もいます。

 どの士業がどこまでのことができるのか、本当に頼れる法律の専門家は一体誰なのか、弁護士法に違反した場合どうなるのか等について、国民の皆様に知って頂く必要がどうしてもあると思います。同時に、悪質なネット広告を行う士業と戦う必要があるでしょう。

 そのためには、広告費増大の他、地方公共団体に他士業との違いを含めた分かりやすいパンフレットを配布する等、広報に力を入れると同時に、他士業との関係に留意しつつ、弁護士法違反行為には毅然と対処する必要があります。

3 国選弁護・国選付添人の負担金

 国選弁護、国選付添人の制度は、非常に低廉な報酬しか出ませんが、弁護士(会)全体で維持すべき制度であることは当然だと思います。国選制度の報酬を増額するよう求めていくことは、弁護士会として当然継続してやるべきです。

 ところが、国選弁護・国選付添人のわずかな報酬に対して、大阪弁護士会は5%の負担金を課しています。これは、犠牲的精神で国選制度を維持されている方にとって、2重の負担だと思います。

 私は、少なくともこの国選制度に関する大阪弁護士会負担金は、国選制度に登録されていない弁護士の方々で負担する方が公平だと考え、その制度の実現に向けて努力したいと思っています。

4 会内民主制の健全化

 現在の会長・副会長職は無給であり、殆ど専従しなければならない程の激務であるそうです。これでは、会長・副会長として執行部に所属しようとする方は、極めて余裕のある方でないと現実的には無理となります。しかし、そのように経営基盤を固めるには相当の時間がかかります。若手が自らの意見を執行部に所属して実現しようと考えても事実上不可能という現状になっています。また、私の経験上、選挙になっても、会派からの動員命令で若手の負担が大きくなるばかりではなく、政策論争というより情実選挙の様相を呈しているようにすら見えます。このような時代遅れの執行部選びをしていたのでは、時代の変化について行けません。また、会派による会派内意見統制も真に会員の意見を汲み取るためにはプラスではない場合もあると思われます。

 会内民主制の健全化を図るために、若手会員の会長・副会長就任時の援助制度や、選挙期間中の事務所訪問や電話による投票依頼の制限等も考慮すべきと私は考えます。また、総会議案の秘密投票を容易にする手段も考える必要がありますし、若手会員の意見を継続的に汲み取り反映するためのPTの設置行うべきです。

5 最後に

 今の大阪弁護士会は、法曹人口問題を大きな原因として、難破しかけている船に近い状態と私には見えます。今から急いで救命具を探しても、若手の数には足りません。また運良く救命具を身につけても船が沈めば、その渦に巻き込まれ、多数が生き残れない可能性もあります。旧来のやり方で難破しかかったのですから、早急に新しい視点の船長で船を救う努力をすべきであると、私は考えます。
 

Posted by sakano at 08:00  | パーマリンク |
2009年01月14日
法曹一元について~東京弁護士会の意見書関連

 法曹人口の大幅増加を容認した、平成12年11月1日の日弁連臨時総会で、法曹人口の大幅増加を容認する最も大きな理由の一つとして、法曹一元制の実現を期した、ということがあります(日弁連臨時総会議事録参照)。

 そもそも法曹一元という言葉を、多くの方は聞かれたことはないと思いますが、今日では、「(最高裁・簡裁判事を除く)裁判官の任用方法として、法曹資格を有する法律家のうち、裁判官以外の者、とりわけ弁護士から裁判官を採用しようとするもの」を意味するとされています。

 どうして法曹一元という考えが出てきたかというと、簡単にいえば、①日頃から一般の方と最も接点が多いと考えられる弁護士が裁判官になると、社会の実情を踏まえた広い視野からの判断が出来るのではないかという期待があること、②裁判官にも実際には転勤や昇給・昇格などによる官僚的人事管理が行われているのではないかとの疑問があったこと、③英米では法曹一元的裁判官採用制度を採ってきたこと、等の理由によるそうです。そして法曹一元制は弁護士会の悲願とされてきたようです。

 法曹一元制は、一見なるほどと思わせる主張です。

 確かに裁判官よりは弁護士の方が一般人である依頼者に触れる機会は多いでしょう。また裁判官が万一出世を気にしたり、次の転勤で僻地に飛ばされる危険を考えるとすれば、思い切った判決が書けないかもしれません。
 しかし、弁護士の方とて裁判官よりも広い視野を持っているという保証はありません。また一時自分の事務所を他人にまかせ、定年後にその事務所に戻ろうとする一種の腰掛け的意識が出ることはないのかという疑問もあります。
 なにより、国民の皆様が本当に弁護士が裁判官になる方が良いとお考えなのか、という根本的な問題が解決されていません。

 現実に弁護士の仕事をやっている実感からすると、法曹一元の実現は極めて困難というしかありません。なぜなら、裁判官に任命されるには、相当優秀な弁護士でなければなりません。それも相当優秀な弁護士が争って裁判官になりたがるようなシステムでなければ、優秀な裁判官を集めることが出来ません。しかし、優秀な弁護士が今まで時間と努力を注いで築いてきた経営基盤を全て捨てて、裁判官になるとはあまり思えません。収入が減る可能性が高いばかりでなく、転勤による子供の教育の問題もあるでしょうし、裁判官をやめた後、再び経営基盤をゼロから作り直すのは相当な時間と費用がかかるはずだからです。現に、弁護士を裁判官に任官させる制度はありますが、希望者が殺到しているとは到底言えない、お寂しい状況のようです。

 本当に、現段階で法曹一元制を実現し、優秀な弁護士を裁判官にして、より国民の皆様のためになる裁判所を目指すのであれば、①一度裁判官に任官すればそれだけで老後も大丈夫な程の高額な報酬を国家が保証するか、②弁護士が普通に仕事していては到底食えない程まで増員して、食えない弁護士よりも裁判官の方がマシと多数の弁護士に思わせるしかないように思われます。

 しかし、①は予算上困難(不可能)でしょうし、②は大多数の弁護士を食えなくさせ、しかも、国民の皆様に訴訟社会の到来というい犠牲を強いる方法なので、弁護士会として目指すべき法曹一元の実現手段というべきではないでしょう。

 このような、お話をなぜしてきたかというと、日本最大の弁護士会である東京弁護士会が1月13日に法曹人口問題に関する意見書を日弁連に提出したことと関係します。東京弁護士会の、法曹人口の激増スピードを緩めるべきであるという主張は、まだ良いのですが、法曹一元を目指すならば5万人の弁護士人口が必要であると、いまだに東京弁護士会は主張しているのです。

 東京弁護士会は、本当に今のままで法曹一元を実現できると思っているのでしょうか。①の実現手段が不可能な現状で、②の状況で法曹一元が実現しても、私は意味がないように思うのです。

 意見書を作成されるために多大な時間と労力を費やされたはずですから、関係された方々には本当にお疲れ様と申しあげたいところです。

 しかし、法曹一元を導入しないのであれば、5万人の法曹人口が必要という、最大の論拠はなくなるのです。現状では実現不可能というべき法曹一元の夢ばかり見るのはもうやめて、何が一番大事かという観点から、現実の需要を見据えた法曹人口問題を論じてもらいたかったという点で、少し残念な思いが残ります。

人の悩み

 こういう仕事をしているので、依頼者の方の悩みをよく聞かせて頂くことがあります。完全な人間なんていないのですから、悩みがあっても当たり前です。

 ただ、私自身も悩みがちであるということから、悩むことの辛さも少しはわかる場合もあるので、若干ヒントを出させて頂くことはあります。

 そのヒントとは、「悩みの99.9%は、悩んでいても、なんら解決につながらない」ということです。悩んで良い方向に転ぶ、若しくは悪くなることが止められるというのであれば、真剣に悩むべきですが、実は(私の経験上)、悩んでも現実には全く影響しないことがほとんどです。ですから、実は、悩んでいる時間は苦しいだけでなく、無駄な時間を過ごしてしまっている場合が多いということです。

 真面目な方ほど悩みます。悩み始めてしまうことは、それは性格ですから止めようがありません。しかし、悩んで苦しくなってきた時に、一度立ち止まって見て下さい。そして、「私は今とても悩んでいるけど、この問題を悩むことで、問題は解決されるのか。悩むことで問題は良い方向に転ぶのか。」と考えてみて下さい。

 ほぼ99.9%は、悩んでも解決につながらないことに気付かれるはずです。つまり、その悩んでいる時間はあなたの人生にとっては無駄になっている可能性が高い時間です。無駄な時間であると気付けば、別のことをしてみても罰は当たらないでしょう。ちょっと気分を変えて散歩するだけでずいぶん楽になる場合もあります。

 そうはいっても、すぐまた悩んでしまうこともあるでしょう。真面目な方ほどその傾向が強いようです。それでも、もう一度立ち止まって、悩むことで解決につながるのか考えてみて下さい。このように立ち止まる癖をつけると少し楽になってきます。

 もう一つのヒントは、悩みを他人に相談することですが、これについては、また追ってお話しする機会があるかと思います。

新年あけましておめでとうございます

 新年、あけましておめでとうございます。

 2009年が皆様にとって良き年になりますよう祈念しております。

 またイデア綜合法律事務所が皆様の幸せに少しでも寄与できるよう、更に努力していきたいと考えております。

 さて、2009年を迎えて、当事務所に新たな戦力が加わりました。

 池田聡弁護士・中嶋俊明弁護士・藤原誠弁護士(50音順)の3名です。

 本来ですと、昨年加入した太井徹弁護士と共に、当事務所のHPに載せなければならないのですが、HPの変更等についてどのようにするのか若干検討中ですので、先にブログの方でご報告させて頂きます。

 これで、当事務所の所属弁護士数は、パートナー5名、客員1名、アソシエイト4名の合計10名となりました。皆様には、これまで以上に充実したリーガルサービスをお届けできますよう、弁護士・事務局一同、更に精進する所存ですので、今後とも、イデア綜合法律事務所をよろしくお願いいたします。

J・Sバッハ オーボエ・ダモーレ協奏曲 BWV1055

 オーボエって何?と仰る方もおられるかもしれません。オーボエは楽器の一つであり、世界で最も演奏するのが難しい木管楽器とされているものだそうです。私は、楽器は何一つ演奏することは出来ませんが、高く、遙に澄み切ったオーボエの音色は大好きです。

 かつて宮本文昭さんが、NHK朝の連続テレビ小説「あすか」の主題曲をオーボエで演奏され、一時、かなりオーボエの音色が注目されたので、覚えておられる方も多いと思います。

 そのオーボエの名手、ハインツ・ホリガーが、バッハの協奏曲を演奏したものがあります。

 私の持っているCDは、そのうちBWV1053・1059・1055の曲が入ったもので、1055のみオーボエ・ダモーレを用いて演奏されているものです。

 いずれの曲も素晴らしいのですが、特に美しいのがBWV1055で、なかでも、私はその第3楽章が大好きです。第2楽章の膝をかかえて物思いに沈んでしまっているかのような音楽のあと、第3楽章に入り、割と明るいオーケストラの演奏のあと、初冬の早朝にだけ見られるような明るく澄み渡った青空を思わせるオーボエ・ダモーレが響き渡ります。

 ホリガーのオーボエ・ダモーレで演奏されるその部分は、単に透明な明るさを持った青空というわけではないように思います。うまく言えませんが、何事もなかったように周囲には明るく振る舞いながらも、実は恐ろしいほど深い悲しみを感じている人が、その悲しみの中で、本当に何気なしに見上げた青空に、今まで気付かなかった高さ・美しさを見出したかのように感じられます。言い換えれば、表面上は明るいながらも、深い悲しみの中にそっと救いを包み込んだような音楽に感じられます。

 忙しい年末の時期ですが、機会があれば是非一度、耳にされることをお薦めします。

 当事務所の本年の業務・本年の私のブログの更新は、本日で終了させて頂きます。イデア綜合法律事務所を御支援くださった方、私の拙いブログを読んで下さった方、誠に有り難うございました。皆様が良き新年をお迎えされることを祈念しております。

 新年は、1月5日(月)から業務を開始する予定です。ブログの更新も、細々と続けていくつもりですので、今後ともイデア綜合法律事務所をよろしくお願い致します。

クリスマス・イヴ

 今日は、クリスマス・イヴでしたので、デスクワークの際に、パソコンに取り込んだ坂本龍一さん作曲の「Merry Christmas Mr.Lawrence」(戦場のメリークリスマスの主題曲:ピアノバージョン)を、少し聞きながら仕事をしたりしていました。

 はるか昔に読んだ、星新一さんのショートショートに、人類が邪悪なので地球を滅ぼすべきと報告を受けた存在がやってきたものの、人々の様子が優しさと暖かさに満ちあふれており、地球を滅ぼすことをやめるという話があったように記憶しています。たまたま、その日がクリスマス・イヴであったため、人々が優しく接しあっていたというのがオチだったと思います。

 この年になると、クリスマスだからといって特に気分が高揚するわけではなく、相変わらず仕事に追っかけられ続ける、ありふれた日常のうちの一日になってしまうのですが、クリスマスくらいはみんなに優しく接することができる一日でありたいと思います。  

ぼくに家族ができたよ  きのみゆかり 作・絵

 ペットショップで大きくなってしまったテリア犬がいた。ある日、ついに主人となってくれる家族があらわれる。ご主人の家で、ジャム(テリア犬の名前)が見たものは・・・・?

 皆さんご存じかもしれませんが、ペットショップで売られている犬たちの値段は、子犬の方が高いのです。つまり可愛い子犬の時期が、ペットが最も売れやすい時期とも言えます。残念ながら大きく育ってしまった犬は高値では売れず、世話にも手間がかかる、というペットショップではあまり歓迎されない存在のようです。

 しかも、子犬の頃に買い手がつかなかった犬は、仲間達がどんどんご主人が決まってもらわれていくのを眺め続けていなくてはなりません。犬だって心くらい持っています。そんな状況下で育たなければならなかった犬の心が、傷つかないはずがないと私には思えます。

 作者の、きのみゆかりさんは、家族総出でジャムの心をゆっくりと温めて傷を治していかれたはずです。そんなジャムとの日々を、暖かい絵と文章で描いたのが、この絵本です。

 今年の11月末頃、ひょんなきっかけで、阿蘇にある、きのみゆかりさんの小さなお店に訪れる機会を得た私は、美味しいお菓子と珈琲をご馳走になり、ジャム君と遊ばせてもらいました。ジャム君は本当にご主人が大好きなようで、少しでもご主人がそばを離れようとすると、大騒ぎしていました。

 作者の、きのみゆかりさんは、絵本の原画展を開催されたり、募金活動をされたりしながら動物愛護のために活動されています。私は、もちろん帰りがけに、この絵本を買い、きのみさんは快くサインもしてくださいました。

 機会があればまた美味しい珈琲とお菓子を頂いて、そしてやんちゃなジャム君と遊ばせて頂こうと思っています。

文芸社 1050円(税込)

永世竜王はどっちだ?

 現在、将棋の2大タイトルのうちの一つ、竜王戦7番勝負の最終戦が行われています。

 現在竜王位の渡辺明竜王は、連続4期竜王位を保持しており、今回竜王位を防衛すれば、連続5期の竜王位保持ということになり、初めての永世竜王の称号を手にすることが出来ます。

 一方挑戦者は、将棋界のもう一つの大きなタイトルである名人を保持する、羽生善治名人です。羽生名人は通算6期竜王位を保持しており、今回竜王位を奪取すれば、通算7期の竜王位保持ということになり、これまた、初めての永世竜王の称号を手にすることが出来るのです。

 このように、偶然にも今回の竜王戦は、いずれが勝っても史上初めての永世竜王が誕生するという極めてドラマティックなタイトル戦になっています。

 しかも、羽生名人が3連勝した後、渡辺竜王が3連勝でお返しし、全く互角のまま最後の第7局まで決着がもつれ込んでいます。

 これまで将棋界の長い歴史の中で、7番勝負において3連敗から4連勝でタイトルを奪取した事例はありません。渡辺竜王がジンクスを破って勝つのか、羽生名人が棋界の第一人者としての貫禄を示して勝利するのか、非常に興味深いところです。

 今日の遅くには決着がつく見込みです。

※12月19日追記 大熱戦の結果、渡辺竜王が防衛を果たし、初の永世竜王となりました。

学生時代の友人

 このブログでも何度も言っていますが、学生時代の友人は宝物になることが多いような気がします。

 先日、昨年私が担当した司法特別演習Bの受講生達の有志の方から、昨年度のゼミ生で飲み会しましょう、とのお誘いがあり、年がいもなく出かけていきました。

 私の担当する演習は、関西学院大学の3~4回生が受講できますので、飲み会参加者も様々です。既に社会人の人、ロースクールに合格して来年から法律家を目指す人、就職活動が実り現在研修中の人など、多彩な顔ぶれが参加してくれました。特に、この飲み会に参加するために朝6時から会社に行って仕事と戦ってきてくれたHさんには、お疲れ様でしたというほかありません。

 帰り道に、そのHさんと一緒に駅まで歩きましたが、Hさんが「みんな全然変わってなかった」といわれたので、「多分20年くらいたっても、やっぱり全然変わらない感じがするはずですよ」、と自分の経験からいっておきました。

  また何かの機会に、旧交を温め合ってくれると、私としても嬉しいです。ひょっとしたら私のことを少しだけでも、思い出してもらえるかもしれませんから。

 皆さんの、今後のご活躍をお祈りしています。

修習生の就職難

 昨日の日弁連から届いたメールマガジンの最後の方に、ひまわり求人求職ナビの現状が載っていました。

 そこには、12月15日現在で270名もの修習生が職を求めて登録しているということが書かれています。新61期の二回試験の発表は12月16日なので、今日二回試験に合格していれば、就職できてはいないが弁護士になる資格がある方が270名も溢れることになります。仮に就職出来た方が登録を抹消をしていなかったとしても、200名以上は、ほぼ確実に就職できていないことになります。

 このように、平成19年度新司法試験合格者1850人のうち、仮に270名の就職が出来ていないとすると、約15%弱が就職できていないことになります。島根県弁護士会全体の会員数は41名ですから、島根県弁護士会7個弱分に相当する数の新人弁護士が就職できずにあぶれることになります。

 以前から何度も言ってきましたが、本当にニーズがあるのであればどの法律事務所でもどの企業でも弁護士が欲しくてたまらないはずで、修習生の就職難などあり得ません。

 弁護士のニーズが無いにもかかわらず、あるはずだと述べ続ける、経済界・学者の方々、それに増員を直ちに止めない弁護士会執行部は、一体何を考えているのでしょうか?

 かつて、日弁連で事実上、司法試験合格者3000人を容認した平成12年11月1日の日弁連臨時総会(この議事録を読むと、執行部側が強引に討議を打ち切っている様子がうかがえます)において、当時の日弁連執行部は次のように話しています。

 「いやしくも数に偏して質を軽視することがあり得ないかと。『その通りです』ということであります。」(平山副会長~当時)

 →しかし、新司法試験では受験者の平均点以下の得点でも合格できている実態があります。これを、「数に偏して質を軽視している」と言わなくてなんというのでしょうか。

「マーケットとか、需要とかそういうものが法曹人口の一つのファクターになってくるということは、これは否定できないことだと思います。」(久保井会長~当時)

 「3000人で増やしていって5万人になったら打ち切りと言うことでロースクールが承知しないんではないかという質問がありましたね。確かにそういうことを仰る意味はよく分かります。しかし大企業でも、社会の要請によって大幅に工場を削減する。だから司法試験の合格者、社会の要請が無くなって、ロースクールで養成すべき学生が無くなるといいますか、減らしていくべきだということになれば、ロースクールを縮小していくということだって、当然これはあっていいこと(後略)」(久保井会長~当時)

→修習生の就職難が明確になっている現状では、需要がないことは明白です。日弁連としては直ちに弁護士の需要がないのであるから、ロースクールの大幅縮小を提言すべきなのではないでしょうか。それをなぜやらないのでしょうか。

 その他、面白い発言はたくさんありますが、読んでいくと当時の日弁連執行部の説明と今の日弁連執行部の態度とが整合性が取れていないのではないかと思われる部分(要するに執行部が日弁連会員を騙したのではないかと思われる部分)も見受けられます。

 日弁連執行部は嘘つきだったのでしょうか?

 ちなみに、先だってご紹介させて頂いた、兵庫県弁護士会の武本夕香子先生は、この日弁連臨時総会にも出ておられ、執行部の苦し紛れの議論に対し、非常に説得的な反対意見を述べておられます。

 機会があれば、追ってご紹介したいと考えております。

なぜ弁護士はウラを即座に見抜けるのか? 佐伯照道著

 最近の新書で流行の「なぜ××は~~なのか」という題名で、やれやれまたか、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 しかし、この本は非常に面白い本で一般の方だけではなく弁護士・学生の方が読まれても何かしら得られるものがある本ではないかと思います。「最強の破産管財人の手法をあなたも日常に使え!」と本の帯に書かれているのですが、「こんな発想は佐伯先生だから出来たのではないか、とても私が日常的に使えるとは思えない・・・・。」と感じてしまう部分も正直言ってあります。

 けれども本を読み進めていくと、「斬新な発想も、一生懸命に仕事に向き合おうとすること、真剣に依頼者の(時には相手方も含めた)本当の利益を考えること、が出発点である。」ということを佐伯先生が示唆して下さっているように私には思え、少なくともこの点だけなら私でも頑張れると思いました。

 言い古された言葉になりますが、私にとっては、面白くてためになる本でした。

 著者の弁護士佐伯照道先生は、大阪弁護士会会長・日弁連副会長などを務められた方で、大阪有数の大法律事務所のパートナーでもいらっしゃいます。実際お会いしてみると、非常に気さくで、私のような若輩が失礼な意見を言ってもきちんとそれに向き合って下さる、人間の大きな方です。

 たまたま、佐伯先生は、私が所属する法曹人口問題プロジェクトチームの座長を務めておられ何度か、PTの後に食事に誘って頂いたことがあります。

 その席で聞いたお話によると、先生の祖先をさかのぼると、日本一大きいため池である香川の満濃池を作った方々にまでさかのぼるそうです。満濃池を弘法大師が作ったという伝説もあるそうですから、ひょっとしたら佐伯先生は弘法大師の親戚くらいの子孫になるのかもしれません。

 また、佐伯先生が大阪弁護士会会長・日弁連副会長の頃に、法曹人口問題に関する会合に出られた際、増員一辺倒になっていた日弁連執行部内で一人「法曹人口問題は、是々非々で論じるべき」と主張されたところ、日弁連執行部から猛反発を受け、反省文的なものを書くよう求められたこと(酒席での話ですので私の記憶違いがあるかもしれませんが)など、笑い話のような興味深いお話を聞かせて頂くこともできました。

 日弁連執行部万歳となりがちな、日弁連副会長の座にあるときでも、敢然と正論を述べられた佐伯先生は、私の尊敬する先生の一人でもあります。なお、佐伯先生ご自身は、「僕は悪者だよ」と仰ることもありますが、真偽のほどは私には不明です(笑)。

 次回のPTでお会いしたら、この本にサインを頂いてしまおうとたくらんでいます。

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