法曹の養成に関するフォーラム

 法曹の養成に関する制度のあり方について、検討を行うため政府に「法曹の要請に関するフォーラム」が平成23年5月13日に発足しました。

 構成員については、【関係政務】委員以外の有識者が公表されていました。

 座長 佐々木毅   学習院大学法学部教授

     伊藤鉄男   弁護士(元次長検事)

     井上正仁   東京大学大学院法学政治学研究科・法学部教授

     岡田ヒロミ  消費生活専門相談員

     翁 百合   株式会社日本総合研究所理事

     鎌田 薫   早稲田大学総長・法学学術院教授

     久保 潔   元読売新聞東京本社論説副委員長

     田中泰郎   明治大学法科大学院法務研究科教授(元札幌高裁長官)

     南雲弘行   日本労働組合総連合会事務局長

     丸島俊介   弁護士

     宮脇 淳    北海道大学公共政策大学院長

     山口義行   立教大学経済学部教授

 の12名となっております。

 このうち、佐々木毅氏は、法科大学院協会顧問、オリックス・JR東日本・東芝の社外取締役を兼ねておられるようです。

 伊藤鉄男氏は、山梨学院大学法科大学院の客員教授。日本有数の巨大法律事務所である西村あさひ法律事務所に所属されています。

 井上正仁氏は、司法制度改革審議会で強力に法科大学院制度を推進し、法科大学院創設に尽力した方。

 鎌田薫氏は、法科大学院協会副理事長、日本有数の巨大法律事務所である森・濱田松本法律事務所の客員弁護士も勤めています。

 田中康郎氏は、現役の法科大学院教授。

 つまり12人中5名が法科大学院の関係者。さらに、法科大学院と利害を同じくすると考えられる大学関係者の方が、宮脇淳氏と山口義行氏。これを合わせると、ほぼ確実に法科大学院賛成と目される方で有識者の過半数。

 このような人選で、本当に中立公正に、司法修習生の給費制問題(法科大学院は司法修習生の給費制に反対しています。その論調は司法修習生に回す金があれば法科大学院に金を回せといわんばかりの論調だったように記憶しています。)や、法科大学院の機能不全の問題(各所から指摘を受けているのに法科大学院協会理事長はつい最近まで法科大学院に問題はないと断言していたように記憶しています。)をきちんと議論できるのかは、誰が見ても疑問でしょう。

 しかも、議論を公開しない方針であるとは、よく分かりません。責任ある発言ならば公開されてもなんの問題もないでしょう。それを嫌がるとは、どういうことなのでしょうか。

 この有識者のリストを見ただけでも、ある結論を導くために人選がなされた可能性すらありそうです。

 フォーラムでの議論が、法科大学院保護の為になされないか、十分注意してみていく必要があるように思われます。

司法修習生就職難状況~2011

 前のエントリーで、修習生の方に朗報をお伝えしておきながら矛盾したようなことを言うようだが、昨日の常議員会で頂いた資料に、年々厳しくなる就職状況のアンケート結果が入っていた。

 大阪弁護士会執行部に対し、その資料の公表を可否を尋ねたが、会員限りとのお返事だったので、以下の記述は、「私が仄聞するところによると、どうも、こういう状況らしい」というものに過ぎないことをお断りしておく。

 紛れもなく、司法修習生の法律事務所への就職難は厳しさを増している。

 昨年11月実施のアンケート(毎年この時期に法律事務所に対して実施。回答率は29~20%程度。)に回答した事務所のうち、司法修習生の採用を希望する事務所の割合がここ3年次のように低下している。

2008年11月  30.41% (小数点3桁以下四捨五入、以下同じ)

2009年11月  21.52%

2010年11月  16.67%

 このアンケートには、どんな条件なら採用可能かという項目もあげられている。2010年のアンケートには、その問いに関して、はじめて、「条件に関わらず採用予定なし」という選択肢が組み込まれたようだが、アンケート結果(複数回答あり)の上位3項目は、概ね次のような内容になっている(らしい)。

 条件に関わらず採用予定なし  65.6%

 スペースがあれば         17.3%

 低年俸なら              9.8%

 また、「条件にかかわらず採用予定なし」と回答した方で、記載された理由の上位5つは次の通り(らしい)。

1位  事件・収入が減少した又は、ないため。あるいは増加する見通しが立たないため。

2位  高齢のため・健康上の理由のため・廃業予定のため

3位  現状で業務には十分足りている。これ以上雇用する余裕がないため。

4位  自分が独立して間がないため。

5位  採用の必要性を感じない。あるいは採用の意思がないため。

 これでは、修習生としては、早く釧路・長崎へ就職活動に行くか、「弁護士のさらなる増員は必要、潜在的弁護士ニーズがまだまだある」と仰る方々(江田法相含む)に雇用してもらうしかないではないか。

 日弁連は、早急に、まだまだ潜在的ニーズはあると言い張る弁護士、または、司法試験合格者減員に積極的に賛成しない弁護士(現状の激増路線を是とする弁護士)が所属する法律事務所のリストを作成して、司法修習生に教示するべきだ。

 責任ある発言をしているのなら、きっと雇用してくれるはずだ。無責任かつ根拠なしに潜在的ニーズの存在や弁護士激増の必要性を論じているわけではないだろう。

 本来なら、司法修習生の窮状を分かっているはずだから、ご自分から名乗り出るべきだと思うが、どうも潜在的ニーズ論者や弁護士激増論者の方は、シャイな方が多いらしいので、日弁連が後押ししてやるしかないではないか。

 誰が潜在的ニーズ論者か、弁護士激増論者か、分からないって?

 そんなのアンケートとればすぐわかる。アンケート未回答の人を含めて、法律事務所の連絡先を公開すればいいのだから、やり方も簡単だ。そもそも弁護士名簿には、事務所名も名前もみんな掲載されている。

 司法修習生としても、それくらい日弁連に求めても、おかしくないだろう。就活で、公に募集をしていない会社に対して、採用予定があるかどうか問い合わせるのとおんなじことだ。

※記載内容については、全て執筆者の個人的な見解に基づくものであって、当事務所の統一した見解・意見ではありません。

修習生の方へ朗報??

 日弁連新聞4頁に、小規模弁護士会協議会の記事が載っている。

 そこで、小規模弁護士会協議会の永井議長と原副議長が、小規模弁護士会(地方)に是非来て欲しいと語っておられる。 永井議長の所属する釧路弁護士会は現在60名の会員、原副議長の所属する長崎県弁護士会は現在137名の弁護士が所属している。

 来てくれと言っているのだから、就職させてくれるはずだ。就職難に悩む修習生の方には朗報だ。

 若干気がかりなのは、日弁連法曹人口政策会議が「中間とりまとめ(司法試験合格者の減少を提言する内容)」に対する意見を求めた際に、長崎県弁護士会の意見はまとまらなかったものの、その中に、「法曹需要が現れていないことをもっと強調すべき」という趣旨の意見が見られることだ。これに比べて、釧路弁護士会の方は「弁護士数激増による歪みといえる状況を未だ具体的に体感するには至らない状況」らしいので、長崎よりは期待が持てる。

 ちなみに、長崎県(総人口約143万人、弁護士数137名)と、ほぼ同規模の愛媛県(総人口約142万人、弁護士数141名)が、日弁連の「中間とりまとめ」に関して、合格者を1000名まで減少すべき、大幅減員とするべきという意見が多数を占めたとの報告もあるが、まさか原副議長が、長崎の現状も知らずに長崎に来て欲しいとは言わないだろうから、長崎はきっと、愛媛に比べて弁護士の需要が凄く多いのだろう。

 これは、チャンスだ。

 就職に悩む修習生の方々は、こぞって、釧路・長崎で事務所訪問をするべきだ。それでも就職させてもらえない場合は、永井議長や原副議長所属する事務所に雇用してくれるよう直訴してみよう。

 まさか永井議長や原副議長が、日弁連新聞紙上で無責任な発言をされるとは思えないから、ご自分の事務所で無理してでも雇用して下さるだろう。万一、新卒予定の修習生の内定者を5名もかかえているなどの特殊事情で今年がダメでも、きっと就職口を見つけて下さるはずだ。だって、ご自分が釧路や長崎に来て欲しいと言っているんだから。

 「来て欲しい」と言っておいて、「就職は知らん」とは言わないだろう。だって、積極的に「来て欲しい」とまで言ってるんだから。

 OJTの重要性も分かっておられるようなので、就職先がなければ即独しろ、などと無茶なことも言わないだろう。

 就職に悩む修習生の方は、まず、釧路・長崎が狙い目だ。

公認会計士試験と司法試験

 インターネットの情報によると、アメリカの公認会計士(CPA)の数は、30万人を超えると言われているそうだ。日本の公認会計士の数は、約21500人、準会員9500人くらいだ。

 平成18年より実施された新しい公認会計士試験制度により、合格者を増やしすぎたとして、減員の方向の検討に入ったのは、1年半ほど前の話だ。

 欧米と比較して圧倒的に少ない公認会計士数であるが、金融庁は、次のような理由から、既に合格者を減らす方向での調整に入っている。

(以下、金融庁の資料より抜粋)

平成21年12月8日
金融庁政務三役
「公認会計士制度に関する懇談会」の開催について
1.趣旨
(1)公認会計士については、監査業界のみならず経済社会の幅広い分野で活躍することが期待されているとの考え方に基づき、社会人を含めた多様な人材にとっても受験しやすい試験制度となるよう、平成15年に公認会計士法が改正され、平成18年より新しい試験制度のもとで公認会計士試験が実施されてきた。
(参考)現行制度での合格者の推移
平成18年 1372人
平成19年 2695人
平成20年 3024人 
平成21年 1916人

(2)しかし、現状においては、合格者の経済界等への就職は進んでおらず、社会人の受験者・合格者についても十分増加していないなど、現行制度の狙いは道半ばの状況にある。また、現状のまま推移した場合、公認会計士になるために必要な実務経験を満たすことができないことも懸念され、試験に合格しても公認会計士の資格を取得できないというおそれが高まることとなる。これは、試験制度の魅力を低下させる可能性もある。
(3)こうした状況を踏まえ、公認会計士試験・資格制度等についての検討を開始するため、「公認会計士制度に関する懇談会」を開催する。

(抜粋ここまで)

 公認会計士試験に合格しても実務経験を積めなければ公認会計士の資格は得られない。それは、公認会計士としての実力を認めるところまでの教育として試験合格だけでは足りないと考えられているからだ。

 医師だって、弁護士だって、じつは、おんなじだ。医師国家試験に合格しただけでは手術は無理なのと同じで、2回試験を合格しただけでは、適切な弁護活動は(絶対無理とは言わないが)相当難しい。

 つまり、金融庁の見解は、「会計士試験に合格しただけで、オンザ・ジョブ・トレーニングが出来ないのでは有能な公認会計士となりがたい。 試験に合格しても、実務経験が積めずに公認会計士になれないのであれば、資格の魅力が薄れ、有能な人材が公認会計士を目指さなくなる。しかも、経済界のニーズがなく、公認会計士の就職難の状況にある。だから、合格者をへらそう。」というところにあるということだ。 しかも制度改正実施後わずか3年での方向転換だ。

  そもそも公認会計士試験制度を改正したのは、金融庁によると、

 「公認会計士の質を確保しつつ、多様な人材が監査証明業務やその他の監査と会計に係る業務の担い手となることを目的として、平成18年度より実施されたものである。 その他、金商法の監査義務づけや公認会計士による法定監査の拡大、内部統制の構築、M&A関連業務やコンサルティング業務において公認会計士の果たす役割の一層の拡大が見られる。さらに自治体などの公開計の分野でも役割が増大しているし、国際競争力を強化することは喫緊の過大となり公認会計士の役割は重要である。経済社会による公認会計士の質の確保と量的拡大の要請の一層増大している・・・・」ということが理由らしい。

 上記の理由をどこかで見たことはないだろうか。

「ニーズが増えると予測される、資格者の役割はより一層社会で重要となる、経済界でも自治体でも必要だし、国際競争力の観点からも増員は必要。質を維持しつつ多様な人材を招き入れる必要がある・・・・・」

なんのことはない。司法制度改革で法曹増員のために掲げられていた内容とほとんど変わらないのだ。

 分野こそ、司法と会計・監査と異にするが、司法制度改革の目的と大して変わらないのが、公認会計士の試験制度改革の目的だったのだ。

 しかし、先ほど述べた金融庁の合格者減員が必要という見解に対して、マスコミは全く批判を行っていない。

 わたしから見れば非常に不思議に思う。

なぜマスコミは、

①もっと田舎の中小企業にも会計コンサルティングなどの潜在的ニーズがあるはずだ、とか、

②公認会計士のいない市町村がたくさんあるから、合格者減少なんてとんでもないとか、

③これまで割の良い仕事しかしていなかったのだろうから、もっと他の仕事をすればいいとか、

④公認会計士はこれまで恵まれてきただけで就職難はどこでも一緒だとか、

⑤国際競争力の観点から公認会計士をとにかく増加させるべきだとか、

⑥そもそも合格者増員(試験制度改革)の理念に反するだとか、

⑦欧米に比べれば圧倒的に少ないじゃないかとか、

 その他もろもろの、司法試験合格者減員論に対するのと同様の批判を行わないのだろうか。

 それは、専門資格の濫発が専門資格の魅力を失わせ、有能な人材がその資格を目指さなくなること、その結果却って専門家全体の力が落ちる危険があることを、マスコミがホントは知っているからに他ならない、と私は思っている。

 しかし司法試験に関してだけは、マスコミは、合格者減員論に対し、ヒステリックに反対する立場を維持し続けている。

 この事実だけからも、いかにマスコミが弁護士バッシングを、好き好んで行っているかが分かると思う。

 マスコミの方が、「それは違う」というのなら、なぜ公認会計士試験合格者減員に反対しないのか、論理的に明確に、司法試験との違いを明らかにしつつ説明して欲しい。司法試験合格者減員に対してあれだけ批判的に報道しているのだから、両者の違いの根拠くらい、すぐに、簡単に示せるだろう。なぜその違いについて説明しつつ報道しないんだ。それが偏向してるってことじゃないのか。

  しかし、こういうマスコミの偏向ぶりに気付く国民の方は、残念ながら、そう多くはない。

※記載内容については、全て執筆者の個人的な見解に基づくものであって、当事務所の統一した見解・意見ではありません。

人間空母?江田法相を笑えん!

 現在の法務大臣は江田五月氏だ。裁判官を経て弁護士となり、国会議員として活躍されておられる。

 あるMLから頂いた情報によると、江田法相は、先だっての国会法務委員会で、次のようなことを、述べていたそうだ。

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なお、この質問・答弁の全文は下記のURLから読むことが出来る。

http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000417720110330004.htm

 つまりは、弁護士の就職難があっても田舎に行け、行けばニーズはある、需要を掘り起こせば良いんだ、弁護士は多い方が国民の皆様のためになるんだ、読売ホールでのシンポでもそうだったんだ。ということを仰っているようだ。

 それでは、法務大臣になる以前の江田氏はどう言っていたのか。下記のブログを読んで頂きたい。

http://www.eda-jp.com/etc/nk/000904.html

 「どちらが良いのか分かりません」と結論を断言はしないものの、法曹一元に釣られて増員賛成の決議をした日弁連を「つける薬もない人達」と述べていることから、江田氏は、法曹人口の激増は国民のためにならない、と論じていることがわかる。その論調の方向性は、中学生でも分かるはずだ。

 それに、江田センセイの言っている読売ホールのシンポジウムは、多分、2000.2.18の司法改革東京ミーティングだと思われる。仮にそうだとすると、2000年からどんどん実行されだした司法改革により弁護士人口のみ突出して増大し、問題点が出てきたと指摘した議員の質問に対し、2000年以前は国民の皆さんは改革賛成だったんだ、と答えているのであって、およそ答えになっていない。

 簡単に例えて言えば、11年前に高速道路の制限時速を200キロにしたため死亡事故が多発する問題が生じていると指摘したところ、いやいや、11年前は、みんな制限速度を200キロにするべきだと言っていたんだ、と答えているのとなんら変わりがない。

 結局、政権与党に入って、法相になれちゃったら、江田センセイも、いきなり政府の方針(しかも政権交代する前の政権が決めた閣議決定方針)に転向なんでしょうか?

 法曹人口増と言っても、実際は弁護士人口増であって、それには問題点がある。法曹一元に釣られて、実際の成果も上げられず、そんな方向に賛成する日弁連は「つける薬もない人達だ」といっていた方が、

 大きな司法を目指すのが改革だ。弁護士人口を増やすんだ。ニーズの掘り起こしをしてこそ法曹だ。そのために(「質はどうあれ」)法曹の数を増やすのが「私の、別に誰にも隠さない信念でございます」・・・・・・って平気で言えちゃうセンセイになっちゃったんですか。

 江田法相のこの答弁は、(少なくとも私は)笑えん!

※記載内容については、全て執筆者の個人的な見解に基づくものであって、当事務所の統一した見解・意見ではありません。

日弁連の意見って誰の意見?~2

 2月22日のブログhttp://www.idea-law.jp/sakano/blog/archives/2011/02/22.htmlにも書いたのだが、日弁連が、法曹養成制度に関する緊急提言を出す方向で、最終調整に入っているということで、弁護士のMLなどでさんざん酷評されている。

 日弁連執行部曰く、「法曹養成問題に関するフォーラムが出来るのに丸腰では参加できない。せめて日弁連として提言をしてそれをもとに乗り込むべきだ。」とのことであるが、会内で大きく意見が分かれるこの問題について、10年も前の臨時総会決議の範囲内だということで、このような意見を一方的に出すのはあまりにも執行部の身勝手である。

 フォーラムのような組織が出来ることは既に、給費制が1年延長された時点で分かりきっていたのに、それへの対応を放置してフォーラム直前に火事場泥棒的に、会内合意もとらずに押し切ろうとするのだから、会内民主主義もへったくれも、執行部は考えちゃくれないってことだ。

 10年間で大きく状況が変わったにもかかわらず、10年前の主張にしがみつくお馬鹿さんのやり方としか思えない。10年前といえば、2001年といえば、北京でオリンピックをすることが決まった年だし、ギリシャがユーロに加盟した年でもある。

 ロースクールの設計も馬鹿みたいにバラ色の設計図だった。

 その頃に決めたことを、何とかの一つ覚えのように墨守しようとすることの方が愚かだ。

 しかも、司法試験の問題ををロースクールの授業に合わせろという内容も入っているらしい。また、ロースクール卒業生の受験資格制限(いわゆる三振制度)を5年で5回にするべきという内容も入っているらしい。さらに、予備試験組の参入を狭めるよう求める内容も入っているらしい。

 言いたかないが、この意見をまとめた日弁連の委員会は、あほか?

と思ってしまう。

 司法試験は司法試験法という法律(しかもその法律の一番最初の条文)によって「裁判官、検察官又は弁護士になろうとする者に必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定すことを目的とする国家試験とする。」と明記されている。

 新司法試験は、「ロースクールでの授業をまともにこなしたかどうかを判定する」という試験ではない。法律でそう明記されているのだ。

 ただでさえ、ロースクールの機能不全が叫ばれている。新司法試験の採点雑感を見ればいい。(上位の受験生はともかく)こんな程度で実務家にして良いのかという採点者の嘆きが聞こえてくる。

 採点者から、毎年毎年ロースクールに求められているのは、「法律の基礎を理解させてくれ、せめて基本概念を理解させてくれ」という悲痛な叫びである。答案が日本語の文章としてなっていないという指摘も年々増加しており、あまつさえ国際関係法(公法系)の採点雑感には、(答案に)問題文を書き写しても得点にならないし意味がない(そんな答案が少なからずあった)、という指摘さえされている。

 答案に問題文を書き写すなど、いまどき、高校の受験生でもやらないぞ。

 確かにこれまでの司法ではいけないと考え、改革を目指した理想はよかったのかもしれない。署名運動など大変な思いをされた方も多いだろう。

 しかし、理想はあくまで理想だ。いくら素晴らしい夢を描いても、実現したのが荒廃ならそれが事実だ。現状なんだ。理想にしがみついて夢を見続けるのではなく、現状を見るべきだ。署名運動でかいた汗を無駄にしたくない気持ちも分かるが、それを無駄にしたくない気持ちと、現実の惨状を比較してどちらが大事か考えるべきだ。

 また、受験回数制限を緩和するという方向性は、悪くはないと思うし、本来受験回数制限をするべきではないと個人的には思うが、受験回数制限も、司法試験法という法律で定められたことである。当然当時の日弁連は(反対者も多くいたが多数決でやむなく)その法律に賛成する立場に立っていたのだから、厳格に解すれば、この受験回数制限緩和の主張はこれまでの日弁連の立場と矛盾するともいえる。

 どうしてこの提言が、これまでの日弁連の立場の範囲内に収まるのか私には直ちには理解できない。

 しかも、予備試験ルートを狭める提言内容など言語道断だ。ロースクールに通えないが優秀な方は沢山いるはずであり、多彩な経験をお持ちの方の法曹界入りを可能にする制度が予備試験だからだ。予備試験合格組の方が成績優秀であるならば、それはすなわちロースクールが無用の長物であったことの証明だ。ロースクール側が言うように、ロースクールが本当に素晴らしい教育をして、生徒がそれを身につけ、厳格な基準で卒業させているのであれば、予備試験など課さずに受験資格を撤廃して、一般受験者と堂々と渡り合って勝負したらどうなんだ。言ってることが本当なら、絶対ロースクール生が勝つはずだ。言ってることが本当なら勝てないはずがない。万一、それで勝てなきゃロースクールの意味はないはずだろう。

簡単なことだ。

どうしてそれが出来ないんだ。

 今の日弁連の法曹養成問題を担当している委員会は、手段(ロースクール)を守るために平気で目的(法曹に必要な学識・応用能力の有無)をねじ曲げようとしているとしか思えない。

 少し品を書いた表現になったことはお詫びします。

※記載内容については、全て執筆者の個人的な見解に基づくものであって、当事務所の統一した見解・意見ではありません。

ps 災害支援ボランティアサイトhttp://saigaisien.idealaw.jp/を少し充実させました。

  さらに充実させていく予定です。

弁護士人口問題全国連絡会(仮称)準備会、中止について

 法曹人口問題アソシエーションのHP(http://jinkoumondai.housou.org/index.html)でもお伝えしておりました、

 3月13日に予定されていた、弁護士人口問題全国連絡会の準備会は、地震のため中止(延期)となりましたので、お伝え致します。

 地震で被災された方のご無事を祈念しております。

 取り急ぎ、お知らせまでにて。

法曹人口問題に関するHPを作りました!!

 法曹人口問題に関して、各地で運動はあるものの、どうしても全体的な運動につながらないきらいがありました。

 そこで、名古屋の寺本ますみ先生、兵庫の武本夕香子先生のご提案もあり、HPを作ってみました。

 未だ、工事中の部分もありますが、掲示板も設置しましたし、資料室(但し工事中)も作りましたので、法曹人口問題の資料室・殿堂?といわれるような内容に育てていきたいと勝手に考えています。

 コンセプトは、ずばり、不偏不党・無色透明の立場から、法曹人口問題・司法改革を考えるというものです。

 もっとも、会の性質上、法曹人口激増賛成派の方、司法改革万歳路線の方の参加はご遠慮下さい(閲覧は自由ですけど)。

 HPも私の手作りですし、レンタルサーバーも私が借りているところを使っていることもあり、入会金無料・会費無料・退会自由、という弁護士会ではおよそ考えられないお得な?会となっております。

 また、リンク集を設置しておりますので、どんどん登録して頂いてリンクを増やしていけば、そのうちヒット数も上がり、営業向上にもつながる可能性もあります。

 下記のリンクから、ご覧下さい。

 法曹人口問題アソシエーション(仮称)

 http://jinkoumondai.housou.org/

法曹養成制度に関する日弁連緊急提言に関して。

 当職の2月22日のブログでもお話しし、ツイッターでもご紹介しましたが、日弁連が、法曹養成制度に関する緊急提言をする動きがあります。

 誤解を恐れずに簡単に言えば、「これまでの路線は正しいのだから、ちょっと手直しすればいいよね!」という内容になっています。緊急提言は案文を検討している段階であり、会内限りの文書ですので、詳しくは各単位会にお問い合わせ下さい(コピーくらいはもらえるはずです)。

 こんな内容の緊急提言を日弁連名で出されてしまったら、現状路線を日弁連が追認していること、日弁連は現状の制度のひずみをさして大きな問題とは捉えていないことが、対外的に固定化されかねません。

 旧主流派がよく使う、外に向けた態度を、勝手に固めてしまって日弁連の新しい動きを封じる行動とも言えるかもしれません。

 私たちは、この緊急提言に反対する意見書を提出しようと考えております(武本夕香子弁護士が起案して下さいました)。

 下記の意見書に賛同できる方は、賛同の意見をファクシミリでお寄せ頂けないでしょうか。

 これまでの、エライさんが勝手に決めていた日弁連ではなく、会員の意見が反映できる日弁連にしていきましょう。

(意見書案)

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(賛同のお願い兼同意書)

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法曹養成制度に日弁連が緊急提言をするらしい。

 当職のツイッターではすでにご紹介済みですが、法曹養成制度に関して日弁連が緊急提言をする動きがあります。

(当職のツイッターは、少年事件サイトのトップ頁http://shonen.idealaw.jp/からも読めます。)

 詳しい内容は、取扱注意会内限りの案文ということで、このブログでご紹介できません。ただ、この緊急提言は日弁連名で出されることになると思いますが、総務省の法曹養成制度に対して出された日弁連名の意見書と同じで、本当のところは現実の日弁連の総意を表した意見書では決してないということです。各単位会に意見を聴取したわけでもなく、会員の意見を聞いたわけでもありません。もちろん、総会で決議を経たわけでもありません。

 しかし、日弁連内の法曹養成検討会議の意見がほぼそのまま、正副会長会議での決議の上で、出されることになるようです。

 こういうやり方は、(私の立場から言えばですが、)言っちゃ悪いが、伝統的な日弁連主流派がよく使いがちな日弁連(旧?)主流派の、ずるこいやり方のように思えます。

 法曹養成検討会議の委員選任の時点から、(日弁連が一度は賛成してしまった)現行の法曹養成制度にシンパシーを持つ委員を選任し、若しくは各単位会でそのような委員を推薦させ、その委員達が集まって「現状維持+若干の手直し」路線の意見書を作る。そして、その意見書を日弁連の意見として公表し、少なくとも外部から見た日弁連の方向性を固めてしまう。

  そうなると、法曹養成制度に関して、どんなに問題点が噴出していようと、多くの会員が路線変更に賛成していようとも、「日弁連は現状維持路線と言っていたじゃないか」と外部からの圧力がかかります。

 確かに全ての問題について、各弁護士会の意見や弁護士個人の意見を聞かなければならないとすれば、日弁連は意見書すら出せなくなってしまいます。しかし、総務省のパブコメでも、法曹を含む相当多くの方が現状の法曹養成制度に問題点があると指摘されているのですから、明らかに会内で相当意見を異にする問題についてまで、どんどん日弁連名の緊急提言を出すことは、果たして適切か疑問があります。

 ちなみに、法曹人口政策会議においては、宇都宮会長を含む会議の全委員が加入しているMLがあります。総務省のパブコメに日弁連名で意見書が出た際に、私は誰がどういう権限で出したのか教えて欲しい と質問しました。

 回答は、「従前の意見書等の範囲内であれば、正副会長会で承認の上、提出するという取扱いになっており、本意見書についても、1月19日の正副会長会で審議され、承認がなされた上で、総務省に提出しました。」というものでした。

  結局、どこの誰が、総務省に文句をつけるように言い出したのかまでは、残念ながら明らかにはなりませんでした。しかし、日弁連執行部には、こういう伏魔殿のようなところがあります。宇都宮会長は派閥の後ろ盾がない会長なので、伏魔殿の中では孤軍奮闘に近い状況にあると推察されます。 

 しかし、宇都宮会長は、昨年の日弁連会長選挙で、旧主流派候補を破って当選したのです。日弁連会員は宇都宮会長を支持したのです。相変わらず日弁連執行部の大勢を旧主流派が占めているようですが、 旧主流派の圧力に負けず、宇都宮会長には、是非頑張って頂きたいと思います。

※記載内容については、全て執筆者の個人的な見解に基づくものであって、当事務所の統一した見解・意見ではありません。