大阪弁護士会機構改革検討PT

 弁護士会の会費は高い。月額約5万円である。

 念を押すが、これは年額ではない。月額である。その他、裁判所から依頼を受けた管財事件を処理しても負担金、日弁連交通事項相談を受けて働いても負担金、国選弁護をやっても負担金、弁護士会の法律相談経由で事件を処理しても負担金などなど、まあ、月額の弁護士会費以外にも、とにかくなんでも取れるところから搾り取っていくのが弁護士会費なのだ。私もたぶん年間100万円近くは弁護士会に支払っているのは間違いないと思う。

 その弁護士会費が高すぎるという声は、年々強まりつつある。特に、大阪弁護士会の職員は、大阪より遥かに多くの弁護士が所属する東京の弁護士会の職員よりも多いという点も指摘されており、大阪弁護士会の機構改革は避けては通れない道なのだ。

 昨年度大阪弁護士会の会長だった中本和洋前会長が、機構改革PTを立ち上げ、今年度の藪野会長もそれを踏襲しているので、なんとかスリム化するべきではないかと私も考えている。

 そのPTの第3部会に私は入れられているのだが、そこで驚くべき話を聞いた。

 弁護士会の整備、たとえば植栽の整備などについては、大まかな方針を執行部が決めて、一応相見積もりを採って職員が発注するシステムのようであるが、その相見積もりがほとんど100円程度の差しかないというのだ。

 これは、あからさまに、業者間の談合が行われているとみた方が自然だろう。業者同士・業者と弁護士会との癒着が既に生じている可能性がある。

 消費者被害の回復を図る弁護士の、本山であるはずの弁護士会が、消費者被害にあっていてどうする!

 おそらく完全に、これまでの業者になめられ切っているのではないだろうか。

 いろいろ物議を醸した、大阪弁護士会館のLED電飾も、大手に見積もりを取ったところ1000万円だったが、念のため京都の別の業者に見積もりを取ったところ、かなり安く出来るという見積もりがでるなど、紛糾したそうだ。

 弁護士会は弁護士のための組織でもあるはずなので、弁護士会費減額のために、出来ることはどんどんやるしかない。当PT第3部会では、全会員に弁護士会事業仕分けについて、無駄な点を指摘して頂くアンケートを計画中である。実施の際には、是非忌憚のない御意見を頂ければと考えている。

 弁護士会の運営も事業仕分けの対象にして、本当に必要な活動に絞るべき時代になりつつあるのかもしれない。

日弁連会長選挙(再投票)~速報

 日弁連会長選挙は前回に引き続き、異例の再投票となりましたが、速報によると、再投票でも決着がつかず、選挙を最初からやり直す再選挙が行われるようです。

 速報によりますと、得票数と獲得単位会数は、

 山岸 候補  8557票(14単位会)

 宇都宮候補 7485票(37単位会)

 だそうです。

 日弁連会長選挙で当選するためには、得票数が最多であるだけではなく、最多得票を得た単位会が18単位会以上必要なのです。

 この規定は、圧倒的多数を占める大都市圏の弁護士会だけで日弁連を牛耳ることを防ぐ目的だと考えられます。(なお、東京・第1東京・第2東京・大阪の4大単位会だけで、約59%の弁護士が所属しています。)

 ちなみに、この4大単位会だけで比較すると、次のようになります。

 山岸 候補   5832票

 宇都宮候補  2911票

 このように、いかに山岸候補が4大単位会で票を稼いでいたかが分かります。まあ、これまでの、日弁連会長は、ほとんどがこの4大単位会出身者に占められており、それだけ旧来の派閥主流派が未だに力を保持していることの裏返しでもあるように思います。

 逆に言えば、宇都宮候補は地方での得票で、東京・大阪でつけられた差をかなり挽回したということになります。

 結局、この選挙では決着がつきませんでしたので、候補者選びから再スタートということになる再選挙が行われるようです。どなたが出馬されるか分かりませんが、おそらく、宇都宮候補も山岸候補も再度立候補されるでしょう。

 このように持久戦模様になると、浮動票が選挙に関心を失えば、 派閥による組織票が見込める山岸候補の方が有利ではないかとも思われます。

 ここで疑問となるのは、どうして、大都市圏で山岸候補が強いのか、派閥の組織票があまり崩れないのか、ということです。

 これまでは、ほとんどの場合、4大単位会から日弁連会長が選ばれてきました。ですから、日弁連会長のポストを狙う方は、この4大単位会に入り、その単位会の派閥の中で、一所懸命に雑巾がけを行って、派閥内の地位を高め、推薦してもらってきたようです。日弁連会長選挙において、このような派閥支配が崩れてしまうと、日弁連会長を夢見て雑巾がけに長年いそしんできた方の努力が、水泡に帰す可能性があるのです。だからこそ、必死になって派閥の締め付けを行い、票を固めるのです。

 そこには、自らの目指す会長ポストが頭の大部分を占めており、全弁護士のためという理想はあまり見当たらないように思われます。もちろん、派閥によって当選させてもらった以上、派閥を裏切ることは出来ません。当然従来路線(無派閥で当選した宇都宮執行部以前の路線)の継承しかできない執行部になっていきます。

 この点、山岸候補は東京弁護士会の派閥主流派候補です。当然、東京弁護士会の派閥の意向に逆らえません。東京弁護士会の司法試験合格者に対する態度は、1500名は仕方がないがそれ以上の合格者減の提案は認めないという態度です。法曹人口政策会議に、東京弁護士会の意見が出されているので間違いありません。したがって、山岸候補が当選すれば、支援してくれた東京弁護士会派閥主流派に逆らえませんから、どんなに頑張っても1500名止まりの提言しかできないことは明らかなのです。

 しかも、前回の日弁連会長選挙において、選挙時には「司法試験合格者減員も視野に」、と語った、派閥主流派のY候補が、選挙で負けたとたん、雑誌で、「やはり司法試験合格者は増やすべきだ」と語るなど、派閥主流派は平気で選挙目当ての「あめ玉ばらまき作戦」が出来るようなのです。

  再選挙は一体、どうなるのか、旧来の派閥主流派路線に戻すべきと考えるのか、宇都宮執行部による無派閥での改革路線を継続するのか、日弁連会員、特に多数を占める若手の判断が注目されます。

明日、日弁連会長選挙再投票日

 2回連続で、再投票となった、日弁連会長選挙だが、明日再投票が行われる。

 弁護士の皆さんは、棄権することなく、是非投票して欲しい。

 それも自分の信念に従って投票して欲しい。

 弁護士会のエライさんが、若手の意見を聞いてくれる機会なんか、宇都宮執行部以前の主流派支配の時代だと、選挙のときしかなかった。

 だから、本当に、貴重なチャンスなのだ。

 貴方の投票で、日弁連の方向を左右することが出来るのが明日の投票だ。

 ボスに投票先を指定されている人もいるだろう。会派の関係で、投票先が決められたような気持ちになっている人もいるだろう。

 でも、それっておかしいぞ。ボスや会派が永久に貴方の収入を補償してくれるのなら話は別だが、いずれ独立したり、パートナーとなって経営をしなきゃならなくなる。そのとき、弁護士として誇りを持って生きていけるのか、そのような日弁連を作ってくれそうな候補者が、どっちなのかで判断すべきだ。

 弁護士が自主独立の精神を忘れてどうする。

 しかも投票は秘密投票だ。

 確かにボスの指示を聞かないのはちょっと気持ちが悪いが、将来独立した後にボスと法廷で対峙するかもしれないんだ。

 経済的には独立していなくても、精神まで隷従してはダメだ。

 是非とも、自分の信じる候補者に投票されるよう、強く願う。

朝日新聞の弁護士バッシングについて~勝手な想像

 朝日新聞の、2月26日付社説については、私は皮肉混じりに社説をもじった主張を書いただけだったが、多くの弁護士の方が反論されている。

 その朝日新聞の社説を読み直してみて、改めて気になったのは、社説が、

 「残念ながらこの2年間、日弁連のなかでそうした問題意識は十分な深まりを見せず、はた目には既得権益の擁護としか見えぬ主張を繰り返してきた。」

 と述べている部分だ。

 実は日弁連は、既に3年ほど前の2009年3月19日に、「当面の法曹人口のあり方に関する提言」を発表し、司法試験合格者3000人目標の事実上の撤回を行っている。これは主流派から会長になった、宮﨑誠日弁連会長(当時)が提言したものだ。

 ところが、朝日新聞は、3年前の提言に触れることなく、明確に、「この2年間」と明記して、日弁連の態度を批判している。これはあからさまに、宇都宮会長を批判していることにつながると見てよいだろう。

 朝日新聞と主流派のつながりがないかと思っていたら、元日弁連会長(2002~2004、もちろん主流派)本林徹氏が、朝日新聞社の「報道と人権委員会」(PRC)であり、この2月限りで退任していることがインターネットで流れていた。

 これはあくまで想像・邪推だが、これまでの主流派のなりふり構わないやり方から考えると、主流派候補と宇都宮会長との決選投票前に、主流派が影響力を駆使して朝日新聞に頼み込み、宇都宮会長を批判する社説を全国的に流してもらったということも十分考えられる。

 これはあくまで私の邪推であり、なんの根拠もないが、万一、まかり間違って事実だったりしたら、自分たちのことしか考えられない腐りきった重鎮達が跋扈する日弁連・弁護士会は、もう解散するしかないようにも思う。

日弁連会長選挙の結果~速報・暫定版

 私のところに届いた、速報だと、結果は次の通り(速報なので場合により訂正もあり得るかも)。

得票一位 山岸候補    7955票(獲得単位会数12)

   二位 宇都宮候補   6608票(獲得単位会数37)

   三位 尾崎候補    3309票(獲得単位会数2)

   四位 森川候補    1804票(獲得単位会数0)

 ※高知県は山岸候補と宇都宮候補同点

 この数字が正しいとすれば、前回に続き、史上2回目の再投票です。

もうすぐ日弁連会長選挙

 2月10日に日弁連会長選挙の投票日がある。

 いつもの選挙と違って今回はやけに静かだ、よく分からん、という、感想があちこちから聞こえる。

 私も、そう思うし、選挙情勢がどうなっているのか、さっぱり分からない。

 大阪では、若手の会員を中心に、「投票に行こう!自主的キャンペーン!」のビラが配布されている。これは非常によいことだ。

 会長を希望する人に、公約をきちんとさせる機会は意外にないものだ。そのうえ、弁護士会では、若手会員の数の方が圧倒的に多くなってきているのだから、ここらで、若手を無視し馬鹿にしていると、ひどい目に遭うということを、きっちり、分かって頂くには、格好の機会でもあるからだ。

 そう思っているところに、憲法と人権の日弁連を守る会という団体から、「荒廃を進めた宇都宮執行部の2年間」と題したFAXが届いていた。

 この団体は、高山俊吉先生が代表だから、高山派の森川先生陣営からのFAXであると私は受け取る。

 しかし、内容がちょっと、あからさまなネガティブキャンペーンなので、ちょっとどうかなという気がする。特に①激増に任せ、②ロースクールを進め、という点に関しては、事実と違う。

 私は、日弁連の法曹人口政策会議に入れて頂き、そこで、活発な議論をさせて頂いた経験からいって、激増問題に関して、これまでの上から目線ではなく、多くの会員の意見を吸い上げようという努力を、間違いなく宇都宮執行部はやっていた。増員賛成派である大弁護士会の重鎮クラスが、論破され、抽象的な反論しかできない場面が何度もあった。議論は会議だけでは収まらず、MLを使った議論もなされた。それだけ意見をまとめることは困難な問題でもあったのだ。

 また、法曹人口政策会議の緊急提言の効果を減殺するような、法曹養成制度検討会議からの法科大学院擁護の緊急提言が昨年3月に出されてしまったことは、大きな問題だった。

 そこで、法曹人口政策会議の中で、武本夕香子先生などを中心に何度も申入れ、その結果、今までの縦割りではなく、法曹養成・法曹人口・法科大学院・司法修習等の会議を交えた、極めて異例の意見交換会を、おそらく初めて実行したのも宇都宮執行部だったからだ。ちなみに、法曹養成・法曹人口・法科大学院・司法修習等の会議から、意見交換の申入れは一切なかった(少なくとも私は聞いていない)。

 これらの会議は、今まで通り、縦割りに安住し、自分の領域のことだけを、つつがなく、これまで通りやっていれば足りると考えていたのだろう。

 宇都宮執行部以前の執行部では、法曹人口政策会議のように紛糾することが目に見えている会議を設置すること自体、なかっただろう。

 私が現に、宮崎前会長のときに法曹人口に関する日弁連の会議を傍聴して体験している。あきれたことに、大事な議論を行う場であるのに、執行部の意向に従うイエスマンの集合に見えた。今からわずか、2年ちょっと前のことだったが、潜在的需要はあるし、弁護士さえ増やせばうまく行くから良いよね、という私から見れば、とても考えられない牧歌的な議論をやっていた。

 余りの危機感のなさに、傍聴人ながら休憩時間に議長などに質問してしまったことは、以前にもブログに書いたと思う。

 ネガティブキャンペーンも、選挙の戦術としては、当然あるとは思うが、やはり事実に基づいた主張をして頂きたいと思った。

 大阪弁護士会、そして全国の若手の皆様。自分たちの意向を日弁連の運営に反映させる絶好のチャンスだ。

 棄権などせず、必ず投票しましょう。

見えにくい成果

 おそらく、国民の皆様にはどうでも良いが、弁護士にとっては大事な、日弁連会長選挙が近づいている。

 他にも様々な争点があるが、私の興味がある弁護士人口の激増問題については、宇都宮・尾崎・山岸の3候補(50音順)が、まずは司法試験合格者1500人、更なる削減も視野に入れるというおおまかな公約では一致、森川候補が500人を掲げるようだ。

 旧主流派の候補(尾崎・山岸、両候補)も司法試験合格者を1500人に削減すると公約しなければ、前回の山本候補のように正直に削減目標を言えない状況となり、落選する危険が高まるため、争点つぶしの意味もあるのだろう。

 私の記憶では、日弁連法曹人口政策会議では、当初、H23年3月末までに中間答申に基づき緊急提言を行い、その後、半年ほどで、最終とりまとめを行い、宇都宮会長任期内に、実際的な活動に入る予定だったはずだ。

 しかし、未曾有の大災害が勃発し、日弁連としてもその対応に追われたため、法曹人口政策会議も大幅に予定が遅延することになった。

 震災の対応を先に行ったことそれ自体は、日弁連として正しい対応だったのだが、その結果、「法曹人口問題で、宇都宮候補は大した成果を上げられなかった」と、弁護士一般には誤解されているようだ。 

 しかし私自身は、宇都宮会長でなければ、現在各単位会に意見照会されている司法試験合格者1500人の提言案すらまとめられなかっただろうと思う。

 司法試験合格者減少を公約にして、大阪弁護士会会長選挙を勝利した上野元会長の下で作られた法曹人口問題PTが、その次の会長の際につぶされ、その後、何度か常議員会で、同様のPTを作るべきと進言したが、一顧だにされなかったことからも分かるように、トップにやる気がなければ、その問題自体を討議しないことも出来るし、宇都宮会長以前の日弁連の法曹人口問題に関する会議のようにイエスマンばかり集めて形だけの会議を構成し、実質的には何もやらないことも、実は出来てしまうのだ。

 そうやって実質的に公約をサボタージュしても、実際には非難されにくい。任期はわずか2年(大阪の会長は1年)だから、時間がかかって出来なかったという言い訳が可能だからだ。

 会議が紛糾することも厭わず、広く、公平に委員を選抜し、集中的に議論させたのは、執行部としても相当な労力を費やさざるをえない仕事だったはずだ。

 旧主流派の会長であったなら、司法試験合格者減少提言は、旧主流派の推進してきた司法改革万歳路線の変更だから、これまで日弁連の主流であった派閥の重鎮たちに対し、「あなたのとった施策は間違っていました」と、面と向かっていうようなものである。しかし、実際には、とても言えなかっただろう。選挙は派閥の力で勝たせてもらっていた面も当然あり、その結果、派閥の重鎮に頭が上がらないはずだからだ。

 そこを敢えて、実行できたのは、やはり旧主流派というしがらみに全く縛られない宇都宮会長だったからだろう。

 確かに宇都宮会長の法曹人口問題に関する行動は、見えにくい成果ではある。しかし、これからも一歩ずつ日弁連を変え続けていくには、派閥などのしがらみに縛られない必要は、やはり最低条件として、あるのかもしれない。

大阪弁護士会の若手会員の方、常議員になってみて!

 新年にあたり、この新しい年が、皆様にとって必ずや良き年になりますよう、祈念申しあげます。

 当職も、他のパートナー・アソシエイト同様、皆様のお役に少しでも立てるよう頑張る所存です。

 よろしくお願いいたします。

 さて、弁護士会には常議員会という機関がある。

 私が、大阪弁護士会の常議員を務めさせて頂くようになって、もうすぐ3年である。

 常議員会は、概ね隔週火曜日15:00~17:00に開催され、執務時間が分断される点で、結構辛い部分も確かにある。登録換え希望の方の審査をする必要など、雑事も負わされる。

 しかし、常議員会に出席すれば、弁護士会内の情報について、ほんの一部しか一般会員に開示されていないという事実に気づけるはずだ。

 常議員でありながらほとんど常議員会でお目に掛かれない(つまりほとんど出席しない?)先生がいたり、イソ弁さんの初任給が下がりつつあるにもかかわらず、大阪弁護士会の職員さんの給与が、これまで公務員の給与上昇水準を踏襲しており、さほど労使の対立もなく決まってきていた、という衝撃の事実を知ったのも、常議員会に出席して実際に見分し、質問したからだった。

 出席しておられる先生方は、確かに重鎮クラスや超実力者の方も多く、気後れすることも正直いって、ないではない。しかし、私がトンチンカンな意見具申をしても、そこは弁護士、一応こちらの主張や質問も無碍にすることなく、きちんと対応してくれるだけの度量はある。(残念ながら、こちらの意見を取り入れてくれるかどうかは、きちんとした対応とは全く別問題だ。)

 私が、いつも残念に思うのは、常議員の構成だ。本来若手の方が会員数が多いはずなのに、年輩の弁護士の数が圧倒的だし、根本的な方針などについては、余り活発な議論にならない場合が多いし、結論が決まってしまっているということだ。

 大阪弁護士会の常議員の定数は、会規によると60人だが、無所属は私だけで、他の方々は全て大阪弁護士会の会派に割り振られ、会派内で選出されて会議に出る。したがって、大阪弁護士会の根本方針に関わる問題では、会派から選出された常議員の方は、会派の意向に逆らえないだろうから、余り活発な議論にならないのも当たり前なのだ。仮に活発な議論になって、「おっ、この議案はひょっとして否決されるかも」と思っても、採決ではあっさり決まることが多い。

 大阪弁護士会の副会長は、例外的な場合を除き、各会派が1人ずつ出すのが慣例になっており、各会派は執行部への影響力をどう維持しようか苦心しているように見える。したがって、執行部が重要な議案を通そうとした場合に、各会派の副会長を通して会派に根回しを行い、圧倒的多数の賛成で執行部の思惑通りの議案を通過させることが、おそらく可能なのだ。

 ただ、このような弁護士会が求心力を失いつつある状況で、今まで通りの常議員会ではダメだと思う。若手の意見を取り入れ、若手が希望を持てる弁護士会にしないと、弁護士会制度の崩壊は止まらない。

 だから私は、もっと若手に、常議員になって常議員会でおかしいと思うことをどんどん発言して欲しいと思っている。立候補するのは簡単だ。立候補用紙に署名捺印して、選挙費用概算金2万円を支払えば足りる。

 しかも、常議員は制度上選挙で公選されることになっているが、各会派は常議員の選挙を嫌う。会派のバランスが崩れるかもしれないし、重鎮クラスが落っこちてみっともないかもしれないからだ。

 多分何人かの若手の方が立候補すれば、その数が多くなりすぎないのであれば、常議員選挙をせずに済むように各会派で調整してくる可能性が高い。

 現代の日本では、政治家が選挙権のない若者よりも老人を優遇した結果、若者達の疲弊を産んでいるように見える。

 しかし、弁護士会内では、誰もが常議員として参加出来るのだ。年輩の弁護士さんが、若手の10倍弁護士費用を払ってくれているわけでもない。

 年輩の方々、会派のエライさんだけに任せておいて本当に大丈夫なのだろうか。

 私は、もっと多くの若手の先生方に、常議員になって頂いて、若手の意見を反映した、大阪弁護士会にしていかなければと思うのだが、いかがだろうか。

友新会のパンフレット

 大阪弁護士会では、現在、中本和洋先生が会長だが、次期会長は、立候補すると噂されていたF先生が降りられたようなので、おそらく、Y先生ではないかといわれている。

 そのY先生の所属する会派が、友新会という会派だ。

 その友新会が、先日「今こそ社会の信頼に応えるとき~弁護士・弁護士会の課題~」と題した、豪華パンフレットを大阪弁護士会全員に配布した。

 そのパンフレットの司法改革関連の部分を読んだのだが、とても現状の問題点を把握しているとはおもえない、暢気な内容と私には読めた。

 パンフレットには、市民の司法、大きな司法を実現するのが、目的であるかのように書かれている。しかし、果たして本当に国民の皆様は、ちょっとした揉め事ですぐ弁護士が交渉に出てきたり、すぐに裁判になるような社会を望んでいるのだろうか。こっちが嫌でも相手が弁護士を立ててくるなら不利にならないように、こちらも弁護士に依頼せざるを得ない。それはつまり、法的な用心棒を雇うことだから当然費用は自分持ちである。

 しかも、アメリカのリーガルコストはおそらく極めて高額にのぼるが、そのようなリーガルコストを負担してまで、国民の皆様は訴訟社会を望んでいるのだろうか。

「 次に、アメリカにおけるリーガル・コストのことを考えてみたい。まず、アメリカには80万人の弁護士がいるといったが、彼らは米国の全GNPのおよそ3%程度の稼ぎを生み出している。GNPの3%というのはとてつもなく巨大な数字で、日本の防衛費がGNPの1%であることと思うと、その額の大きさがわかるだろう。たとえていうなら、自衛隊の3倍の規模の稼ぎというか、経済規模を持っているということある。裏を返せば、これは「アメリカではそれだけのリーガル・コストがかかる」ということなのである。つまりアメリカで企業活動をするには、売上高の3%程度の弁護士費用を当初から見込んでおかないと安心できないというわけだ。 」

(出典:石角莞爾著「国際ビジネス契約入門」1987 220頁~但しインターネットからの孫引き)

(上記を前提にした超大雑把な日米比較)

2010年度 日本の実質GDP約539兆円

弁護士の総売上 

弁護士1人あたりの平均売上約3300万円(弁護士白書)

        ×30524人

           =1兆0072億9200万円 

対GDP比 約0.02%

 GDPとGNPの違いを無視して、25年前と同じくアメリカのリーガルコスト総額がGDP比3%を維持しているとし、現在のアメリカのロイヤーを100万人と仮定すると、

0.02:3=1:150

 アメリカでは、対GDP(GNP)比率にして日本の約150倍のリーガルフィーを、日本の約30倍の数のロイヤーで売り上げている(弁護士1人:ロイヤー1人=1:5の売上)ことになる。

 実質的にはアメリカのGDPは世界一なので、米国社会の負担するリーガルコストの総額は、さらにかさんでいると考えることも不可能ではないはずだ。

 事件数を無視して相当乱暴な比較をするとして、アメリカのロイヤー並のリーガルコストがグローバルスタンダードであると仮定するならば、日本の弁護士のフィーとしては、今の弁護士費用の5倍が適正な値段と言えなくもないのだ。

 つまり、日本社会は幸運にも訴訟社会ではなく、また弁護士数がそう多くはないこともあって、リーガルコストが極めて低く抑えられた社会とも言えるのだ。しかし、このまま弁護士を激増させて事後的救済社会、米国型社会を目指すのであれば、当然、相当のリーガルコストの増加は避けられない。

 それだけのコストを社会や国民が負担するだけの合意があるのかについて、なんの検証もされていない。

GNPの3%ものリーガルコストとはあまりにも異常である。

 本来、リーガルコストは、それにより価値を守ることはあっても、価値を生み出すコストとは言い難い。

 一部の弁護士は、弁護士が増えれば社会が良くなると考えているようだが、果たして弁護士が有り余って、すぐ訴訟になるような社会が健全なのか。

 例えば米国の社会は、弁護士が100万人近くいるということであるから、極めて大きな司法といえるかもしれないが、そのアメリカで、自分で買ったマクドナルドのコーヒーをこぼして火傷を負った女性が、当時のレートで4億円もの損害賠償が認められてしまう社会が本当に健全なのか。

 弁護士が増えれば社会が良くなるというのは、一部弁護士の独りよがりではないのだろうか。

 司法改革を進めた人達は、もう少し冷静になって、現実を見て欲しい。

 友新会のパンフレットが、必ずしもY先生の政策とは限らないが、会派に雁字搦めとなる会長さんが多いようなので、ちょっと来期の大阪弁護士会は、司法制度改革に関しては大ハズレの予測しかできず、しかも予測が外れたにもかかわらず軌道修正しようともしなかった旧主流派と同じ態度をとりがちではないかと予測される。

 Y先生がその旧弊を打破して下さればよいのだが・・・・・。

※記載内容については、全て執筆者の個人的な見解に基づくものであって、当事務所の統一した見解・意見ではありません。

本当の敵とは?

 私は大阪弁護士会の常議員を務めさせて頂いている。60名のうち無所属は私だけで、他の方は全てどこかの会派に所属しておられる。

 常議員だからといって完全無給のボランティアだし、2週間に1回、平日の午後がつぶれるので結構痛いのだが、日弁連や弁護士会内部の情報に接することが出来るので、ここ数年は常議員として参加させて頂いている。

 そういう、常議員の負担に気を遣って下さるのか、毎年、年度末に常議員全員を対象に、簡単な立食形式の慰労会的なものが催される(若干の会費あり、だったと思う)。

 私はその席で、(実際、会長職は端から見ているだけでも非常な激務であるから)現会長にお疲れ様でした、とねぎらいの言葉を申しあげたり、次期会長の方にもっと法曹人口問題を真剣に考えて下さい、とお願いしたりするが、毎年のように、年輩の方から、「人口問題、もっと頑張って、言ってやってよ。」と応援のお言葉を頂く。

 私は、その際に、いつも「私のようなぺーぺーがいくら叫んでも、ごまめの歯ぎしりですわ。先生のような立派な方にこそ、はっきりいって頂ければずいぶん違うと思うんですが・・・・・。」と逆にお願いをする。

 私に声をかけて下さる先生は、少なくとも、なんにも考えずに増員賛成の旗にしがみついている先生よりは、ずいぶんマシだと思うが、いつも不思議なのは、それならどうしてご自身で執行部にきちんとものを言わないのかだ。

 いろんな立場はあるだろうが、是は是、非は非で議論するのが常議員会だし、弁護士だと私は思う。

 この点に関し、日弁連総会に出席された弁護士さんの、面白いブログを見かけた。私も、一昨年度の日弁連総会で執行部の問題点を追及する発言をしたことがあるが、そもそもの悪(問題点)は、本当はどこにあるかについて、鋭く指摘したブログだ。

http://red.ap.teacup.com/redcat/704.html

 無駄かもしれないけれど黙っている自分を許せない。

 このように仰るRed-ips (ブログ主)さんのような方が、少しでも増えて下さると、日弁連も変われるかもしれない。

※記載内容については、全て執筆者の個人的な見解に基づくものであって、当事務所の統一した見解・意見ではありません。