司法実践演習A

 

 今年も関西学院大学法学部で、司法実践演習Aを担当させて頂くことになり、前回はガイダンスだったが、今回から演習に入っている。

 私としては、勉強なんて自分がやらなければならないと思ってやらない限り、全然伸びないし、身につかないので、あれやれ、これやれ、と学生の尻を叩く課題攻めなどしても無意味だと思っている。

それよりも、ペットに関する法律問題を主な題材にして

ひょっとして法律って面白いかもしれね~な?

ちょっと調べてみようかな?

と思えるように、学生に法学一般に興味を抱かせるような内容にしたいと思っている。

だから私の演習では、どんなにトンチンカンな答えをしても、成績には全く影響しないと最初に明確にしている。

今回は、ペットの法律上の地位に関係して、民法ではどう扱われるのかを、その周辺の知識も含めて明らかにしているところだ。

民法は、物とは有体物をいうと定めているが(85条)、

それなら、有体物って何なんだ?

今流行のビットコインは物といってよいのか?

ビットコインを不正アクセスで失った人が購入代理店に対して寄託契約(657条)だから返せと迫っても認められるか?

など、条文から派生的に質問し、発展していくことを中心にしている。

もう15年近く講座を持たせてもらっており、レジュメも少しずつバージョンアップしているのだが、学生さんとのやり取りを中心に据えている演習なので、どこまで上手く行くかは、学生さんのやる気・積極性にも依ったりする。

さて、今年は良い方向で進められるだろうか・・・。

電車一本遅れた理由

S弁護士は、朝の通勤電車に乗ろうとしていた。
始発駅なので、淀屋橋行き特急がホームに止まってドアを開けている。
いつも乗る特急より一本早く行けそうだ。

京阪特急2扉車は、進行方向に向かって2+2のロマンスシートである。
このシートは背もたれの位置を倒すことにより、常に進行方向に向かって座れるよう工夫されている。
通路側に座ると窓側の人が途中の駅で降りる場合に面倒なので、終点まで乗るS弁護士としては、できれば窓側に座りたいところである。

S弁護士が急ぎ足で特急に乗ると、前方に窓際が空いている席が見えた。
ラッキーだ。
さらに急ぎ足で、その席に向かう。
幸い誰も座っておらず、窓側の席が確保できそうだ。

しかし、その席には妙な違和感があった。
シートが進行方向の反対側に倒れきらず、途中で止まっているようだった。
後ろの席の男性が足下に大きな荷物を置いていたので、倒れないのかと思ったS弁護士は、「すみません。もう少し倒しますね。」と伝え、男性が頷くのを確認の上、シートを倒そうとした。

「ガッ」という音がしたが、やはりシートは完全には倒れない。
シートは何かに引っかかって倒れないことが分かった。
通路側の席と肘掛けの間の下の方に、何かが見える。
携帯ストラップのようなヒモだ。

携帯電話を落としてんのか?そそっかしい奴だな。
「ったく、こっちは迷惑なんだけどなぁ~」と心の中でぼやきながら、さらに引っ張る。
しかし何かに引っかかっているようで、出てこない。

ええぃ!まったくなんてこった!!
心のぼやきはさらに大きくなる。
仕方が無いので、指を突っ込んで引っ張り出そうとする。
ツッ!
何かにぶつかって、右手の人差し指に逆むけができてしまった。
あ~~~~、も~~~!!
心の中では、落とし物をこんなところに残した、そそっかしい前客に恨み節満開である。

しかし座るためには、背もたれをきちんとしなければならない。
だから放置するわけにもいかない。
痛む指を庇いながらなんとか引っ張り出す。
出てきたのは、ケース入りのICOCA定期券だった。

そのまま淀屋橋駅まで乗って行き、そこで忘れ物として届けることも考えられた。
誰かに勝手に使われるよりも、落とし物として届けてもらえば、それだけでもラッキーと違うんかなぁ・・・と一瞬思った。

しかしこういうときに限って、S弁護士の脳裏には定期を落として困っている人の姿が浮かぶのである。
自分が定期券を落としたらホント絶望的な気分で一日を過ごすことになるはずだ。

くっそ~、この駅の駅員さんに渡さないと。
S弁護士は、座席にショルダーバッグを置いて確保し、ケース入りのICOCA定期券を片手に、ホームに走り出て駅員さんを探す。

あっちゃ~、なんてこった、
いつもは、どこかにいる駅員さんが、こういう大事な時だけ、どこにも見当たらない。

「2番線淀屋橋行き特急、まもなく発車です」とのアナウンスが流れ、特急が発車する音楽が流れはじめた。


え~~~い、こんちきしょう!!
電車一本くれてやらぁ!!!

S弁護士は、特急に飛び乗り、座席をキープしておいた荷物をひっつかんでドアから飛び降りた。そのまま駅の有人窓口に早足で向かう。
まもなく、ドアは閉まり、特急は淀屋橋に向かって、S弁護士を乗せないまま発車していった。

有人窓口で、今出ていった特急の5号車に落ちてました、とだけ伝えてケース入りのICOCA定期券を渡し、振り返らずにその足で次発の特急に急いだ。

背中から聞こえる、駅員さんの「有り難うございます」との声が聞き取りにくかった。
S弁護士は、そこでようやく、ずっとイヤホンで音楽を聴いていたことを想いだした。

ホームへの階段を下りている際、音楽の合間に、定期の持ち主と思われる人を呼び出しているような場内アナウンスが聞こえた気がした。

S弁護士は次発の特急でなんとか席を確保し、少し読書した後は、淀屋橋まで爆睡したのだった。

今年も職業講話に呼んで頂きました。

 先週の土曜日、今年も大阪市立高倉中学校の職業講話の講師として呼んで頂いたので、講師を務めてきた。

 職業講話は、様々な職業を知ることで、職業観・勤労観を育むとともに、主体的に自らの進路を切り開く能力を身に付けさせることを狙いとしているそうだ。

 私が高倉中学校に初めて呼んで頂いたのはだいぶ前で、私のパソコンに2007年のレジュメが保存されているので、少なくとも15年前から呼んで頂いていることになる。
 途中どうしても避けられない用事で数回欠席したことはあるが、それ以外は、毎年講師を依頼され、努めさせて頂いているように思う。


 ほぼ毎年、伺うことになっているが、他の講師の方々は大体変わられるので、おそらく一番の古株は私であるのは間違いないだろう。

 生徒さんは、中学1年生であり、まだ生意気になっておらず、小学校7年生という感じで、かわいいものである。

 そこで弁護士の仕事内容や、勉強の仕方等を話させてもらうのだ。

 私は、小学校のローマ字のテストで0点しか取れなかった経験があるので、「ローマ字0点でも私くらいにはなれます。0点でなかった人はもっと上に行ける可能性がありますよ。」と話すと、子供の顔が明るくなることもある。

 そして私なりの勉強の仕方などを、普通の子向け、勉強が苦手な子向け、優秀層向けの3つに分けて紹介する。

 しかし、毎年、一番強調していることは、目標を立てることは大事だが、目標から近づいてきてくれることはない、ということである。

 学校の先生は、目標を立てるように言ってはくれるが、目標を立てただけではダメで、自分から目標に近づいていかないと永遠に目標に届かないという最も大事な点は、強調してくれないことが多いのだ。

 目標を立てること、立てた目標に向かって勇気を持って歩き始めること、そして歩き始めたら歩き続けること、これを頭の隅にいつも置いておくように生徒さんにはお願いしている。

 もちろん講師料は、僅かである。
 しかし、生徒さんの様々な感想文が送られてくるのが楽しみで、毎年続けている。

 さて、今年の感想文はどんな内容のものが届くのだろうか・・・。

大学受験生の皆さんへ

 明日から、大学入試共通テストがはじまる。

 私も30年以上前、共通一次試験に臨んだことがあるので、直前の緊迫感はいまだに覚えている。

 特に私の高校(新宮高校)は、三重県との県境に位置しており、和歌山市にある和歌山大学に設置されていた試験会場には、JRの特急でも3時間以上かかったので、自宅から直接通う形での受験はできない状況にあった。
 そこで、高校では共通一次試験を受ける受験生のために、何人かの先生が引率して、前日から和歌山市内のホテル宿泊するというツアーを企画してくれ、それに参加する方法を採らざるを得なかった。
 当時の共通一次は国公立大学受験のための試験で、私の記憶では、三年生の約一割程度が共通一次を受けたように思う。

 試験時の印象は余り残っていない。おそらく、とにかく無我夢中であったということなのだろう。

 ずいぶん前になる私の経験が参考になるかどうか分からないが、受験では、諦めずに最後まで粘り倒すことが何より大事であると私は思っている。

 どんなに失敗したと思っても、大多数がもっと出来が悪い場合だってある

 私は京都大学法学部を現役・一浪と受験した。
 現役受験の時に確か5問中3問前後くらい解答できていた数学で、一浪受験時には一問も完答できなかった。
 京大の文系数学は確か一問30点の配点だったので、数学だけで現役時点より50点以上は低い結果になっていたはずだ。
 数学が終わった後は、頭が真っ白で、失敗した!もうダメだ!!と思い、しばし呆然としていた。仮にどんなに問題が難しくても、京大受験生は最低2問は解くだろうから、数学だけで50点以上も差がついてしまえば、他の科目で取り返すことなど到底無理だからだ。

 しかし、奇跡は起きうるのである。

 どういうわけか、その年の数学は異常に難しく、多くの受験生が数学で点を伸ばすことができなかった。そのため、数学が普通に得意な受験生も大した点数が取れていなかったようで、数学を抜群に得意としている一部の受験生を除き、数学では致命的な差がつかなかったのだ。
 私は、なんとか(おそらく滑り込みで)、合格ができたのである。

 京大で同じゼミだった、大阪の国立進学校出身の超優秀な女性も、入試の数学は全くできなかった、もうダメだと思った、数学が終わったときに泣きたかったと、私と全く同じ感想を述べていた。

 このように試験の結果というものは、受けた時点では分かりゃしないのである。仮に私が数学の失敗で合格を諦め、残りの科目を投げやりに受験していたら、絶対に合格はできていない。

 だから、ある科目で失敗したと思っても、引きずらず、次で自分の力を発揮することだけを考えるのだ。全ての科目が終わるまで、粘って粘って粘り倒すのだ。

 既に頑張っている皆さんに、敢えてガンバレとは言わない。
 受験生の皆さんには、絶対にあきらめずに、これまで貯えた力を十分に発揮してもらいたいと思っている。

美しい対局姿勢

 昨日、夕食後に動画サイトを覗いたところ、将棋の谷川浩司九段と深浦康市九段のライブ対局(順位戦B2)があったのでつい見てしまった。

 現在、将棋界は藤井聡太四冠という超天才が現れ、大いに盛り上がっており、私もかなり注目して藤井四冠の対局はかなり見ているが、どの棋士のファンかと問われれば、未だに谷川浩司九段のファンであると答えるだろう。

 谷川九段の対局姿勢は、とにかく美しい。

 姿勢はもちろんだが、所作にも澱みがないし、駒の動かし方も駒と将棋盤の絆を一手、一手深めていくように動かしていく。
 相手の駒を取る場合も、自分の駒台をきちんと整理し、取る予定の駒を置くスペースをきちんと作ってから相手の駒を取るので、駒台に手をやるとおそらく次に相手の駒を取るのだろうと予想がついたりもする。

 純粋な将棋の強さであれば、現時点の将棋界では藤井四冠が最強だろうが、対局の美しさという点においては、谷川九段の将棋は藤井四冠の将棋に勝っていると私は感じている。

 将棋の内容は、深浦九段がかなり押していたようだったが、1九の飛車を角で取った深浦九段の手が疑問手だったようで、谷川九段の逆転勝ちになったようだった。

 残念ながら全盛期の強さを発揮する機会が減り、映像で見られることが少なくなってきた谷川九段ではあるが、昨日の勝利で四連勝と調子を上げつつあるようにも見える。

 谷川九段のさらなるご活躍を願いつつ、美しい将棋の対局所作を御覧になりたいのであれば、谷川九段の将棋を是非見て頂きたいと、切に思うのである。

投資詐欺の相談

 これまで何件か、投資詐欺に引っかかってしまった方の相談に応じたことがある。

 最初に申し上げておくが、投資詐欺であることが発覚した後、投資金額を回収できることは希であると思った方が良い。投資詐欺であることが早めに発覚した場合には、まだ回収可能性がある方だ(私も回収できた経験はある)が、通常は相当困難である。

 まず相手の居場所が分からないことが多いし、仮に分かって民事裁判を提起して、勝訴判決を得ても、相手がすっからかんであれば、強制執行しても結局回収できない。投資詐欺が判明する頃には、詐欺犯も資金繰りに行き詰まっていることが多いから、なおさら回収は困難を極めるのである。

 したがって、投資詐欺に引っかからないことがまず大事なのだ。

 元本保証、年間投資金額の10%以上のリターンが確実にある等との美味しい話を言葉巧みに告げられ、大丈夫と思って投資したつもりが、詐欺だったりするのだ。投資先は不動産だったり、聞いたこともないような名前の暗号資産が公開前だから安く手に入る、公開されれば数十倍になるとの話だったりする。

 さらには、友人から毎月の配当金が支払われるからと強く誘われて、少額を投資したところ、確かに1~2度配当金が支払われたので、信用できると思ってさらに高額の投資を行い、大損してしまった例もある。もちろん友人との仲もそれで終わったそうだ。

 冷静になって考えて頂ければお分かりのとおり、元本保証で年間10%以上のリターンのある投資案件がもしあるのなら、投資の募集をしている会社や人が、金融機関から安い金利でお金を借りて投資すれば良いだけの話しなのである。

 現時点での日本政策金融公庫中小企業への貸付金利は、貸付期間5年以内で1.06%~0.30%なのだから、本当に元本保証で投資金額の10%以上のリターンがあるのなら、日本政策金融公庫から借りて投資しても、元本が保証された上で、約9%以上のリターンが安全に手に入ることになる。

 敢えて、てまひまかけて他人から投資を募る必要などないのである。

 だから、まず元本保証で高利率の投資話(10%以上の高配当は嘘くさいので、3~5%の場合もある)があったら、99.99%は詐欺だと思った方が良い。

 しかし、友人が、自分も儲けたので、あなたにだけ秘密に教えるからなどと言われた際には、心が大きく動くこともあるだろう。
 そして、心が動いているときに、難しい内容の契約書を見せられて説明されると、なんだか良く分からないけど難しそうな内容だから大丈夫なんじゃないかと自分を鼓舞して契約してしまった人もいたりする。

 
 そのような契約を求められた場合、契約書を受け取っても、「これは大事なことだから良く考えてから契約するかを決めます」などと言って、まず即断しないこと、これが一番である。

 次に、契約書を弁護士に見てもらう事である。

 私がこれまで見てきた投資詐欺の案件では、7割以上の案件において、契約書に不備な点や妙な記載があったりした。おそらくインターネットなどで流れている契約書のひな形を流用しながら作成されたものだと思われるが、詐欺犯にも法律知識に乏しい者もいて、そのような変な記載内容になっていたものと思われる。

 契約書の記載を、この記載はこういう意味ですからと説明し、おかしな点を指摘すると、「そういう意味だったんですか!確かにおかしいですね!」と納得される方もそこそこいた。

 さらに言えば、不特定多数の者に対して、元本保証を謳って出資を募っているのであれば出資法違反の可能性もあり、違反者には懲役までありうるのだ。

 仮に契約書に妙な点がなくても、ものの道理の分かった弁護士なら、そのような投資話がほぼ100%詐欺であるからやめるよう忠告してくれるはずだ。

 弁護士への法律相談では大体30分5000円くらい(税別)かかるが、その後で、何百万~何千万も損してしまう危険を避けることを思えば、安い費用である。

 仮に、投資詐欺にかかったかもしれないと思ったら、とにかく早く弁護士に相談することだ。
 前述したとおり、主犯者の資金繰りが悪くなってから投資詐欺が発覚する場合が多く、その場合は被害者も多数生じている上、詐欺犯の手持ち資金も尽きかけているから、相談が遅れれば遅れるだけ、投資金の回収可能性は減っていくと考えた方が良いからだ。

離婚事件を手がけて感じる男女差~3

<男性は基本、鈍感である>

 離婚調停などで、女性側から離婚を希望する理由を主張された場合に、よく男性側がいうのが、「そのようなことが不満だったのなら、ちゃんと言ってくれれば、いくらでも解決できていたのに。」というものである。

 つまり、女性側は不満を男性に伝えているつもりになっていても、男性は女性からの不満の訴えを、ただのお話しだ、などと思ってしまっている場合が結構多いように思われる。

 例えば、「この間、あなたの実家に帰ったときに、あなたのお兄さんの奥さんから~~ということを言われたの」と、あなたの妻から言われた場合、女性の本心としては、兄嫁の発言や実家での対応について妻としては不満があって、その不満を訴えている場合もあるのだ。

 しかし、それを聞いた男性側は、兄嫁の発言が相当ひどい発言であったとすぐ分かる場合を除き、「ふ~んそんなことがあったのか」と女性の訴えを、ただのお話としてしか聞いていない場合も多い。

 このような場合、女性側としては不満を伝えたと思っているのに、男性側としては事実を聞いただけと感じているため聞くだけで終わってしまうから、女性としては男性に対して、私の不満に対して何らの対策を取ってくれない人だと感じる。
 そして、そのような男性側の態度に対して、女性側が夫は兄嫁の味方なのか、私の味方をしてくれないのか、とさらに不満を募らせるというパターンも多そうなのだ。

 とはいえ、これは男性の鈍感さだけが問題ではないようにも思う。

 女性の発言も、常に不満を解決して欲しい場合になされるわけではなく、なんとなく共感して欲しくて話している場合もかなりの頻度であるからだ。そしてその区別は、話している女性にとっては当然なのであるが、聞いている男性にとってはその区別が難しいことが多いのだ。

 かといって、女性が単に共感して欲しくて話している場合にも、常に問題解決を依頼されていると感じてしまう夫が仮にいたとしたら、家庭内では逆にうっとうしい存在となる可能性が高く、それはそれで問題が大きいだろう。

 ただ、女性の不満を伝えている発言と、普通のお話しとを区別するだけの敏感さが男性には欠けている場合が多い、つまり女性の視点から見れば、男性は鈍感な存在であることを、男女双方が意識しておいたほうが、良いのかもしれない。

 つまり、女性は男性が鈍感であることを認識して、何かに不満があって男性に問題解決を希望する場合はその旨をきちんと男性に明確に伝える方が良いのだろうし、男性も自らが鈍感であることを自覚して、女性の話に何らかの解決を求める意思が含まれていないのかという点について、少しは気を配るよう心掛けると、お互いの行き違いは少なくできる可能性があるようにも思う。

 結局、一言で言えば、男女間のコミュニケーションをしっかりとろう、ということに尽きるのだが、現実は長年一緒に暮らしてきている夫婦にとっても、そう簡単ではないところが、実際の現場だったりするのである。

(この項終わり)

40年前の修学旅行(和歌山県立新宮高校)

 机の引き出しの奥から、なんとほぼ40年前(1982年)の修学旅行の行程表が出てきた!

 画像ではちょっと分かりにくいようなので、日程を以下に書いておく。

(行程表ここから)

信州

黒部・志賀高原・草津・白樺湖方面

昭和57年度和歌山県立新宮高等学校修学旅行行程表

ご旅行期間 昭和57年9月25日(土)~9月30日(木) 5泊6日(船車泊2泊・旅館3泊)

9月25日(土) 新宮20:18(※19:00駅前集合)-修学旅行専用列車・・・名古屋経由→

9月26日(日)→松本6:01=ドライブインマツモト6:30(朝食)7:20=新島々=上高地 散策コース9:00(昼食)12:00※大正池~河童橋まで=信濃大町=扇沢14:40=トロリーバス15:00→15:16=黒部ダム=16:33トロリーバス→16:49扇沢=白樺乗鞍高原18:20 白馬アルプスホテル泊

9月27日(月)白馬乗鞍高原8:00=笹平経由=長野善光寺10:20(昼食)~11:30=須坂りんご園12:00~13:00=志賀草津高原ルート=14:30・・・白根火山・・・16:00=16:40草津温泉 ホテルヴィレッジ泊

9月28日(火)草津温泉8:30=9:20・・鬼押出し園・・10:10=11:00・・軽井沢ドライブイン(買物と昼食)・・12:20=女神湖=14:00蓼科牧場自由プラン(3Hコース) 白樺高原ホテル泊 夜キャンプファイヤー

9月29日(水)蓼科牧場8:00=茅野=9:30・・甲府ぶどう園・・10:30=11:30・・富士急ハイランド(昼食)・・14:30=河口湖IC=中央高速~首都高速=東京IC=17:30東京有明港(夕食)18:20~~日本高速フェリー(船中泊)

9月30日(木)~~宇久井港7:40~8:00=8:30新宮高校(各方面へ)

(行程表ここまで)

 時代としては、国鉄民営化が閣議決定されたものの、まだ実現していない時期だった。

 第1日夜、国鉄の修学旅行専用列車で新宮駅を出発し(紀勢本線の新宮より三重側は電化されていないため、ディーゼル機関車が牽引車であった)、就寝用に着替える際には女子生徒側を見えないように先生方が毛布などで目隠ししていたことがあったような記憶があるが、私の中学校(太地中学校)の修学旅行も確か国鉄の列車で東京方面に向かったような気もするので、中学校のときの列車と記憶の混乱があるかもしれない。

 いずれにしてももちろん、興奮して殆ど眠れなかったはずなので、翌朝松本駅に到着したときは眠かったのだろうと思う。

 第2日目はそこで、早すぎる朝食を取ってバスに乗って上高地・黒部ダム方面へ向かったようだ。

 上高地の記憶が余り残っていないが紅葉の時期でもあり河童橋周辺はかなりの人であったような記憶だけは残っている。トロリーバスで黒部ダムを往復して扇沢に戻ったが、かなり黒部ダムは寒かった記憶が残っている。その後、白馬白樺高原で宿泊したようだ。どうやって部屋割りしたのか覚えておらず、どのクラスメートと一緒だったのかも、今になっては、ちょっと思い出せない。

第3日の善光寺、須坂りんご園は良く覚えていないが、善光寺では精進料理っぽい昼食を食わされたように思う。白根火山はある程度山道を登って大きな火口が湖になっているのを見たのが印象として残っている。確か天気はあまり良くなかったはずである。バス移動が多かったので、担任の道上徹先生は、バスの後部座席にどっかと座り、ビールを呑みながら暇そうに知恵の輪をやっていたように記憶している。今の時代、修学旅行で引率の先生が飲酒したら大問題になりそうだが、当時は大らかなものだったのだろう。宿泊は草津温泉だったが、温泉を堪能したかどうかは記憶にない。

第4日は鬼押出し園を見た後、女神湖・蓼科牧場でかなりの自由時間があったように思う。またその夜はキャンプファイアーも行われるということで、若い男女にとっては、なかなか青春の炎をたぎらせても良いような日程だったと思われる。しかし、私のクラスは新宮高校で1クラスだけ設けられた理数科であった。たまたま、その年に理数科を志す女子生徒が存在しなかったので、共学高校内の唯一の男子クラスという、なかなか厳しい状況下であった。キャンプファイアーの際にフォークダンスもあったように思うが、女子生徒は共学クラスにしかいないため、相当寂しい思いをしたような記憶も微かに残っている。

第5日は甲府ぶどう園に立ち寄った後、富士急ハイランドで昼食をとったが、確か出発時間を遅らせては船に乗り遅れる危険があるということで、アトラクションに乗ることは禁止されていたような記憶がある。ただ、私は中学校の修学旅行でも富士急ハイランドに来て昼食だけ食べているので記憶が混乱している可能性もある。昼食後は高速道路をひた走って東京有明港へ。

いま思えばりんご園やらぶどう園には寄ったくせに、首都東京は通過するだけで国立博物館も国立美術館も何も見学しないという、かなり(文化無視の・・・笑)思い切った選択だったようにも思われる。

当時は「フェリーさんふらわあ」が東京~那智勝浦(宇久井港)~高知と運行していた。確かその頃、オフコースが流行っていて、オフコースのライブ出演するテレビが運行当日にあったような気もするが、はっきり覚えていない。ただ、女子生徒の方が個室などを与えられている反面、男子生徒は私の知る限り全て2等の雑魚寝だったので、同じ旅行代金なら不公平じゃないか・・と思った記憶は、かなりはっきりと残っている。

第6日は、宇久井港に到着して解散となった。日程表上だと新宮高校まで移動してから解散の予定となっているが、新宮高校の生徒の通学圏は結構広く、新宮高校まで移動すると帰宅がより遅れる生徒も多かったので、新宮市の生徒以外で家族の迎えがある者は、宇久井港で解散したような記憶がある。

 多分卒業アルバムの修学旅行の写真を見たりすればもっと思い出せるかもしれないが、40年ほど前の修学旅行とはいえ、行程表を眺めて見るだけでも、旅行内容をそこそこ思い出せることは、ちょっと意外だった。

 旅行の際には、このように思い出せるきっかけや写真などを残しておくと、想い出をより長期にわたって楽しめるのかもしれないね。

離婚事件を手がけて感じる男女差~2

<記憶の違い~女性は細かいことを良く覚えることが出来る>

 これもかなり顕著な傾向と言って良いと思うが、女性は非常に細かい点まで詳細に覚えていることが多い。


 従って、陳述書などを作成する場合において、迫真性・具体性に富んだ内容のものを作成することが可能な場合が多い。迫真性・具体性に富んだ陳述書は、細かい事象を積み重ねて夫婦関係の崩壊を立証しようとする場合などには、大きな武器になる可能性が高い。

 但し、女性の記憶は、非常に詳細できめ細かいものなのだが、論理的に時系列的に整理されているかというと必ずしもそうではないことも多い。細部まできちんと記憶されているものの、ものごとの前後関係が明確でなかったりする場合もある。

 一方、男性の記憶の特徴は、ざっくり言えば、大まかな流れは把握しているが、細かい点においては欠落している、というものである。

 出来事の位置づけは流れに沿って矛盾なく整理できるが、その具体的内容については明確に思い出せない場合が多い。大体、こういうことがあったから、こんな感じのことがあって・・・・というような感じで、物事が生じた流れや顛末は分かるのだが、具体的な内容についてはボヤッとしか思い出せない人が多い。

 陳述書や証言などについては、もちろん刑事事件の調書のように具体性・迫真性がある方が信用される場合が多い。
 例えば、痴漢の被害者が、
 単に「大体○○駅から○○駅の間で触られたと思います。」と述べた場合と、
 「○○駅を出てから1分後くらいに、サングラスにマスクをした40代くらいの男性が電車の後方から近寄ってきて私に触れるくらいの場所に立ちました。なんだか息が荒くてハアハアしていたようだったので、私は嫌だなぁと思って、場所を少しドアの近くに変え、男性を見ないように外を向いて立ったのです。ところがその男性は・・・・」と具体的に真に迫った内容で記載された方が、この被害者の記憶がはっきりしている、本当のことを言っている可能性が高い、と考えてもらいやすいだろう。

 そういう点からは、女性型の記憶の方が戦いやすい面もある。

 しかし、男性型の記憶からは事象の流れの矛盾や、順序の不整合を指摘するという戦い方もあるので、必ずしもどちらが一方的に有利という決まった関係があるわけではないようにも思う。

(続く)

離婚事件を手がけて感じる男女差~1

 かつて、上記の内容でブログ記事を書いたことがあるのだが、ブログが消失してしまい、その記事は失われてしまったので、再度アップしておこうと思う。

 ただ、以前書いた記事が失われているため、以前の記載内容と若干異なる内容になるかもしれないし、あくまで私が感じた印象に過ぎないので、現実には違う場合もあるかもしれないが、そこはご了解頂きたい。

<女性は我慢づよい>

 離婚事件を扱っていて感じたことの一つとして、女性はとても我慢強いということがある。おそらく男性ならば到底我慢できないような状況でも、我慢できてしまうような強さを女性は持っていることが多い。私から見ても、こんなのとても我慢できないだろうなと思う状況でも我慢してきた女性は相当多い。

 しかし、男性としては、女性の我慢強さは弾力性とイコールではないことを、覚えておく必要がある。

 つまり、女性は我慢できるところまで我慢するが、我慢の限界を超えて切れた場合、もう2度と元に戻らない傾向が極めて強いのだ。

 我慢の限界を超えた女性からすれば、もう当該男性は人生の邪魔者でしかない場合が殆どである。

 ・夫の呼吸した空気が地球上に漂っていると思っただけで気分が悪い。

 ・できれば、今すぐこの世から消えてもらいたい。

 等と、我慢の限界を超えた女性からは、ちょっと男性陣からすれば驚くような内容の発言すら出てくる場合も希ではないし、殆どの場合それが我慢の限界を超えた女性の本心のようなのだ。

 女性側が離婚を求めて立ち上がった時点で、男性側としては、よほどのことがない限り、ほぼ元の鞘に収まる可能性はない、と考えた方がよいくらいだとすら思われる。

 一方、男性は、女性ほど我慢強くはないものの、離婚希望の弾力性は男性側の方が強い場合が多いように感じられる。だから男性から離婚を求めていても、その離婚希望を撤回する場合は、女性に比べれば多いように思われる。ただし、その時点で交際している女性などのように強力に妻との離婚を求める理由となる原因が存在しない場合に限定した話となるのだが。

 男性は比較的ノンビリしているというか呑気というか、女性側から完全に喉元に刃を突きつけられている状況におかれていても、「そうはいっても楽しい時間も一緒に過ごしたこともあったのだし」「悪いことばかり主張されているが、そうでないことも多かったはずだ」・・・等と現実離れしたノンビリした発想を持っていたりする場合もある。

 「そのような楽しい時間があったことをも考慮に入れたうえで、それでも、奥さんは結婚生活に耐えられないとしてあなたに離婚を求めているのです」、と何度説明しても、自らの体験を根拠に、「相手の弁護士が報酬を得るために離婚させようとしているのではないか」などと主張して納得できない夫もいたりする。

(続く)