某サイトで、司法試験合格者の質の問題が議論になっていたようなので、昔のデータを参考までに示そうと思う。
法務省HPで手に入る最も古いデータは、平成13年である。
平成13年度司法試験は、
総出願者数38,840名
最終合格者990名
だった。
これでも平成元年の2倍ほどの合格者数であり、合格者を増加させた結果の最終合格者だった。
なお、論文試験合格者に関して、「おおよそ5/7は受験回数に関係なく合格させ、残り2/7は受験回数3回以内の受験生からしか合格させない」という丙案が実施されており、受験回数の少ない受験生が圧倒的に有利な状況下で実施されていた。
最終合格者の多い大学トップ10
東京大学 206名
早稲田大学 187名
慶應義塾大学 100名
京都大学 90名
中央大学 76名
一橋大学 36名
大阪大学 34名
明治大学 27名
上智大学 19名
同志社大学 17名
である。
上記トップ10の大学の出願者数は
東京大学 2764名
早稲田大学 4949名
慶應義塾大学 2535名
京都大学 1515名
中央大学 4863名
一橋大学 719名
大阪大学 630名
明治大学 1941名
上智大学 585名
同志社大学 1157名
である。
最終合格者数÷出願者数で単純合格率を計算すると
東京大学 7.45%(13.4人に1人合格)
早稲田大学 3.78%(26.5人に1人合格)
慶應義塾大学 3.94%(25.4人に1人合格)
京都大学 5.94%(16.8人に1人合格)
中央大学 1.56%(64.1人に1人合格)
一橋大学 5.01%(20.0人に1人合格)
大阪大学 5.40%(18.5人に1人合格)
明治大学 1.39%(71.9人に1人合格)
上智大学 3.24%(30.9人に1人合格)
同志社大学 1.47%(68.0人に1人合格)
この計算からすれば、
東大・京大卒(在学中も含む)の受験生でも、14~15人に1人しか合格しない、
早大・慶大卒(在学中も含む)の受験生でも、25~26人に1人しか合格しない計算になる。
もちろん、出願者全員が受験したわけではないだろうし、記念受験者もいたので、真剣に法曹を目指していた者の実質上の合格率は上記の数字より多少落ちるだろうが、今年の司法試験のように合格率42.8%(ほぼ2.3人に1人合格)と比較すれば隔世の感がある。
ちなみに平成元年の(旧)司法試験一発合格者数は僅か4名。
令和5年度司法試験の一発合格者数は1584名である。