大阪弁護士会では、研修の受講が義務づけられており、確か、年間10単位を取得しないと注意を受けるなど面倒なことになる。
研修を受講する際には、図書室利用カードをカードリーダーに読ませて入室し、退出時にも同様にカードリーダーで読ませることにより、受講の確認をする。
ご丁寧なことに、15分以上の遅刻や、終了時刻前の早退は、受講したことにならないと規則で明記されている。
ちなみに私は税理士登録もしているので税理士会の研修も受講することがあるが、そちらは入室時にカードリーダーで読ませるだけで、退室時のチェックはない。まあ会場に来た以上は、受講しているだろうと、信頼されているのだ。
要するに、税理士会と比較すれば、弁護士さんは、ちゃんと研修を受講するかについて、大阪弁護士会からは信用されていないのだ。
ただでさえ、なんだかな~と思っていたところに、先日の常議員会で遅刻を許容する時間を15分から10分に短縮し、なおかつ、途中離席も10分までにするという規則を追加したい、という改正案が提出された。
説明によると、ある弁護士さんが研修の際に、長時間離席していたことをたまたま事務局に現認されたが、そのセンセイは「依頼者からの至急の電話に対応しており、履修が認められるべきだ」と弁明したのだそうだ。確かに規則には長時間の離席は単位を認めないという定めがないから、明文上は、そのような不届き者を未修にする根拠がないということらしい。
私から言わせれば、研修よりも依頼者対応を優先して長時間離席し研修の大部分を受講していないのだから、実質的に履修はしておらず、当然履修など認められるはずもないのであり、おそらくそのセンセイが、中抜けをしていたところを発見された後ろめたさから発言したガキの屁理屈としか思えない。
私が事務局だったら、「研修は受講を前提に単位を認めるのはご存じのはず。どんな理由があっても、大部分の時間を実際に受講していないのだから単位が認められるわけないでしょ。アホなこと言わんと素直に中抜けしてたズルを認めなさいよ」、くらい言ってしまったかもしれない。
しかし、だからといって、子供のような幼稚な屁理屈を振り回す、ごく僅かな不届き者のために、こんな恥ずかしい規定を設ける必要があるのだろうか。
私はこのような規定の新設には反対した。だって、余りに幼稚じゃないですか。そんな規定があること自体、恥ずかしいですから。
まあ、結果的には賛成多数で通っちゃったけど。
不正をやろうとすれば、中抜けが規制されても可能だ。事務員さんや第三者にカードを持たせて替え玉に使い、最初から最後まで受講させることもできるからだ。大阪弁護士会の会員数は多いため、自分の知り合い以外の出席者のうち誰がホントの弁護士なのか、研修の場所では、実際にはわかりゃしないのである。もちろん、研修中に最初から最後までスマホをいじっている人もいるし、パソコンでメールをせっせと書いている人もいる。
だから規制しても、はっきり言って意味がないと私は思う。
最も責められるべきは、自分の中抜けを棚に上げてガキの屁理屈をこねたセンセイだが、それへの弁護士会の対応が、恥ずかしい規定の追加ということでは、実効性もないし、大げさすぎるように思うのだが・・・・。
それにしても、弁護士があんな屁理屈を言うようでは・・・・、弁護士法2条もさぞかし無念だろうなぁ・・・。