藤井七段、棋聖挑戦まであと1勝

 最近、将棋観戦を楽しむ人が増えているようだ。

 私自身、小さい頃に父親に教わってから、将棋のルールくらいは知っている。
 もちろん、ヘボ将棋で実際の実力は5級程度あればいい方だが、故米長永世棋聖の将棋ソフトを使って初段の認定をして頂いた。
 嬉しくて、将棋連盟に初段の免状を申請したら、確か3万円くらいかかったように思う。

 届いた免状は、立派な桐箱に入っており、当時の将棋連盟会長二上達也さん、当時の竜王藤井猛さん、当時の名人(現将棋連盟会長)佐藤康光さん、の直筆署名がなされており、それを眺めて、にやにやしていると、なんだか将棋がうまくなったような気がしたものだ。

 何故だか、私の好きな谷川九段が将棋連盟の会長を務めていたときの免状でもなく、竜王や名人を取っていた時のものではない。また、あれだけタイトルを獲得した羽生九段が名人にも竜王にもなっていない時期であるため、お二人の直筆署名を免状にいただくことはできなかった。

 それはさておき、私も将棋の観戦は好きである。といってもペーパー初段の私にはプロの棋士が指す一手の意味など分かるはずがない。かつては将棋連盟のHPで勝ち負けを確認し、主な対局の内容や様子は、週間将棋新聞を買って、通勤電車の中で確認するという方法をとっていた。谷川九段がタイトル戦に出ているときは、将棋世界を買って対局の様子を読んだりしたものだ。

 今では、インターネットを用いてリアルタイムで対局と解説を同時に楽しむことができるので、とてもありがたい。

 マスコミでも話題になっているが、天才棋士藤井聡太七段が、昨日、佐藤天彦九段を破り棋聖戦の挑戦者まであと1勝と迫っている。

 次の相手は、永瀬拓矢二冠だ。

 私はこれまで谷川九段のファンであることを公言しているが、谷川九段以外にもファンとまではいかなくても、注目あるいは応援している棋士というものはある。

 奨励会時代に次点を二度獲得すればフリークラス四段になれるという権利を得ながら、その権利を行使せず堂々と実力で奨励会を突破した佐藤天彦九段も注目している棋士の一人だったが、昨日の対局で藤井七段に敗れてしまった。

 棋聖戦挑戦者決定戦で戦う、藤井聡太七段と永瀬拓矢二冠も、いずれも、心の中で注目乃至応援している棋士である。

 その二人が棋聖戦の挑戦者決定戦でぶつかる。

 藤井七段には、最年少タイトル挑戦という記録がかかる。一方、永瀬二冠にもタイトル保持者としての矜持がある。

 応援している棋士が挑戦者決定戦でぶつかるというのは、必ずどちらかは挑戦者になることは決まっているので、うれしく思う反面、勝手ながら、どちらをより応援するか悩ましいという問題が付きまとう。
 

 天邪鬼で、アンチヒーローを好む傾向のある私からすれば、マスコミが藤井七段をこぞって取り上げて注目しているので、今回は永瀬二冠に肩入れしてしまいそうな気もする。

 どちらを応援するかは、ぜいたくな悩みだと思いつつも、お二人の素晴らしい盤上の戦いを期待している。

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