谷川九段が、18日、日本将棋連盟会長を辞任することを発表した。
人格、識見、実績とも会長として非の打ち所のないと、私には思われる谷川九段であるが、今回の三浦九段の事件での引責が主な理由のようだ。
将棋のプロ棋士の座は、小さい頃から天才の呼び声高い俊才の中から、さらに抜群の成績を上げたものしか到達できない地位である。
したがって、おそらくは、個性の強い(我の強い?)人間が多く集まっている集団であり、その棋士の集団をまとめ上げることは、幾ら人格者の谷川九段とはいえ、実に苦労が多いことだったろうと思う。
谷川九段の、その真面目な性格から、今回の事件について人一倍心を痛め、苦悩されてきたことは想像に難くない。また、その真面目な性格ゆえに、会長辞任という潔い責任の取り方を選択したのだろう。
私は、芸術的ともいえる光速の寄せや、なぜかそれと同居する、ここ一番で悲運に泣かされる危うさ、などからずっと谷川九段のファンである。将棋連盟会長という重責から解放されて、また、かつての「光速の寄せ」でファンを魅了してくれることを願ってやまない。
谷川先生、お疲れ様でした。