新宮高等学校同窓会に行ってきました。~

 今年の新年1月2日に、私の出身校である和歌山県立新宮高等学校の同期同窓会が那智勝浦のホテル浦島で開催された。生徒が卒業後22年後(つまり50歳になったとき)と32年後(つまり60歳になったとき)に同期同窓会が行われるのが新宮高等学校の伝統なのだそうだ。

 私の卒業した新宮高等学校はもちろん共学だ。建築科・土木科を除く普通科は、1組から10組まで存在した。

1年次において普通科の生徒はランダムにクラス割されるが、2年次からは進路別にクラス分けがなされていた。

私が高校生だった頃の新宮高校は、進路別クラス分けとして、

いわゆる文科と呼ばれる1~5組(就職する生徒もそこそこいるコース)、

文理科と呼ばれる6~9組(基本進学コースであるが、理数系大学は狙いにくいコース)、

理数科(理数系大学も狙える進学コース)と呼ばれる10組

にクラス分けされ、3年進級時のクラス換えはなかった。

私は1年のときこそ8組(1F8~1年普通科8組)でほぼ男女同数だったが、2~3年次は理数科(10組)に進んだ。

 毎年5~10名は理数系女子がいるというのが通例だったのだが、私の学年に限って言えば、ただの1人も女子はいなかった。つまり男女共学の高校に通いながら、男子クラスという、かなり厳しい状況だった。

 しかも、理由は分からないが学級のHRの場所が、他の同級生のクラスと別棟にぽつんと隔離された状況にあったことも厳しかった。通常の共学の男子クラスであれば、休憩時間になれば廊下を女子生徒が歩くことなどもあるだろうが、別棟に隔離されたクラスではそのようなことも起きようがない。特に体育祭のフォークダンスは辛かった記憶がある。

 その頃の私達は、ほとんどが純情少年であり、女子生徒とお付き合いしたいとか、現に付き合っている生徒を羨ましい等と思っていても、いざ具体的にお付き合いするとしたら、どんなことがお付き合いなのかさっぱり分からない、それどころか、女子とどんな話しをすればいいのかよく分からない連中も多くいた。

 同窓会では、当然というべきか残念ながらというべきか、席割は2・3年次のクラス別で設定されており、高2・高3を男子クラスで過ごした以上、同窓会で出会う顔ぶれも当然おっさんばかりだった。

 この歳になると、おっさんばかりの方が気を使わなくても良いのでかえって楽だということもあるが、クラスの同窓会幹事が、出席を呼びかけたところ「死んでも行きたくない」というクラスメートもいたらしい。彼が共学の中の男子クラスで送った高校生活に対し、どのような記憶を持っているかが窺えるではないか。

 それはさておき、私は、久しぶりに顔を合わせたクラスの仲間と話せて楽しかった。体育のときに坂野は足が速かったな、○○は走り高跳びが凄かった等の高校時代の想い出から、来ていないけどあいつはどうしているのだろうか、お互いの現在の仕事状況など、多岐に亘る話題で話が弾んだ。

 また、幸い私が1年だったときのクラスはまとまりが良く仲が良かったため、1F8の仲間のうち何人かとも楽しい時間を過ごすことが出来た。もちろん同じ中学校出身の何人かとも話すことが出来た。イデアの時代からブログを読んでくれていたり、HPを見てくれていた人もいた。

 大抵の仲間から、坂野は感じが変わったね~とか、お前誰?と言われることもあり少し面食らった。確かに当日は、ゴルフの後に出かけたこともあって、高校時代と異なりコンタクトレンズで出席しており、髭も生やしているし頭もかなり涼しくなってきているとはいえ、私としては何も変わったつもりはないので不思議に思い、どこが変わったのか聞いてみた。

 すると、昔はもっとガリガリにやせていた、今はおっきくなったし話しやすくなった、という感想が多かった。中には、真ちゃん苦労してきたんやなぁ、話し方で分かるわ・・・と同情してくれる友人もいた。ただ話してみると、やはり、坂野やなぁ・・・ということで本質は変わっていないことは理解してもらえたようだった。

 仕事柄、話しやすくなったという評価は嬉しいものだ。確かに高校時代は、今より遥かに尖っていたかもしれない。正確には尖ったふりをして、傷つきやすかった自分を守っていただけなのだろうけれども、そんな自分ですら今は懐かしい。

 本当に久しぶりに会ってみて感じたのは、みんな変わらないし、矛盾しているようだがそれでいてみんな変わっていっている、ということだ。

 話してみてもおそらく人としての本質は高校時代とそう大きく変わっていない気がする。そういう点ではみんな変わらない。それでも、高校卒業後、それぞれが一生懸命に頑張っているうちに、その頑張りがそれぞれの、人間としての魅力となって加わっているように思う。

 50歳ともなれば、生物学的には魅力は失せてくることは当然だ。しかし、人間の魅力はそれだけではない。経験からくる人間の底力としての魅力もある。

 仲間っていいもんだな~と思いつつ、再会を誓って私は会場を後にした。

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