現在の法務大臣は江田五月氏だ。裁判官を経て弁護士となり、国会議員として活躍されておられる。
あるMLから頂いた情報によると、江田法相は、先だっての国会法務委員会で、次のようなことを、述べていたそうだ。
なお、この質問・答弁の全文は下記のURLから読むことが出来る。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000417720110330004.htm
つまりは、弁護士の就職難があっても田舎に行け、行けばニーズはある、需要を掘り起こせば良いんだ、弁護士は多い方が国民の皆様のためになるんだ、読売ホールでのシンポでもそうだったんだ。ということを仰っているようだ。
それでは、法務大臣になる以前の江田氏はどう言っていたのか。下記のブログを読んで頂きたい。
http://www.eda-jp.com/etc/nk/000904.html
「どちらが良いのか分かりません」と結論を断言はしないものの、法曹一元に釣られて増員賛成の決議をした日弁連を「つける薬もない人達」と述べていることから、江田氏は、法曹人口の激増は国民のためにならない、と論じていることがわかる。その論調の方向性は、中学生でも分かるはずだ。
それに、江田センセイの言っている読売ホールのシンポジウムは、多分、2000.2.18の司法改革東京ミーティングだと思われる。仮にそうだとすると、2000年からどんどん実行されだした司法改革により弁護士人口のみ突出して増大し、問題点が出てきたと指摘した議員の質問に対し、2000年以前は国民の皆さんは改革賛成だったんだ、と答えているのであって、およそ答えになっていない。
簡単に例えて言えば、11年前に高速道路の制限時速を200キロにしたため死亡事故が多発する問題が生じていると指摘したところ、いやいや、11年前は、みんな制限速度を200キロにするべきだと言っていたんだ、と答えているのとなんら変わりがない。
結局、政権与党に入って、法相になれちゃったら、江田センセイも、いきなり政府の方針(しかも政権交代する前の政権が決めた閣議決定方針)に転向なんでしょうか?
法曹人口増と言っても、実際は弁護士人口増であって、それには問題点がある。法曹一元に釣られて、実際の成果も上げられず、そんな方向に賛成する日弁連は「つける薬もない人達だ」といっていた方が、
大きな司法を目指すのが改革だ。弁護士人口を増やすんだ。ニーズの掘り起こしをしてこそ法曹だ。そのために(「質はどうあれ」)法曹の数を増やすのが「私の、別に誰にも隠さない信念でございます」・・・・・・って平気で言えちゃうセンセイになっちゃったんですか。
江田法相のこの答弁は、(少なくとも私は)笑えん!
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