今朝見かけたダックスフント

 今日は、大阪桐蔭中学・高校での出張授業があり、京都の自宅から直接学校の方へ向かった。

 朝早めに出たため、お腹がすいており、時間調整と朝食を兼ねて、桐蔭中学・高校の近くのコンビニエンスストアに車を止め、朝食を買おうとした。

 すると、コンビニエンスストアの入り口のマットのあたりに、首輪はしているがリードをつけていないダックスフントが座っている。

 えらいな、飼い主待ってんのか。でももう少し横に寄って欲しいぞ。それに、リードをつけておくのがマナーのはずだ。ダメな飼い主だな。

 と思いつつ、コンビニエンスストアに入った。そして朝食を買い、自動車に戻って私は食べ始めた。

 ダックスフントは、まだ、コンビニエンスストアの入り口に座っている。

 私がジロジロ見ている視線に気付いたせいか、ダックスは、私の車の方に近寄ってきて、また入り口に戻っていく。

 ??・・・・おかしな動きをする犬だな。

 普通ご主人を待つ犬はみだりに、位置を変えないものだ。よくよく考えてみると、犬を見始めてから結構時間が経っている。私がコンビニに入った時を思い出すと、私以外にお客はいなかったようにも思う。

 もう少し見ていると、新しいお客がコンビニエンスストアに入ろうと入り口に近寄ると、犬は必ずその人間に近寄っていく。そして近くまで寄ってすぐに小走りに離れる。

 そのような犬の行動が数回繰り返され、ようやく私は理解が出来た。

 この犬は、置いてきぼりを食ったんだ。

 ご主人がコンビニに入る姿は見ていたのだろう。しかし、その後、何かの事情で置いていかれてしまったのだ。

 ご主人を捜しているのだ。

 朝食を食べ始めてから、15分くらい経っただろうか。

 犬はまだ、ご主人を待っている。

 私には、約束の時間が迫っている。出張授業は大阪弁護士会の事業の一つだ。遅れるわけにはいかない。しかし、せめて飼い主に連絡できないか。

 ひょっとして首輪に連絡先があるかもしれない。

 そう思って、私はダックスフントに近寄る。姿勢を低くして近寄ると、ダックスフントは小走りに近寄ってきた。一瞬ご主人かと思って期待して近寄ってきたのだ。

 しかし、私が、手がかりがあるかもしれないと思った首輪にわずかにさわることができた瞬間、犬は身をかわし、私から小走りで離れていった。犬の気持ちは分かるつもりだ。一瞬だけでもご主人かと思って他人に近寄ってしまった自分を許せないのだろう。

 私は、もう一度犬に近寄ろうとしたが、今度は犬が寄ってこない。ご主人以外の人間には気を許さないのだ。

 申し訳ないが、私には、もう時間は残されていなかった。

 あの子は、あのあと、どうしただろうか。

 ご主人が早めに気付いて迎えに来てくれたのなら良いのだけれど・・・・・。

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