昔話~高校の想い出(クラス分け)

 私の通っていた、和歌山県立新宮高等学校の普通科は男女比率はほぼ同じであったが、1年生の時は特にコースわけを行うこともなくクラス分けをして授業をし、高2からは、生徒の希望を基本に、通称文系・文理系・理数系の3系統に別れて授業を行うことになっていた。

 私の通っていた高校でも、世の中でいわれている傾向通り、女性は理数系は苦手な人が多かったらしく、文系>文理系>理数系の順で、女子生徒の比率が高く、大学進学率は理数系>文理系>文系という傾向にあった。

 何せ、色気づき始めた高1~高2生である。どのコースに進むかの希望を出すときに、どうもあの子が○○系を希望しているようだとかいう噂が立ったりする。私もご多分にもれず、そんな単純な理由で、文理系にするか理数系にするか悩んだものだ。

 私は結局、理数系を選択した。

 クラス分けにより理数系は2年10組の一クラスとされるとの発表があった。

 私は、初めて理数系に分類された2年10組の教室に入った瞬間の景色を、いまだに忘れることができない。

 そこには、男子生徒しかいなかった。誰一人として女子生徒はいなかったのだ。

  しかも集まった連中は、基本的に理系志望だから、純情可憐な文学的要素などもってのほかで、理系っぽい何となくダークな雰囲気が充満しているのだ。

 男女比率が同じ共学の高校で、何故か男子クラス!知ってりゃ絶対文理コースにしたはずだ。

 しかも、2年間はクラス替えがない。

 思春期の最も中心的な2年間を、男の園で暮らさなければならないのだ!

 終わった・・・・・・・。

 私の高校生活は完全に終わった・・・・・・・・と思った。

 この悲惨な状況は、体験したことがある人にしか分からないだろう。

 体育祭のフォークダンスの練習は、半分が女性の役割をしなければならない。そんなフォークダンス、頼まれたって嫌だろう。

 修学旅行で、学校側が気を利かせて催してくれたキャンプファイアーを囲んでの懇談会でも、周囲は男ば~っかり。

 男同士で踊ろうったって、気味が悪いだけで踊る気が湧くはずもない。男同士で語ろうったって、たいした人生経験もない思春期真っ最中の当時は面白くもなんともない。

 竹内まりやの曲で、「毎日がスペシャル」という曲が、TVで流れていたことがあったが、その当時の私にとってみれば、理数科教室での毎日は、大げさにいえば「♪~毎日がモノクロ」という感じだった。 

 しかも担任は、柔道5段?くらいだった道上徹先生。生意気盛りの高校生がささやかな反抗を考えても、柔道5段が立ちふさがるのだ。

 そのうち、女性に気を遣わなくても済むというメリットもあるし、良い奴もいるんだということが分かってくるが、まあ、当初は落ち込んだものだった。

(続く) 

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