高速道路で

 私は結構ドライブが好きなので、仕事で遠隔地の警察署などに接見に行かなければならないときなど、高速道路をよく利用することがあります。

 先日、新名神の追い越し車線を気持ちよく走っていたところ、前を走っているボルボの運転席から何かが飛んできました。一瞬何のことか分からなかったのですが、小さな白いものが飛んできて、私の自動車のボンネットに当たりました。高速走行中に小さな虫が当たったような音がしたので、大したことはないのは分かりました。しかし、一体なんだろうと思っていたところ、こんどは、同じボルボの助手席の方からもう一度同じようなものが飛んできました。

 今度は、路上で跳ねて私の運転する車のフロントグラスに当たり、そのまま運転席側の窓に沿って飛んでいったので、何が飛んできたのか分かりました。

 小さい物体の正体は、タバコでした。

 あまりのことに、私は唖然とし、次に怒りがこみ上げてきました。おそらく、火も消さずに窓の外に放り投げたタバコでしょう。もし私が、窓を開けて運転していたのであれば、そのタバコは運転席側の窓沿いに飛んでいったことから、窓から車内に飛び込んできてもおかしくないはずです。

 万一火のついたタバコが、私の車の後部座席に飛び込み、私が気付かなければ、車両火災になっていてもおかしくありません。タバコの火を消したつもりでも、完全に消えていなければ同じ危険が後続車に生じます。
 しかも、タバコを捨てた方の車種はボルボです。安全性に相当配慮されて作られたことで有名な自動車メーカーの車に乗っている方ですから、おそらく家族の安全には相当配慮されているはずです。しかし、運転席だけではなく助手席からもタバコが路上に投げ捨てられたことから考えれば、おそらく、自分たちさえ安全であれば良いという発想のご家族ではないかと思ってしまいました。

 これだけではなく、最近タバコの灰を窓から捨てる方、吸い殻を平気で投げ捨てる方を、昔よりよく見かけるような気がします。確かにタバコの灰や吸い殻を車外に捨てれば車内は綺麗なままだし、灰皿の掃除も不要でしょう。しかし、自分の都合で、誰かに迷惑をかけても構わないという発想は、社会全体を汚していくように思えてなりません。

 公の場で他人に迷惑をかけることは恥ずかしいことだという、ごく当たり前のことが次第に忘れ去られつつあるような、残念な思いがしました。

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