日弁連総会の翌日、明治大学で開催された日本刑法学会にも参加してきました。
以前にも書いたと思うのですが、刑法学会に参加する楽しみの一つに、大学時代の恩師にご挨拶できることがあげられます。
私の京都大学法学部時代の恩師(と私が勝手に思っている先生)は、中森喜彦先生(京都大学名誉教授、近畿大学法科大学院教授)、吉岡一男先生(京都大学名誉教授)のお二方です。中森先生には刑法を、吉岡先生には刑事学を教わりました。
今回の刑法学会では、中森先生とお会いすることができました(吉岡先生はご出席されていなかったようです)。
中森先生は、初代の京都大学法科大学院院長を務められた上に、現在近畿大学法科大学院で教鞭を執っておられるばかりではなく、法科大学院協会副理事長も勤めておられるものですから、法科大学院廃止論の私とは、法曹養成の面では意見が食い違います。
ですから、会話の途中で、法科大学院が話題に出ると、「そうや、お前はロースクールの敵なんや。変なことを書いたり、言ったりするんじゃない!」と冗談めかして仰ることもあります。
今回は、総会前に先生にお会いしたので、先生の横の席に座らせて頂くことができました。すぐ後ろには、早稲田の曽根先生もいらっしゃって、日本刑法学会の中心を担っておられるビッグネーム、お二人の近くに座れるという幸運に恵まれました。
中森先生も曽根先生も出入り口近くに座っておられたので、若手の研究者の方が遠慮してなんだか入りにくそうにしている様子でした。今思うと、私は中森先生の虎の威を借りて、無意識のうちに少しばかりふんぞり返って座っていたかもしれません。
もっとも中森先生は、若手の研究者の方に気を遣われたのか、「なんだか番人してるみたいやな。」と小声で私に仰っていました。
日本の刑法学会の重鎮でいらっしゃいながら、私のように出来の悪かった20年前のゼミ生といまだに、気さくにお話しして下さる中森先生は、(時々はきついお言葉も混じりますが)とても優しい先生です。
同期のゼミ生も、多くの者が先生のことを慕っています。本当に良き先生に恵まれたと、中森先生にお会いするたびに思う次第です。