大荒れ!法曹人口問題に関する決議案~その3

結論から言うと次の修正案が臨時総会決議案として常議員会で採択されました。

(修正案)
1 当会は、司法試験合格者数が、2010(平成22)年頃に3000人程度とする数値目標に基づき、毎年大幅に増員されている結果、法曹としての質についての懸念などが生じていることに鑑み、上記数値目標について速やかに見直しを行うよう求める。
2 当会は、今年度の司法試験合格者の判定にあたっては、法曹としての質の確保に十分配慮するとともに、上記数値目標及び毎年の概数にとらわれることなく、少なくとも前年度の合格者数より増やすことのないように求める。

 アンケート結果から推測される大阪弁護士会の意思を素直に表現した原案(7月9日のブログをご参照下さい)と異なり、かなりトーンが落ちています。

 おそらく政治的な判断が働いたのでしょうが、その代わりあまり意味がない決議案になってしまったとも思われます。

 総会決議はその後の大阪弁護士会執行部をも拘束するものであり、一度なされた総会決議に反する決議・行動を執行部が行うためには、再度総会決議が必要になると聞きました。

 その観点からみると、修正案1項は、3000人目標の速やかな見直しを求めるだけであり、「直ちに」ではない上、「減少を求める」と明記していないこと、第2項は「今年度司法試験合格者の判定」に限定しており、来年度以降の司法試験合格者になんら言及していないことからして、来年度以降の執行部を殆ど拘束できない総会決議案になっています。

 つまり、この修正決議案が臨時総会で可決されても、法曹人口問題に関して、来年度以降の執行部が、ほぼ自由に行動できてしまうというところがミソだと思います。

 たとえば、来年度の新執行部が選出されたとして、早く3000人目標を減らすようにと多くの会員から指摘されても、「(直ちにではなく)速やかに見直すことを求めるという決議ですから、今、速やかにやるよう考慮中です」といって、新執行部は問題を先送りにすることが出来てしまいます。また、減員を求めると明記していませんから、「見直すという決議ですから、見直した結果、やっぱり3000人目標を維持することに決めました。これが見直しです。」と新しい執行部が言いだしても決議案に反するとまでは言えないのです。

 さらに、修正案2項はあくまで今年度の司法試験合格者数を前年度よりも増加させないように求めるだけですから、来年度の新しい執行部が来年度の司法試験合格者を増加させるよう行動することも、許容可能な内容なのです。

 私はPTの臨時会議で、1項につき、減員の趣旨だと言い張る副会長に対して、「そうであれば減員の趣旨をより明確にして何が悪い。減少と入れるべきだ。」と主張したのですが、結局入れてもらえませんでした。
 2項についても、「何故今年度に限定するのか」と質問したと思いますが、結局、常議員会を通すためという理由の他、まともな回答はなかったと記憶しています。

 つまり、上野執行部は(実際の公約とは異なると思いますが)、ともかく総会決議を取ることで公約をぎりぎり果たした形を取れるし、他の会派は後に自らが執行部になったときに、法曹人口問題に関して自由に行動できるように原案を骨抜きにしたということでポイントを上げたということでしょう。日弁連の動きに合わせたという点も当然あるでしょう。

 ただ、相当多くの会員の意見を踏みにじった上での、妥協だとは思いますが。

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