大阪弁護士会会長選挙(その2)

 当ブログを、お読み頂いている方の中に、それだけ弁護士会や日弁連執行部に問題があると文句ばかり言うのであれば、自分で行動したらいいじゃないかと、思われる方もおられると思います。確かに、仰るとおりです。しかし、なんとなく上に文句を言いにくい土壌があるようで、不満はみんな抱いていても、私のようにずけずけ文句を言う人間は未だ少数派です。10年前なら日弁連会長に、私達の出したような挑戦的な質問状を提出することは、ほとんど考えにくかったのではないでしょうか。

 でも、私達イデア綜合法律事務所は、実は行動を起こしかけてはいたのです。

 今回の大阪弁護士会の会長選挙についても、当初、3候補予定者はいずれも法曹人口増員に反対を明確にしておらず、「増員につき検証」のレベルと私達には受け取れました。当事務所ではあまりに危機感のない候補者達にあきれ、密かに当事務所で候補者を擁立する準備をしていました。現実に大阪弁護士会に選挙関連書類をもらい、候補者マニュフェスト作成をはじめるところまで計画は進行していました。

 ちなみに、選挙関連書類は候補予定者3名とされていたので、弁護士会には3+予備1の合計4セットしか準備されていなかったとのことです。このことからだけでも、弁護士会の会長選挙がいかに事前から仕組まれた、内向きの選挙であるかがお分かりになると思います。

 ただ、某候補者と直接話したところ、その候補者が明確に反対を打ち出す、その具体策を公約に掲げる旨を明言したため、結局、当事務所の候補者擁立は見送りとなりました。

 その後、その候補者の公約は刊行物においては私達に約束した内容より大幅に後退したものになり、ちょっとだまされたような気もしています。しかし、当該候補者が増員反対を明確に打ち出すという噂が流れたためかどうかは不明ですが、結果的には全候補者が増員反対を相当程度明確に言い始めたので、少なくとも何もしないよりはよかったのではないかと思っています。

 全候補が、増員反対の旗印を掲げはじめたのであれば、あとは、いかに真剣に司法改悪に立ち向かってくれるのか、その具体的政策は何なのか、が問題です。情実に流されず、真剣に候補者の言い分に耳を傾けて慎重に選ぶ必要があります。 私も検討中です。

 増員反対を言う以上は、大阪弁護士会で増員反対決議を最低でも提案して決議に持ち込む必要があるでしょうし、大阪だけではなく近弁連・日弁連にも具体的に働きかけることは必須です。最低でもこれができないのであれば、増員反対を公約に入れるのは詐欺でしょう。

 真剣に頑張って下さる方が当選されることを祈るばかりです。

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