(弁護士のうち12人に1人は弁護士業をしていない!)
日弁連から、「弁護士業務の経済的基盤に関する実態調査報告書2020」の内容で、アンケート調査の結果をまとめた、「自由と正義」の臨時増刊号が届いた。
アンケートは2020年3月から6月にかけて、層化無作為抽出法で日弁連会員名簿から抽出された、標本数12000に対して郵送で行われ、有効回答数が2192人(回収率18.3%)なのだそうだ。
そもそも全会員に向けたアンケートでもなく、回収率も2割以下なので、どこまで実態を反映しているのかは明確ではないが、なかなか面白そうな内容がありそうなので、私自身も読みながら紹介していこうと思う。
1.弁護士業務に従事していない弁護士が7.8%も存在する。
2019年に弁護士活動に従事していたかどうかについてのアンケートでは、弁護士業務に全く(もしくは殆ど従事していなかった)と回答した弁護士が、7.8%を占めている。
およそ12人に1人の弁護士が、弁護士業務をやっていないということだ。
☆弁護士業務に従事しなかった者の弁護士経験年数
・5年未満 10.5%
・5年~10年未満 27.5%
・10年~15年未満 10.5%
・15~20年未満 6.4%
・20~25年未満 9.9%
・25~30年未満 0.6%
・30~35年未満 4.1%
・35~40年未満 1.8%
・40年以上 28.7%
※高齢者と若手に集中していることが分かる。
☆弁護士業務をやらなかった理由については以下のとおり(複数回答)。
・年齢上の理由 37.4%
・弁護士以外の事業や経済的活動に専念するため 24.6%
・健康上の理由 22.2%
・弁護士として活動しても依頼が少ないため 18.7%
・家事、育児、介護に専念するため 15.2%
・弁護士の仕事に情熱をもてないため 9.4%
・公職に就いているため 7.6%
・学業、研究に専念するため 4.1%
・その他 22.2%
・特に理由はない 1.2%
※弁護士業務をやらなかった人の内、およそ5人に1人が弁護士として活動しても依頼が少ない(生活できるだけの収益が上げられないという意味だと思われる)と答えている点が昨今の弁護士激増による問題点を示しているように思われる。
(続く)