今年も1年間有り難うございました。

 ウィン綜合法律事務所は、年内は本日が最終業務日であり、明日から冬休みを頂きます。

 2021年も、新型コロナウイルスの流行はおさまらず、様々な出来事がありましたが、当事務所では弁護士・事務員を含め、なんとか無事に過ごすことができました。

 これもひとえに、当事務所を支え、応援して下さった皆様のおかげであり、弁護士・事務員一同、深く感謝しております。

 新年は、1月4日までお休みを頂き、1月5日より通常業務を開始致します。

 

 今年1年間の皆様の御厚情に感謝致しますとともに、皆様が良き新年をお迎え下さることを祈念致し年末のご挨拶とさせて頂きます。

 

 

(小雪の舞うブダペストの大晦日)

新人弁護士(の多く)は、大阪弁護士会をなめるな

 先日の常議員会から、新規登録弁護士研修について増加する未履修者に対して、どのような対策を取るかべきかが討議されている。

 大阪弁護士会の新規登録弁護士研修は、下記の通り会則で新規登録弁護士に対し、1年以内に履修する義務が課されている研修である。

(研修履修義務)
第十一条 弁護士である会員は、継続して研修を履修しなければならない。
2 本会に入会した弁護士である会員で、入会前に通算一年以上の弁護士経験を有しない者は、前項に定める研修のほか、新規登録弁護士研修を履修しなければならない。
(中略)
5 弁護士である会員と同一の法律事務所で執務する弁護士である会員及び弁護士である会員を雇用し、又は社員とする弁護士法人である会員は、第一項及び第二項の規定による研修を履修するよう指導し、協力しなければならない。

 このように、新規登録弁護士研修の履修は、大阪弁護士会の会則で定められた新規登録弁護士が果たすべき義務である。
 そして、下記の通り、会則違反については、懲戒事由にもなりうるものである。

(懲戒委員会)
第七十七条 懲戒委員会は、会員が、法又は連合会若しくは本会の会則、会規若しくは規則に違反し、本会の秩序又は信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行のあった場合において、本会の請求により、会員の懲戒に関し、必要な審査をする。

 さらにいえば、大阪弁護士会に入会する際に、入会申込者はもれなく誓約書を提出するが、その誓約書には
「私は、弁護士法、日本弁護士連合会及び大阪弁護士会の会則その他諸規定を遵守し、弁護士の社会的使命を自覚して誠実に職務を遂行することを誓約いたします。」
 と不動文字で明記され、署名押印する書式になっている。

 つまり、新規登録弁護士研修は、大阪弁護士会の会則で定められた義務であり、大阪弁護士会に入会する者は、その義務を私は必ず果たしますと誓約書を提出して、自ら誓約した上で、大阪弁護士会に入会しているのである。

 以前の常議員会で、近時は新規登録弁護士研修に未履修者が多くなっていると聞かされており、多くても2~3割くらいの未履修率かなぁ・・・と呑気なことを考えていた私であったが、配布された未履修者数一覧の資料を見ると、驚愕の数字が並んでいた。

 最近5年の新規登録弁護士の未履修者割合は、
 69期 48.9%
 70期 56.1%
 71期 73.7%
 72期 78.8%
 73期 92.8%

 

 繰り返すが、これは未履修者の割合である。
 会則を守っていない新人弁護士の割合である。

 73期に関しては、一斉登録から遅れて登録した人もいるだろうから、もう少し減る可能性もあるが、多くの者は登録後1年以上経過しているから、本来新規登録弁護士研修を終えていなくてはならないはずなのだ。

 この数字は、もはや、多くの新人弁護士が、会則で定められ、かつ、自ら守ると誓約した義務すら果たさなくても平気だ、と考えていると評価されても仕方がないだろう。
 裏を返せば、大阪弁護士会は、多くの未履修新規登録弁護士達に完全になめられきっていると言っても過言ではないのかもしれない。

 新規登録弁護士研修といえども、講師は一流の実務家だ。受講する価値は十分にある研修であると思う。
 それに、自ら誓約した義務を果たさない(しかも会則違反の)行動は、場合によれば、「秩序または信用を害する行動」、「品位を害する行動」であると評価されるリスクもある。
 弁護士会に懲戒の端緒を与えるような行動は、今後の弁護士活動に際しても非常に危険だ。合わせ技一本で懲戒される可能性もゼロとはいえないのだ。

 なにより、会則を守ると誓約のうえで入会申込をして、大阪弁護士会に入ったのではなかったのか。

 新規登録弁護士研修未履修の方は、大阪弁護士会が、今は黙っているからといって、舐めてはいけない。

一枚の写真から~54

中国の猫カフェ「八尾猫」

2017年5月に中国山東省済南市で、山東政法学院・山東省法学会が主催した、日中韓FTAシンポジウムに発表者として参加した際、シンポジウム終了後に観光した大明湖公園で。

あれから4年半。

猫たちは、ちゃんと暮らせているだろうか・・・。

新規登録弁護士研修

 大阪弁護士会には、平成12年度に設けられた新規登録弁護士研修制度があり、平成12年度以降に大阪弁護士会に新規登録する弁護士は、その研修を受講する義務を負っている。

 そもそも、新規登録弁護士研修制度は、実務家としての弁護士が最低限必要とする基本的知識及び能力を具備させることを目的として、大阪弁護士会会則で受講義務が定められているものだ。

したがって、この研修を履修していない会員は会規違反を続けていることになる。

 ところが令和2年1月時点で、上記の新規登録弁護士研修制度の未履修者は1039名で、履修を完了しなければならない者のうち、なんと38.2%が未履修者になっている。

 要するに、大阪弁護士会に所属している弁護士で、新規登録弁護士研修を受講しなければならないはずの者のうち約4割弱が会規を無視しているということになる。法律家として情けない数字と言わざるを得ない。

 資料によれば、特に未履修者の割合が高いのは60期代後半の弁護士となっているそうだ。

 未履修者からすれば、面倒くさいかもしれないし、既に知っていることだとタカをくくっているのかもしれないが、研修を受けてみれば何か一つくらいは役立つノウハウは見つかるものだ。

 むしろ、新人弁護士の状態では知っていることの方が、たかが知れているものなのだ。

 法律家なんだから、自分の所属している弁護士会の研修規則くらい守ろうよ。

 

 新人弁護士の頃から会規をナメているようでは、遵法精神に甘さがあるという可能性もあるし、将来さらに身勝手になって問題を起こしてしまう危険性も高いと思われちゃうぞ。

 

一枚の写真から~53

晩秋の阿蘇

ひんやりとした空気の中、尾花の平原が続いていた。

尾花たちが秋風になびいてこすれる音を聞きながら、ずいぶん前からこうだったし、おそらく、これからもずっと、秋になればこのような光景が続くのだろうと、ボンヤリ考えていた記憶がある。

投資詐欺の相談

 これまで何件か、投資詐欺に引っかかってしまった方の相談に応じたことがある。

 最初に申し上げておくが、投資詐欺であることが発覚した後、投資金額を回収できることは希であると思った方が良い。投資詐欺であることが早めに発覚した場合には、まだ回収可能性がある方だ(私も回収できた経験はある)が、通常は相当困難である。

 まず相手の居場所が分からないことが多いし、仮に分かって民事裁判を提起して、勝訴判決を得ても、相手がすっからかんであれば、強制執行しても結局回収できない。投資詐欺が判明する頃には、詐欺犯も資金繰りに行き詰まっていることが多いから、なおさら回収は困難を極めるのである。

 したがって、投資詐欺に引っかからないことがまず大事なのだ。

 元本保証、年間投資金額の10%以上のリターンが確実にある等との美味しい話を言葉巧みに告げられ、大丈夫と思って投資したつもりが、詐欺だったりするのだ。投資先は不動産だったり、聞いたこともないような名前の暗号資産が公開前だから安く手に入る、公開されれば数十倍になるとの話だったりする。

 さらには、友人から毎月の配当金が支払われるからと強く誘われて、少額を投資したところ、確かに1~2度配当金が支払われたので、信用できると思ってさらに高額の投資を行い、大損してしまった例もある。もちろん友人との仲もそれで終わったそうだ。

 冷静になって考えて頂ければお分かりのとおり、元本保証で年間10%以上のリターンのある投資案件がもしあるのなら、投資の募集をしている会社や人が、金融機関から安い金利でお金を借りて投資すれば良いだけの話しなのである。

 現時点での日本政策金融公庫中小企業への貸付金利は、貸付期間5年以内で1.06%~0.30%なのだから、本当に元本保証で投資金額の10%以上のリターンがあるのなら、日本政策金融公庫から借りて投資しても、元本が保証された上で、約9%以上のリターンが安全に手に入ることになる。

 敢えて、てまひまかけて他人から投資を募る必要などないのである。

 だから、まず元本保証で高利率の投資話(10%以上の高配当は嘘くさいので、3~5%の場合もある)があったら、99.99%は詐欺だと思った方が良い。

 しかし、友人が、自分も儲けたので、あなたにだけ秘密に教えるからなどと言われた際には、心が大きく動くこともあるだろう。
 そして、心が動いているときに、難しい内容の契約書を見せられて説明されると、なんだか良く分からないけど難しそうな内容だから大丈夫なんじゃないかと自分を鼓舞して契約してしまった人もいたりする。

 
 そのような契約を求められた場合、契約書を受け取っても、「これは大事なことだから良く考えてから契約するかを決めます」などと言って、まず即断しないこと、これが一番である。

 次に、契約書を弁護士に見てもらう事である。

 私がこれまで見てきた投資詐欺の案件では、7割以上の案件において、契約書に不備な点や妙な記載があったりした。おそらくインターネットなどで流れている契約書のひな形を流用しながら作成されたものだと思われるが、詐欺犯にも法律知識に乏しい者もいて、そのような変な記載内容になっていたものと思われる。

 契約書の記載を、この記載はこういう意味ですからと説明し、おかしな点を指摘すると、「そういう意味だったんですか!確かにおかしいですね!」と納得される方もそこそこいた。

 さらに言えば、不特定多数の者に対して、元本保証を謳って出資を募っているのであれば出資法違反の可能性もあり、違反者には懲役までありうるのだ。

 仮に契約書に妙な点がなくても、ものの道理の分かった弁護士なら、そのような投資話がほぼ100%詐欺であるからやめるよう忠告してくれるはずだ。

 弁護士への法律相談では大体30分5000円くらい(税別)かかるが、その後で、何百万~何千万も損してしまう危険を避けることを思えば、安い費用である。

 仮に、投資詐欺にかかったかもしれないと思ったら、とにかく早く弁護士に相談することだ。
 前述したとおり、主犯者の資金繰りが悪くなってから投資詐欺が発覚する場合が多く、その場合は被害者も多数生じている上、詐欺犯の手持ち資金も尽きかけているから、相談が遅れれば遅れるだけ、投資金の回収可能性は減っていくと考えた方が良いからだ。

一枚の写真から~52

NZ南島 テ・アナウからクイーンズタウンへ向かう道

前日の夜に少し雨が降ったことから、輝く道ができていた。

ある角度だけからしか輝いているように見えない道なので気付いた人はどれだけいただろうか。

一枚の写真から~51

NZ南島にて。

NZ南島は交通量も少なく、大都市近郊を除き、快適に走れる。英国圏だから右ハンドル、左側通行でもあり、違和感なくレンタカーで走れるのだ。

街中は40~50キロ/h制限だが、街を抜ければほぼ100キロ/h制限だった記憶がある。

つまり、一般道路を高速道路並みのスピードで走れてしまうのだ。

和歌山県という直線道路の少ない土地に育った身としては、このような直線道路に、どうしても、こころ惹かれてしまうのだった。

一枚の写真から~50

ワナカ湖畔の紅葉

湖面に生えている木は、私の大好きな写真家のマイケル・ケンナが、2013年に習作として撮影した被写体と思われる。

おそらく、2015年のマイケル・ケンナ作品のカレンダーにも使用されている被写体と思われ、インターネットで検索すれば、彼の凄まじい実力が感じられる作品が見られるのではないだろうか。