フェリーの旅

 高2の秋、修学旅行で東京から帰るときにフェリーに初めて乗った。当時は、東京港から紀伊勝浦の宇久井港までフェリーが運航されていたのだ。

 その路線は既に廃止となって久しいが、大学時代に日本海航路を利用して北海道にバイクツーリングに出かけた経験もあるせいか、私は今でもときどきフェリーを旅の手段として使う。

 乗船手続きから、普段と違う世界が感じられて楽しいし、船内の食事も楽しみだ。もちろんお金が無かった学生時代はカップ麺を買い込んでお湯だけもらって凌いでいたが、それはそれで楽しかった。

 フェリーの仲で知り合った、トラックの運ちゃん達に誘われて、麻雀大会になってしまったこともあった。幸い、大きく負けることもなく、旅の資金を失うことは避けられたように記憶している。

 バイクや自動車をそのまま運べることも嬉しい。

 私は、主に九州・四国に出かける際にもフェリーを利用するし、海外でもバルト海のシリアラインなどを利用して、ストックホルムからタリンへ移動したこともある。ストックホルムのターミナルでは、どでかいムーミンのぬいぐるみがガラスケースないに飾られていたはずだ。

 確かに時間はかかるが、その分ノンビリ出来るし、少し贅沢して良い個室を取れば、ちょっとしたホテル並みの装備がついている場合もある。ホテル並みの部屋で寝ているうちに、自動車と一緒に目的地まで運んでもらえるので、かなり重宝する。

 豪華客船でのクルージングは、富裕層向けの娯楽であって、旅という感じがしないのではないかと勝手に想像しているが、フェリーでの船旅は富裕層でなくったって十分楽しめる。

 もっと評価されて良いのではないかと何時も思うのだが。

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