(続き)
ホテルから地元有力弁護士のいそ弁さんが運転するレンジローバーで、迎賓館見学。その後、かつての総督府?のようなところや検察庁を外から見学。
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(迎賓館)
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(青島市市南区人民検察院)
郵便博物館ではY弁護士が封筒を100元で買っていた。わざわざ博物館の人を呼んでショーケースの中の物と同じものを所望している様子。もちろん消印が押されて、使えもしない切手と封筒なんだけれど。
X教授とS弁護士はその価値が理解できなかった。Y弁護士によれば「貼ってあるパンダとコアラの切手のデザインが可愛くて、お母さんへのおみやげにいい」、とのことで、少しだけは納得ができた。
それから海沿いの道へ案内されたが、ミニストップでX教授が味付けピーナッツ、Y弁護士が10元のスイーツを買う。Y弁護士はかなりご満悦のご様子。ただ、かなり歩いているので、だんだん疲れてきてはいる。
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(海沿いの道から)
その次は、監獄博物館、司法資料館を見学。X教授がかつて中国で、731部隊の博物館で怪しげな展示を見せられた上に、反省の気分に陥りそうになっているところに、その気分に乗じて偽物を売りつけられそうになった際のお話を聞く。あまり話さないけれど、X教授には秘められた武勇伝は結構ありそうだ。
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(監獄博物館)
気温はそう高くないようだけど、日向を歩くとかなり暑い。湿度がそう高くないのか日陰は涼しいが、歩き続けていると疲れとともに暑さがこたえてくる。
海沿いを歩いていると、原潜が係留されているとのこと。しかも、海軍博物館にいけば、その原潜に乗れるのだそうだ。
何を隠そう、S弁護士は潜水艦が好きである。古くはヴェルヌの小説「海底2万里」、小さい頃に父親と見た映画「眼下の敵」では、ドイツ軍Uボートとアメリカ駆逐艦の死闘に胸を躍らせ、トム・クランシーの「レッドオクトーバーを追え」、福井晴敏の「終戦のローレライ」などの潜水艦小説を読み、かわぐちかいじの漫画「沈黙の艦隊」を全巻大人買いした経歴からすれば、原潜に乗れるなんてテンション上がることこの上ない。「うわー、いいなあ」といっていたら、Gさんが聞いてくれていたらしく、そこに連れて行ってくれる様子。途中で、車を呼んでくれる。
海軍博物館の入り口は以外に遠く、乗せてもらって大正解だった。海軍博物館のくせに、飛行機・戦車も野外展示されていて、人民軍博物館という方が正確だろうと思う。T34中戦車が3台展示されていた。
小学生の頃、お小遣いを少しずつ貯めて、タミヤ模型の戦車プラモデル(1/35でリモコン操作のできるやつ)を、幾つか作った経験のあるS弁護士としては、たまらない。本当はドイツ軍のティーガーⅠ重戦車が大好きなのだが、それと互角に渡り合ったT34中戦車(ソ連製)だと思うと、感慨ひとしお。年がいもなく、砲塔によじ登って写真を撮ってもらう。
軍艦の係留展示は、駆逐艦など4隻。そのうち2隻と原潜には乗れるが、原潜に乗るには別に100元が必要とのこと。Y弁護士のようにパンダとコアラの切手を貼った封筒に100元払う価値はわからないが、退役したとはいえ本物の原潜に乗れるなんて、こんな機会、多分死ぬまでない。100元の価値は十分ある。しかし、ほかの3人は、待っているとのこと。ああ、もったいない。。。
100元で申し込むと、窓口の姉ちゃんが英語の説明はないよ、という英語の説明をした上で、ギフト、といって青い帽子と白手袋をくれた。おお、なんか盛り上がるな。気分はすでにサブマリナーやん。そのまま入ろうとしたがゲートのところで押し戻された。5時からだということのよう。案内がつくらしい。
チケットには、おそらく原潜の名前だろう、長征一号と記載してある。 あとで調べてみたところ、長征一号はNATOのコードネームで漢級の攻撃型原潜であった。
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(繋留展示されている漢級攻撃型原潜「長征一号」)
駆逐艦などをおざなりにみて、5時前に入り口に集合。どうやら荷物をロッカーに預けるらしい。パスポートだけあわてて取り出してポケットにつっこみ、見よう見まねで荷物をロッカーに入れる。横目で他人の行動を観察すると、赤いボタンを押すと空いているロッカーのドアが開き、荷物を入れて閉めると、紙がでてくる方式らしい。暗証番号を入れるそぶりもなかったし、中国語なんて読んでもわからないし、不安いっぱいだったが、「万一出せなかったらGさんに頼めばいいだろう、原潜体験はそれに勝る!」と自分を鼓舞してボタンをおし、荷物とカメラを放り込んで閉じる。予想通り紙片がでてきた。バーコード付きだから、多分これをかざせば開くんだろう。そう信じよう。
原潜に関する中国語の説明はわかるわけがないが、案内の人は説明をだらだらしながらゆっくり歩く。原潜まで5分くらいかかってようやく到着。
原潜にはいるハッチはとても狭く、両手でハッチのバーをつかんでよいしょっと体をいれ込んでいく感じ。中はとても狭い。
アメリカ映画で敵潜水艦に遭遇したときに、警報に反応して兵士が潜水艦内を走り回ってた場面があったが、少なくともこの原潜では、無理。
猫並に障害物を避ける能力があるなら別だが、警報に反応して走り回ったりしたら、顔面骨折、歯の折損、体中の打撲を負って、戦闘前に戦闘不能になるのが落ちだろう。
最初は魚雷装填区、次は居住区、厨房、発電区など様々な箇所をみてまわったはずだが、説明がわからなかったせいもあり、艦橋部分がよくわからなかったのが残念。
かなり満足して戻ってくると、X教授が「Sさんが、こんなにミリオタなんて知りませんでした。一番テンション高かったんじゃないですか?」と仰る。
う~んそう見えたのかな。しかし、S弁護士としては自分がミリオタという自覚は全くない。小学生の頃、戦艦や戦車のプラモデル作りが流行っていたので、自然とある程度の戦艦・戦車についての知識がついただけだったのだ。決して普通のミリオタさんのように詳しい知識があるわけではないのである。
確かに小学生ながら、子供向けの「大和と武蔵」という本の他、豊田穣の「撃墜」・「撃沈」や、伊藤正徳の「連合艦隊の栄光」、吉村昭の「戦艦武蔵」・「零式戦闘機」等の文庫本を読みあさってはいたが、その頃は、どこの小学生も同じように興味があるものだと思っていた。
海軍博物館を出たあとは、時間が押しているということで、そのまま宴会会場に向かうことになる。
(続く)