ちょっとしたクイズ

平成に入ってもはや、25年以上が経過した。

そこでクイズである。

平成元年~25年の間で、全裁判所が受理した

①民事・行政事件数、

②刑事事件(被告人の)数、

③家事事件数、

④少年事件(少年の)数、

が最も多い年と少ない年はいつか?

司法制度改革が、今後の法的紛争が増加すると見込んでいたのだから、近時の事件数の方が多いんじゃないか、少年の凶悪犯を良く聞くような気がするから、多いのは最近じゃないの、等様々な御意見があると思う。

正解は最高裁事務総局がまとめた裁判所データブックから明らかだ。

①については平成15年が最多(約352万件)、平成25年が最少(約152万件)

②については、平成元年が最多(約171万人)、平成25年が最少(約105万人)

③については、平成25年が最多(約91万件)、平成2年が最少(約34万件)

④については、平成元年が最多(約51万人)、平成25年が最少(約12万人)

①~④の合計では、平成15年が最多(約610万件)、平成25年が最少(約360万件)

となる。ちなみに①~④の合計が裁判所データブックで最多であるのは、昭和40年の約785万件である。おそらく道交法違反の反則切符制度(昭和43年創設)がなかったので刑事・少年事件が多かったのではないかと思われる。

次いで多いのは昭和60年の約668万件である。過払いバブルのような特殊案件がなかったと思われる時代に、①民事・行政事件で約255万件だ。

つまり、昨年全裁判所が受理した民事・行政事件は平成15年の43%(57%減)、昭和60年と比較してもわずか59.8%(40.2%減)しかなかったのだ。昭和60年頃に弁護士不足で社会的な問題が生じたという記憶は、少なくとも私にはないから、当時の弁護士人数約13000人で十分だったのだろう。今では弁護士数は35000人以上だ。

司法制度改革委員会は、一体何を根拠に法曹需要の予測を立てたんだろうね。

そして間違った予測に基づいて、税金を食いつぶす法科大学院制度を創って国民の皆様に損害を与え、法曹界志望者から多くの優秀な人材を失わせ、さらに弁護士の職業としての魅力を失わせたため法学部志望者も激減している。

最後は、質の落ちた弁護士があふれ、弁護士の質を見抜けずに事件を依頼せざるをえない国民の皆様にツケは回る。そりゃそうでしょ。25000人が競争して上位500名が合格していたのが、10000人が競争して2000人が合格になるんだから(しかも三振制があった)。上位の方はともかく、全体としての質の低下はどうしたって避けられない。

ホント、責任は誰が取ってくれるんだろうね。

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