法曹養成制度改革顧問会議の第11回議事録が公開されている。
今回の目玉は、法科大学院を卒業して活躍している弁護士からのヒアリングだ。法科大学院卒業して弁護士になられ、実務界で活躍されているお二方が、法科大学院の素晴らしさを語っておられる。
私から見れば、法科大学院制度維持のための完全な茶番としか思えない。
もちろん私は、今回ヒアリングの対象とされたお二方は極めて優秀な素晴らしい方であると思うし、お二方が法科大学院を評価していること自体を否定する意図は全くない。
しかし、法曹志願者の激減の大きな要因が現行の法科大学院制度にあることは明らかである以上、法科大学院制度自体の問題点を検討し改革しなければならないのが、法曹養成制度改革顧問会議の役割のはずだ。
そうだとすれば、法科大学院の問題点を明らかにすべく、厳格な卒業認定をパスして法科大学院を卒業していながら、司法試験に合格できなかった方々をヒアリングの対象とすべきはずだろう。
例えば、ある工場で一定の割合で不良品が出てしまう場合、不良品が出てしまう原因を徹底的に調査し改善するのが、当たり前だし、あるべき姿のはずだ。その工場で生産された優良品だけを再度検査して、やはり優良な製品を生み出しているからこの工場は素晴らしいという結論を出すのは、どう考えたっておかしいだろう。
さらに言えば、私の出身高校は私が在籍していた当時、私が共通一次試験で選択した地学の授業はなかったし、日本史などは江戸中期で終わってしまう授業だった。私は予備校の夏季講座を利用して独学で地学・日本史を勉強し、満点こそ逃したが幸いにもほぼ満点に近い得点を両科目で得ることができた。
この場合、私の共通一次の成績だけをみて、私の高校が地学と日本史の立派な講義をしていたと判断してよいものだろうか。むしろ学校の授業を信じ、必死に学校の授業の予習復習をしていながらも大学に合格できなかった生徒の話を聞き、学校の問題点を探らなければならないのではないだろうか。
こんな当たり前のことが、私よりも遥かに頭の良いはずの有識者の方々にわからないはずがない。そうだとすれば、今回のヒアリングも意図的にやっていると考えるしかないだろう。
だから私は茶番ではないのかと思うのだ。
そんな茶番に税金が投入されているのだとすれば、ふつう、国民の皆様は怒るだろう。
法曹養成制度改革顧問会議では、これに加えて、税金を投入して法科大学院の魅力を広報する方法を考えているようだが、ここまでくると、もう、一体何をやっているのか私にはさっぱりわからない。
誰か教えて下さい。