明日、司法試験合格発表

明日の午後4時に今年の司法試験合格者が発表される。

司法試験合格者激増のため、昨年は、弁護士会の一括登録時において、司法試験に合格し司法修習を終了した弁護士志望者の約2割にあたる400名ほどが弁護士登録できない事態になっていた。
また、司法試験の採点雑感では、採点者から、優秀・良好・一応の水準・不良の採点基準で、「一応の水準」でも合格させているとの指摘があるほど全体としてのレベルダウンが指摘されている(法務省HPで平成23年の採点実感等に関する意見参照)。

総務省が合格者数目標数値(3000人)の見直しを勧告し、政府が司法試験合格者数目標数値を2000人に引き下げる方針であると報道された今年は、どれだけ合格させるのか興味深い。

それでも、私は、今年の合格者数は2000人弱くらいと予想する。

これまで3000人目標で合格者2000人前後(目標の約67%)だったことからすれば、2000人目標だとすれば、1350名前後でもおかしくはない。
しかし、そこまで合格者を絞れば、法科大学院・文科省が自らの教育の問題を棚上げにしてでも黙っていないだろうし、法務省にも、「だって合格させられるレベルにないんですから・・・」と断言する勇気はないだろう。

本来、一応の水準の答案しか書けないのに、司法試験に合格してしまうのはおかしい。しかし、政府の合格者目標数値があるから、法務省としては、仕方なく合格させている実態があるのだと推測する。

だが、私は実感として思うのだ。私は、受験開始3年目で2000番台には、入っていたはずだ。そこから合格するまで、丙案(若手優遇策)の犠牲者になったこともあり、7年かかった。合格してから振り返ると、2000番台の実力なんて、到底弁護士になるための基礎の基礎すら出来ていないレベルだった。

現在では法曹志願者が激減しており、実質競争率は下がる一方だ。このまま2000人程度の合格者を継続して、本当に法曹界は大丈夫なのか。競争による淘汰が出来ると主張する人もいるが、仮に淘汰が出来るとしても、淘汰はいつまでたっても終わらない。毎年大量に新人弁護士が生み出されてくるからだ。

法律事務所が新人弁護士採用の際に、司法試験の成績表を提出させることが多くなっているのも、司法試験合格が合格者の実力(法曹の最低限度の実力)を保証しなくなっていることの裏返しではないか。

いずれにしても、明日の合格者発表は注目だ。

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