真夏の怪談~その2

前回のブログでも相当ひどい債務整理系弁護士法人の実態の一部をご紹介したが、知人の弁護士の方から更にひどい事案があることを教えて頂いた。伝聞なので、若干事実と異なる部分があるのかもしれないが、大体次のようなお話だった。

1000万円ほどの、会社の過払い金請求事案で、TVCMをバンバン流している(いた?)東京の某債務整理系弁護士法人との訴訟のお話だ。

金融機関側は、既に取引履歴を全て開示していたため、何時いくら金融機関が貸付を行い、会社が何時いくら返済したか明らかになっていた。そのうえで、1000万円ほどの過払い金が生じていることが明白な事案だったそうだ。

ところが、某債務整理系弁護士法人は、保証人が2人いるので、会社の分1000万円、保証人各1000万円の合計3000万円を訴訟で請求してきたのだそうだ。その理屈は、弁済は誰がしたものか分からない、保証人も支払っている可能性があるから過払い金の計算が1000万円なら3000万円を請求できるはずだ、という理解不能な主張だったそうだ。誰が支払っていようが合計1000万円しかない過払い金に対して、3000万円返せという理屈が成り立たないことは、常識的に見ても分かるだろう。

しかし、このような異常な請求を行っても、某債務整理系弁護士法人にはメリットがある。それは、弁護士報酬の一部である着手金を3倍とることが可能になるからだ。
弁護士報酬には、着手金・報酬金との区分があり、着手金は成功・失敗関係なく依頼時に弁護士に支払うお金、報酬は弁護士の仕事の成果に対して支払うお金だ。ボクシングに例えれば、着手金はファイトマネーでリングに立つだけでもらえるお金。報酬金は、勝者に送られる賞金と考えることもできそうだ。
ちなみに、着手金は、請求金額によって定められることが多い。つまり、この某債務整理系弁護士法人は、請求金額で着手金を設定していたのであれば、本来1000万円分の着手金しか取れないところを、保証人2人を巻き込むことによって、着手金を3倍にして受け取ることになるはずだ。

裁判所や相手方弁護士から、この弁護士アホちゃうか?ホンマに法律知ってんのか?と思われても、依頼者に実質的に損失を与えようとも、そんなことはどこ吹く風。自由競争なんだから、儲けた者勝ちの世の中なんだから、儲けをとる俺たちの何が悪い、という姿勢だろう。
上記の主張は法的に見て、限りなく認められる余地はないと思われる主張だが、絶対に無理とはいえない(私は無理と思うが)。その主張が認められる可能性がゼロかというと、ゼロとは誰も断言できない。
だから、その某弁護士法人が、「提訴すれば認められる可能性があります。だから3000万円で提訴しましょう。」と勧めたりすることは、不当ではあるが違法とまでは言い切れない可能性がある。もともと素人である依頼者が1000万円の過払い金に対して3000万円で請求してくれと依頼するはずもないだろう。そうであれば、某弁護士法人がその訴訟を勧めた可能性は相当に高いと思われる。

もちろん、大々的にTVCMを流す経費は、依頼者の支払う弁護士費用に上乗せして回収する。損するためにTVCMを流しているわけではないからだ。

これぞ自由競争、儲けた者勝ちの世界だ。

しかし、このような某弁護士法人は自由競争だけでは淘汰されない。
なぜなら、全く同じ案件を別の弁護士に依頼して比較することができない。全く同じ条件で内容まで全く同じ事件というものはまず存在しないからだ。
次に、自由競争は儲けることに長けたものが生き残る社会だから、圧倒的な宣伝力で顧客をかき集め、儲かる案件だけ食い物にすることは、某弁護士法人くらい大きくなればできてしまうのだ。
むしろ、良心的にやっている弁護士の方が自由競争下では淘汰される可能性は高いだろう。

社会にとって、弁護士は劇薬のようなものだ。上手に使えば劇的に効果を発揮するが、使い方を間違えれば本人に大きなキズを負わせかねない。弁護士資格を濫発して自由競争せよという発想は、「どんな劇薬でも効果がありそうなら認可して販売すればいい。自己責任で選ばせておけば、そのうち駄目な薬は淘汰されてなくなるだろう。」、という発想に近い。私はその発想は極めて危険だと思う。

司法書士さんの債務整理にも相当問題があるとの話も、弁護士以上によく耳にはさむ。
これでは、過払い金請求を依頼した司法書士・弁護士の仕事が正しかったのか、チェックする仕事(弁護士・司法書士バスターズ?)が必要になってくるかもしれない。

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