日弁連法曹人口政策会議終了~その3

ちょっと横道にそれるが、ツイッターで、京都の谷口直大先生が述べておられるように、そもそも、本来であれば、1000人・1500人という数字で、司法試験という、資格試験の合格者を決めることはおかしいという主張には一理ある。資格試験であるならば、法曹として必要な学識及びその応用能力があれば合格させても良いではないかということだ。

ただし、法曹=裁判官・検察官・弁護士なのであり、そのうち弁護士だけ質が低くても良いという話はないのだから、合格させて1年間司法修習を施せば、(OJTを行いながらということに普通はなるのだろうが、)「判事補としてすぐに採用できる能力=検察官としてすぐに採用できるだけの能力=弁護士として即独できるだけの能力」という能力が、司法試験合格者に求められる能力のはずだ。また、司法修習の後、2回試験(司法研修所の卒業試験)に合格させるのであれば、合格した全員が「判事補としてすぐに採用できる能力=検察官としてすぐに採用できるだけの能力=弁護士として即独できるだけの能力」を身につけていると、最高裁判所(司法研修所)がお墨付きを与えたことになる。したがって、この実力を持っている受験者であれば、司法試験も2回試験も、本来全員合格させるべきなのだし、極論を言えば誰一人その実力がなければ全員不合格でもおかしくない。

すなわち、司法試験・2回試験に合格させる以上、どの順位で合格しようが、裁判官、検察官に任命されてもおかしくないはずだ。ところが、聞くところによると、成績がかなり上位の者でないと裁判官、検察官に任命されるのは困難なのだそうだ。これは、最高裁判所、法務省(検察庁)が、本音の部分でいえば、今の司法試験合格者の相当上位のレベルの者しか、法曹として使い物にならないと評価していることの裏返しといえないか。

私自身、旧司法試験論文式で1000番以内のA評価で何度か落とされた経験があるが、やはりその時点での実力は実務家としては、まだまだ不足だったように思う(今でも十分とは言えないと思っている)。2000番の成績を取っている頃など、今から、思えば恐ろしくて実務家なんかになっては困るレベルであったのは間違いない。

一度、司法試験合格者のうち、どれくらいの成績の者が、裁判官、検察官に任命されているのか明確に示して検証する必要があるようにも思う。

 さて、1000人という数字を巡る本格的な議論は午後に行われた。20近くの単位会が合格者1000人にという考えを示しているのに、それを無視して良いのか、むしろ日弁連が一体として活動するには、1000~1500人に削減すると明記するか、1500人は触らないとしても、少なくとも、今後の検証を行う前の段階に、合格者を1000人にすべきという単位会が相当数あるという事実を明記すべきではないか、との折衷的意見も出された。

 これまで、黙っていることの多かった激増賛成派の人たちもこぞって、1000人という数字を入れることに反対意見を表明しだした。いつもはしゃべらない人でも、今回は発言する人がいたように思う。某先生などは、宇都宮会長の意向はどうなんだ、と答えようもない質問を繰り返し行っていた(この質問に対し、1000名といえば、1500名で回答した単位会を無視することになるし、1500名といえば1000名以下と回答した単位会を無視することになりかねない。どっちに転んでも、単位会の意見を無視するのかという追撃が可能な質問である。そもそも、法曹人口政策会議でとりまとめた最終意見を宇都宮執行部に提案し、その提案を宇都宮執行部が尊重するということが前提なのだから、宇都宮執行部への提案の前段階で宇都宮会長の意向を述べろという方が無理なのだ。)

(続く)

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