映画「キック・アス」

 特殊能力ゼロ・モテ度ゼロ・体力微妙、あるのは正義の心だけ。

 そんな普通の少年が、通販で購入した覆面つきのウエットスーツを着用して、街にはびこる悪を退治に乗り出した。気持ちだけは無敵のヒーロー、その名は「キック・アス」。

 ところが・・・・・・。

 当事務所の久保弁護士から、「面白いですよ」と勧められて、先週末、見てきました。映画を公開している劇場が少ないため、見るには多少手間がかかるかもしれません。私も、上映30分前に劇場に行ったのですが、立ち見席しかないといわれ、次の上映にせざるを得ませんでした。

 しかし、それだけの価値はある映画かもしれません。

 暴力シーン等に過激な部分があるため、確か、R-15指定にされていたはずですが、私としては、中高生に見てもらっても良いのではないかと思いました。

 おそらく、ハリーポッターが大ヒットした際に、どうして自分のところにホグワーツから手紙が来ないんだ、自分ならハリー以上にやれるし、やってみせるのに、と多くの子供が思ったでしょう。しかし、いつまでたってもホグワーツからは手紙は来ません。多くの子供がそう願いつつも小説や映画の世界は実現できる世界ではありません。子供達も次第に現実を受け入れていきます。

 スーパーヒーローの世界も同じです。

 正義の心だけでは、現実社会は乗り切れません。現実の悪は退治できません。
 正義の心だけでは乗り切れない、辛く切ない現実社会ではあるけれど、一生懸命勇気を出して進んでいれば、本物にも通じる何かが宿るかもしれない、ひょっとすれば本物に近づけるかもしれない。
 現実にはあり得ないお話ですが、そんな気にちょっとだけさせてくれる作品です。

 作品を見て頂ければお分かりになりますが、闇雲に棒を振り回すだけの「キック・アス」より、遥かに素晴らしいアクションシーンを演じている「ヒット・ガール」(きっと人気が出るでしょう)の方がむしろ主人公なのでは、と言えなくもありません。しかし、作品の最後の方でやはり主人公は「キックアス」で良いのだと納得される方が多いでしょう。

 見ることができなかった方のために、DVDの発売も予定されているそうです。
 

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