「神様のパズル」 機本伸司著

 宇宙は無から生まれた。

 それが正しいとするなら、人間にも宇宙が作れるのではないか。だって、無なんて、どこにでもあるんじゃないのだろうか。

 突拍子もない聴講生の言葉から、落ちこぼれの理学部学生の僕と、人工授精で誕生した天才美少女科学者とがディベートでチームを組むことに。

 天才美少女は、できる、というのだが・・・・・。

 第3回小松左京賞を一瞬で確定させたと噂されるこの本は、映画化もされているそうです。

 内容は、さすがに宇宙開闢の秘密に迫ろうというものでもあるため、相当難解な理論が出てくるのは仕方ありません。しかし、詳しい理論内容については、分からなくても大丈夫。その点はとても上手く、流してあり、理科系の知識がない人でも十分分かる内容になっています。

 あまり内容に深入りした説明をしてしまうと、まだ読まれていない方の興を削ぐかもしれませんので、踏み込みませんが、私の第一印象だけ申しあげますと、「やられた!こんなSFもあったんだ」というものでした。

 私が小さい頃に、疑問に思っていた「オルバースのパラドックス」にも触れられており、私と同じ疑問を抱いていた先人がいたことに、言いようのない感慨も覚えました。

 思っていたよりも軽く読めますので、お正月休みにちょっと、読書方面に気分が向いた方にお勧めします。

ハルキ文庫 680円(税別)

 ※当職の今年のブログは、少し早めですが、本日で終了します。来年は、もう少し読みやすく、また面白いブログを目指します(?)ので、当職と当ブログをよろしくお願い致します。皆様、良きお年をお迎え下さい。

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