弁護士会の運営

 本日、大阪弁護士会の常議員会に出ていたのですが、討議事項として、弁護士会職員さんの機構改革を行う件について、議題が出されました。

 理由は、弁護士会職員さんの残業が相当時間になってきている方もいるそうなので、機構を見直して、効率よくするとのことでした。

 確かに、法曹人口問題PTを担当されていたN川さんのように、きわめて能力の高い職員さんもおられますし、機構見直しで効率よくなるならそれでいいのですが、それにかかる費用が問題です。ざっとみて1000万円です。

 若手弁護士の負担を考え会費の軽減をしている状況で、この負担を会員にお願いするのは、相当強固な理由がいるでしょうし、残業が多いのは委員会がたくさんありすぎることも理由の一つであるように思います。

 委員会についても、同じような業務をいくつかの委員会で行っているような例も散見されるのですから、一度事業仕分けでもして、本当に必要な委員会かどうか明確に判断する必要があるように思います。これはあくまで私の印象ですが、これまで、弁護士会は必要だからという理由さえあれば、費用対効果など全く考えずに、どんどん委員会などを設立してきてしまったのではないでしょうか。

 確かに弁護士が余裕ある生活が十二分にできていた時代であれば、弁護士会費を値上げすれば弁護士会の経費は捻出できました。しかし、弁護士数が3万人を超えた今の時点で一括登録時点において弁護士志望者の10%以上が職に就けていません。若手の苦境もよく報道されるようになっています。

 今すぐ、司法試験合格者を1000人にしても、約5万人にまで弁護士は増加します。そのとき、果たして、月額5~7万円という、べらぼうに高額な弁護士会費を十分支払うことのできる弁護士さんがどれだけいるのでしょうか。

 弁護士会職員の機構を改革することも必要ですが、その前に弁護士会の機構をシンプルにスリムに改革することの方が先のような気もします。どんな企業でも先を見据えて、今を変えていきます。

 どなたか強力なリーダーシップをとって、弁護士会の機構改革をしてくださらないでしょうか。このままでは、基本的人権を擁護するという理想のために、身銭を切って焼け太ってしまった弁護士会の機構を弁護士自身が支えきれなくなる日が早晩やってくるのではないでしょうか。

※記載内容については、全て執筆者の個人的な見解に基づくものであって、当事務所の統一した見解・意見ではありません。

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