今日は、京都では五山の送り火が行われた。
いつもの通勤で通る橋は、歩行者天国となり、大文字の送り火を見る人で通れないため、帰宅するには遠回りするしかなかった。
お盆の頃よく、仏壇に供えられていたキュウリの馬となすびの牛も、こちらに来る際には急いでこれるよう馬を作り、あの世に帰る際にはゆっくり帰るよう牛を形作っていると聞いたことがある。
五山の送り火も、あの世に帰る祖先の霊を、送るためのものだ。8時に大文字が 、10分後には妙・法の文字が、更に5分後に舟形と左大文字、更に5分後には鳥居形が点灯する。
花火が上がるわけでもなく、火がついてしばらく文字が浮かび上がり消えるという、実際見てみると結構地味な風物詩だ。
しかし、手を合わせたくなる何かがある。
祖先への思いなのか、近年なくなった知人への想いなのか、それとも、いずれ自分も彼岸にゆかねばならぬ運命を無意識のうちに感じるせいなのか、それは、まだ分からない。
ただ、京都に住んでいる以上、やはり見ておかなければ、と思ってしまう行事ではある。