日弁連会長選挙の今後

 先日もお伝えしましたが、日弁連の仮報告集計表に依りますと日弁連会長選挙は、

 山本 候補  9525票(獲得単位会9)

 宇都宮候補  8555票(獲得単位会42)

 ということになり、日弁連会則61条の2第1項により、再投票となりました。全国単位の投票率は63.88%で、28,745人中、18,361人が投票し、約10,000人の方が投票されていないのですから、その10,000票を如何に自らの支持に結びつけることができるかが勝負になりそうです。

 但し、山本候補の場合、組織力で圧倒的に勝るものの、現在勝利を収めた単位会9を全て守った上で更に、9以上の単位会で勝利しなくてはなりません。かといって宇都宮候補の逆転も、山本候補の票がおそらく組織で固めた票なので寝返りが期待できないことから、山本候補が今後積み上げる票よりも1,000票以上多く獲得する必要があり、決して楽な途ではありません。

 組織票が期待できる東京三会と大阪の4つの単位会だけで比較すると、山本候補6811票、宇都宮候補3924票です。東京・大阪で約3000票引き離された宇都宮候補が、その他の単位会で2000票もばん回したことになります。

 なぜ、東京三会と大阪で組織票が多く集められるのかというと、日弁連会長をその4つの会から出すことがほぼ慣例になっているからだと、私には思われます。つまり、日弁連会長を狙う方は、各単位会内の各派閥で、必死に雑巾がけをするなどして、派閥内での地位を上げ、かつ、日弁連執行部の意向に添って活動し、その単位会から日弁連会長候補として推してもらう必要があります。逆に言えば、現在の日弁連主流派が日弁連執行部から追い落とされるということは、今まで必死に仕えてきたお殿様が取りつぶしになるようなもので、日弁連会長を夢見て何十年も努力してきた人達の日弁連会長という夢に赤信号がともるということなのです。当然、そのような方々は、必死になってこれまで派閥内で作り上げてきた人脈を駆使し、現執行部を維持したくなるはずです。

 私から見れば、もう黒船が来航して大砲をこっちに向けているのにアホちゃうかと思うのですが、どうもそのように見えて仕方がありません。

 なお、仮に再投票でも、当選者が出ない場合、日弁連会則61条の3により、再選挙になります。

 もし、万一、現在の執行部を中心とする主流派が、なりふり構わず山本候補を勝たせようとするなら、現在被選挙権を失っている高山俊吉弁護士の被選挙権を、何らかの方法で再選挙時に復活させ、宇都宮候補の票を割れさせようとする方法が考えられるかも知れません。私も詳しく調べてはいませんが、再選挙ですから、新たな選挙と解釈する余地があるかも知れないからです。

 しかし、(可能かどうかも分かりませんが)その方法はあまりに露骨かつ嫌らしい手段なので、おそらく上記の方法で山本候補を当選させることはしないでしょうし、もし万一そのような方法をとればそれこそ、日弁連執行部は完全に会員の信頼を失うでしょう。

(続く・・・かも)

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