新規法曹内定率?

 弁護士になるには、司法試験(現行)・新司法試験に合格し、司法修習を受けた後、司法修習生考試(いわゆる2回試験)に合格しなければならない。

 2回試験に合格した者のうち、裁判官になる任官者、検察官になる任検者、そして弁護士になる者、の3者に通常は進路が別れる。最近は弁護士の就職難が叫ばれているが、2回試験に合格していながら裁判官にも検察官にもならず、弁護士登録もしない者の割合が、増加しつつあるそうだ。

 現行60期 

 2回試験受験者1468名 同合格者1397名(合格率95.2%) 

 任官者52名、任検者71名、弁護士登録者1204名(弁護士未登録者70名~合格者中5.0%)

 現行61期

 2回試験受験者642名 同合格者609名 (合格率94.9%)

 任官者24名、任検者20名、弁護士登録者532名(弁護士未登録者33名~合格者中5.4%)

 現行62期(2009.9.3 一括登録時点で計算)

 2回試験受験者数377名、同合格者354名(合格率93.9%)

 任官者7名、任検者11名、弁護士登録者285名(弁護士未登録者51名~合格者中14.4%)

 つまり、2回試験に合格していながら、裁判官にも検察官にも弁護士にもならなかった者が、2回試験合格者7名に1人以上いるということだ。もちろん、学者になったり企業に就職した者もいるはずだから、未登録者全員が職がないというわけではないだろう。

 しかし、法曹(裁判官・検察官・弁護士)を目指して司法試験(現行・新)に取り組み頑張って合格したはずの、司法試験合格者が2回試験に合格した後であっても、なお7名に1人(14.4%)以上、目指したはずの法律家になれていないという数値は、極めて異常ではないか。

 仮に、2回試験合格者中、法曹になれた者の割合を、新規法曹内定率と呼ぶとすれば、最も新しい現行62期の法曹内定率は約85.6%となる。

 一方、報道によると今春卒業した大学生の就職内定率は約95.6%となっていた。

 新規法曹内定率 85.6%

 大卒就職内定率 95.6%

 本当に弁護士を含めた法曹が不足しているの??

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です