新型インフルエンザ

 新型インフルエンザウイルスに対して、タミフルが有効であることは知られている。しかし、デンマークでタミフルに耐性を持った新型インフルエンザウイルスがついに現れたという報告があったらしい。

 ものの本によると、インフルエンザウイルスは体内の細胞に侵入し、そこで増殖して細胞外に放出され、更に別の細胞に侵入して増殖するという過程をたどって爆発的に増殖するようだ。
 そして、タミフルには体内の細胞に侵入しそこで増殖したインフルエンザウイルスが細胞の外に飛び出す際に必要な酵素を作らせないようにして、増殖したインフルエンザウイルスが細胞の外に飛び出すことを防ぐ働きがあるそうだ(ノイラミニダーゼ阻害薬~したがって、ノイラミニダーゼを用いずに増殖するC型インフルエンザにはタミフルは効かない)。

 誤解を恐れずに簡単に言えば、タミフルにより、インフルエンザウイルスが、他の細胞に増殖するのを抑えているうちに、体内の免疫機能の作用が追いついて、侵入してきたインフルエンザウイルスをやっつけるという、いわば時間稼ぎをやってくれる薬のように考えても良さそうだ。

 しかし、そもそも、病原性のウイルスとは一体どういう目的で出現し、増殖するのだろう。増殖して人間の身体の機能に害を与えるが、ひとつとして人間の身体に役立っているわけではないように思う。とにかく人間の身体の細胞にとりついて増殖し、他人に伝播し更に増殖をする。ウイルスの働きだけを見れば、自己増殖以外の何らかの目的があるとは思いにくい。また、ウイルスが下手に増殖しすぎれば人間が死んでしまって、自らも運命を共にしなければならなくなる危険もある。

 「ウイルスよ、一体、何考えてんねん。」というのが私から見た正直な感想だ。

 と、ここまで考えたところで、地球から見た人間の存在が、人間から見たウイルスにちょっと近いことにふと思い至った。

 人間は子孫を残して増殖しつつある。日本はともかく世界的には爆発的な人口増加といわれている。その過程で人間は地球に穴を穿って地下資源を掘り出し、自然を破壊し、海洋や大気を汚してきた。かといって地球に役に立つことを何か一つでもしてきたかというと、ちょっと思いつかない。

 地球から見れば、「人間よ、一体、何考えてんねん。」といわれても仕方がないような気もする。

 ひょっとして、仮に万一、地球にも自らを守る免疫機能があったとしたら、その免疫機能を使って人間を排除しようとしても不思議ではないだろう。

 案外、地球自身がその免疫機能として、人間という地球にとって有害な存在を排除するために、人に有害な病原性ウイルスを自然界の作用を用いて生み出している可能性があったりするのかもしれない。

 新型インフルエンザは、豚や鳥など自然界に存在する動物に感染しているうちに、人間にも感染する能力を得るとも聞いた。そうだとすれば、人にとっての病原性ウイルス=地球の免疫作用?説もあながち突飛な発想とまでは言い切れないような気もしてくるね。

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