バイクの思い出~その1

 私が昔、バイク乗りであったことは何度かブログにも書きました。

 最初のバイクは、ご多分に漏れず、原付スクーターでした。

 大学に入って最初に手に入れたのはホンダのLEADERという車種で、スピードメーターとタコメーターがデジタル表示というのが、妙に斬新でした。 友人のスクーターと加速競争をしたり、大して違わない馬力を比べたり、まるで子どものように楽しんでいました。

 ただ、私が他の友人と少し違ったのは、かなりの長距離も、そのスクーターで走ってしまったことです。大学のある京都から、和歌山県の実家まで約300キロ弱を原付で往復したこともありますし、大台ヶ原まで登ってしまったこともあります。夏場などは暑いのでTシャツで走るのですが、真っ白なTシャツを着て、和歌山から京都まで走ると、表面が排気ガスで薄黒くなっていたものです。

 親からは、半分アホ呼ばわりされていたのですが、当人は全く気にしていませんでした。

 「風を切って走る」と、バイクでの走りは、よく表現されますが、実際にバイクで走ると、風を切るというよりは、風を自分の身体にたぐり寄せて直接体感することで、大気の微妙な変化を実際よりも拡大して感じることができるように思います。バイク独特の爽快感や、自動車では味わえない視界の広さ、走り疲れた後の缶コーヒーが妙に美味く感じること、などが新鮮に思えていたようです。

(続く)

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