ヨーロッパの列車、特に夜行列車は、乗っている者にとって、とても静かに走ります。
駅を出発するときも時間になれば、発車のベルなども鳴らず、音もなく勝手に動き始めるし、軌道の幅が広いせいか、日本の夜行列車ほど揺れないし、レールの音もさほど聞こえません。
夜行列車で旅する際に、私のお薦めする季節は冬です。ただでさえ静かなヨーロッパの夜行列車が、雪に音を消されて、更に静かに進んでいきます。特に月夜であれば、月光に浮かぶ窓外の雪景色は寝てしまうのが惜しいくらいの素晴らしさを見せてくれます。
なんとか、このような夜行列車を上手くお伝えすることができないかと思っていたら、松任谷由実さんの「時のないホテル」というアルバムの中にある、「コンパートメント」という曲が、すごい表現をしてくれていました。
かなり古いアルバムですし、明るい曲ではありませんが、是非一度聞いてみて下さい。