私がまだ、若かった頃、何度か北海道にバイクツーリングに出かけたことがあります。
そのときに、然別湖に立ち寄った際、珍しいナキウサギがいるということで、遊覧船で対岸にわたり、2時間ほどナキウサギを観察したことがあります。なんでも、ナキウサギは氷河時代からの生き残りといわれており、貴重な生き物だということでした。
ナキウサギは、ウサギという名前が付いてはいるものの、実際には耳は大きいわけではなく、ネズミのような感じの動物です。キチ・キチという感じの鳴き声を出します。非常に警戒心が強いということもあり、人間が歩き回っていると出てきません。息を潜めてじっとしていると、ガレ場から出てくることがあります。大抵こちらが予期しない場所に出るようで、数人で観察していたのですが、何度か姿を現した中で、私は、3回ほどちらっと見ることができただけでした。しかし、思いがけず私のすぐ近くに出てきたこともあって、その可愛らしい姿は、しっかり見ることができました。
ナキウサギは学術的にも貴重な生き物だということですが、例に漏れず人間による環境破壊により絶滅のおそれもあるようです。天然記念物に指定するよう求める運動もなされているようです。
可愛らしい動物なので、テレビなどの特集があれば、一度ご覧になってみて下さい。