小さい頃実家でチャボ(小型の鶏)を飼っていたためか、空への憧れがあったためか、鳥インフルエンザの恐怖にもかかわらず、私は結構、鳥類が好きな方です。
これまで、巣から落ちた四十雀(シジュウカラ)のヒナや、台風の時に強風で琵琶湖の湖畔の道路に落ちていたユリカモメ等を、拾った経験があります。
いずれも救助したつもりでした。
ユリカモメの方は、手近な警察に届けたところ滋賀県の保護鳥でもあったらしく、回復後に滋賀県の森林公園に放されたとの連絡を頂きました。
ところが、シジュウカラの方は、京都市動物園に届けたのですが、後日、「衰弱が激しく、手当のかいなく、死亡しました。」との悲しい連絡が来てしまいました。
その後、日本野鳥の会などが、「巣から落ちたヒナを拾わないように」とのキャンペーンを行っていることを耳にしました。様々な理由から、生まれて間もない場合、ケガをしている場合を除いて、ヒナを拾うことは決して良いことではないようなのです。
私は、猫やカラスに襲われると可哀相だと思って助けたつもりだったのですが、必ずしも、ヒナのためにはならない場合もあったようです。
ところが、先日、足下でぴいーぴいーと、小さな鳴き声が聞こえました。おかしいと思ってあたりを見ると、歩道の脇にスズメのヒナが、落ちていました。まだ、誰にも気づかれていないようです。上を見上げると親鳥と思われるスズメが、落ち着かないように行ったり来たりしています。
私が、どうしようかと思って、ヒナを見たところ、ヒナは慌てて歩道から人家の玄関脇までヨチヨチと歩いて逃げました。相当、人が怖いようです。ここで拾っても、ヒナにストレスを与えてしまい、ヒナのためにならないかもしれません。私は、日本野鳥の会などのキャンペーンを思い出し、その場所が自転車や人に踏みつけられる場所ではないことを確認した上で、かわいそうに思う気持ちをぐっと押さえつけ、その場を立ち去りました。振り返ると自分の気持ちに負けそうだったので、意識して振り返らないようにしました。
しかし、果たしてそれで良かったのか今でもわかりません。ひょっとしたら保護して動物園に届けた方が良かったのではないか、と考えてしまうこともあります。
無事に成鳥になってくれればいいのですが。