共通一次の想い出~その1

 この土日に、センター試験が行われました。受験生の皆さんお疲れ様でした。あと一息頑張って下さいね。

 ところで、私はセンター試験ではありませんが、共通一次試験を受験した世代です。特に、当時は国立大学を受験する場合は必ず受験しなければならず、しかも5教科7科目を全て受験する必要がありました。その点私立大学受験者は、共通一次試験を受けなくても良いし、科目数も少なくてすむので、少し羨ましく思ったものです。

 さて、私が高3で受験した共通一次は、和歌山大学で行われました。そのころ、私の通っていた新宮高校は三重県との県境にあり、和歌山大学のある和歌山市まで特急列車で4時間ほどかかる遠隔地でした。そうなると、当然自宅から通って受験するわけに行かず、高校で共通一次ツアーを組んでもらって、そのツアーに申込み、ホテルに泊まり込んで受験しなければなりませんでした。実際は自宅から受験できる和歌山市の高校生より不利だったと思います。

 ところが、この共通一次ツアーが意外に想い出に残っているのです。当然、高校3年生ですから、ホテルなんてほとんど泊まったことがありません。しかも、万一の事故に備えてのことですが、部屋割表が配られており、どの部屋にどの生徒が宿泊しているかすぐに分かるようになっていました。

 初めての本番の共通一次、しかも、ホテル泊まり込み!という異常な状況で、まだまだ尻の青いガキだった私達が興奮しないわけはないのです。「スリッパで床の絨毯をこすって静電気を貯め、ドアのノブに人差し指をそっと近づけて放電させて喜ぶ奴」とか、「浴衣を着て廊下を徘徊する奴」とか、「ここまで来たら一緒だからと、他人の部屋に入り込んで緊張をほぐすという名目でだらだら話している奴」とか、結構いたものです。

 私はその、3番目にあたりました。私とT君・F君・U君らと、一つの部屋で明日の試験に向けて、他愛のない話をしながら緊張をほぐしていたのです。ところが、当然その世代の男の子ですから、いつの間にか「お前誰が好きやねん」という話になっていきます。なぜだか分かりませんが、異常な緊張状態ですから「ここまで来たら言うしかないやろ」などと、訳の分からん理由で、次々自分の好意を持つ女性が誰であるかを告白させられるという、大暴露大会になっていきました。

 そのうち、Fくんの好意を持っている女の子がUさんであり、Uさんも、この共通一次ツアーに参加していることが分かりました。さらに、都合が良いことに、ホテルの部屋同士は無料で通話できるシステムがあることも分かりました。一番肝心な彼女の部屋は既に部屋割表で分かっています。

 3人の悪ガキは、このF君の状況を見て見ぬふりをするには、あまりにも幼すぎました。

 そして・・・・・

(その2に続きます。) 

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