J・Sバッハ カンタータ BWV106番

 バッハ、クラシック音楽、カンタータ、なんて聞くと、もう嫌だという人もおられるかもしれませんね。

 しかし、このカンタータは私はお勧めだと思います。哀悼式典用に作曲されたカンタータで、題名は訳した人によって多少違いますが、「神の時こそいと良き時」という意味だそうです。

 私は、クラシック音楽に関する知識はほとんどありませんから、個人的に好きかどうかくらいのお話しかできません。曲自体に関する解説は、評論家など専門の方の書かれた文章を参考にして下さい。

 さて、この曲ですが、哀悼式典用の音楽ですから、誰か親しい方が亡くなった場合に演奏されたものなのだと思います。

 しかし、決して重苦しい悲しみだけを表現した音楽ではないように思います。私がこの曲から受ける印象は、「親しい人が永遠の眠りに就き、良く晴れた冬空の下、葬儀の帰り道にもう会えない人との時間を思い出しながら大きな糸杉が植わった誰もいない並木道を1人歩き続け、ふと見上げた時に、どこまでも晴れ渡った青空に気づいたときの感覚」に近いというものです。この曲には不思議なそして静かな明るさがあるような気がします。

 「車輪の下」等の小説で有名な作家のヘルマン・ヘッセもこの曲が好きだったようで、彼の小説「デミアン」の中に、この曲のすばらしさを記した部分があります。

 私の持っているCDは、カール・リヒター指揮のものですが、他の指揮者の方の演奏も発売されているので是非お試しを。

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