三浦九段の疑い晴れる~将棋

 対局中に離席し、コンピューターを使ってカンニングをしたのではないかという疑惑をかけられていた三浦九段の疑いが晴れた。
 報道によれば第三者委員会による調査では、三浦九段の不正行為は認められなかったようだ。

 昨日のインタビューで、三浦九段は、出来れば元の状態に戻して欲しいと述べていた。
 その気持ちは痛いほど分かる。
 しかし現実には無理だ。

 日本将棋連盟は、三浦九段の順位戦の地位(A級の地位)を保全すること、不戦敗ではなく不戦扱いにする等の措置を講じるようだが、挑戦者交代とならざるを得なかった竜王戦ではタイトルが取れていた可能性もあるし、挑戦者としての対局料等の問題もあって、今回の騒動で三浦九段がこれまで被った不利益を補填することは相当難しいだろう。

 よく人は過ちを犯す。そして他人に迷惑を掛けることがある。
 その場合、あんなことをしなければよかった等と後悔することになるが、時間を戻すことは誰にも出来ない。後悔しても過去に生じた事態は何ら変わらないし、変えられない。
 ただし、未来は自分の意向で変えられる。

 自らに過ちがあったのであれば、心から謝罪をして許しを請い、相手が理解してくれようがくれまいが、誠意を持って相手が被った損害以上の恩返しをしていくしかないように思う。

 上記の観点から考えると、日本将棋連盟HPに記載された谷川会長の会見要旨は、さすがによく練られていたとは思うが、「三浦九段についても、8月8日に連盟が長時間の離席を控える旨の通知書を送った後は、かなり控えておられますが、7月の対久保戦についての、トータルの離席時間は長かったと報告書に記載されております。」の部分だけは不要だったのではないかと思う。

 いずれにせよ、三浦九段が疑いが晴れて対局に復帰できることは喜ばしいことである。また私は、随分前から谷川浩司九段のファンでもある。
 これまでのいきさつを水に流して、素晴らしい将棋を見せて頂けることを期待している。

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