8月から、日弁連の法曹人口問題政策会議に参加している。今は、日弁連の会場が一杯で使えないということで、この会議は東京、四谷の主婦会館を会場にしている。
四谷は新幹線を降りて中央線快速に乗り換えてすぐなので、地下鉄乗り換えが必要な東京地裁のある霞ヶ関より少し便利は便利だが、日弁連の会場もそんなに混んでいるのかと不思議に思う。
実は、JRの四谷駅は、大学受験で何度か来たことがある。まあ、当時高校生だった私は、少々恥ずかしい理由で上智大学を受験したということだ。しかも、親に無理をお願いして法学部法律学科と国際関係法学科と二つも受験させてもらった。
結果的に、私は京都大学法学部に進学したのだが、四谷駅の前にくると、当時の不安に満ちた心境を、未だに懐かしく思い出す。
法曹人口政策会議は、主婦会館の地下二階のホールで行われる。事前に理事会が開かれており、これには委員は参加できない。参加できるのは、14時からの運営会議になる。
出席簿に名前を記入し、ネームプレートを探して、会議場に入る。席は基本的に自由席だ。
残念ながら、会議の内容について、「ブログなどで公開するな」と釘を刺されているが、日弁連会員用HPなどで、会議の概要は把握可能である。
ただ、会議の本当の雰囲気・内容は、傍聴してみないと分からない。私も、今年1月の法曹人口に関する日弁連の法曹人口検討会議を初めて傍聴したのだが、そのときは、法曹人口5万人をめざすとして、その後、どうするかという点について、日弁連内において何らの合意・方向性が形成できていないことに驚愕したものだ。有り体に言えば、仮に法曹人口5万人を目指すとしても、法曹人口が5万人になった後のことは、日弁連は何~にも考えていなかったのだ。
現在、日弁連には司法試験合格者を増減する権限は全くない。だが、法曹当事者であるからこそ分かる制度の歪みなどの真実もある。そのような真実は、やはり、提言していくべきだろうと、私は思う。もちろん、未だにこれまでの路線にこだわる人もいる。しかし、「過ちは改むるに憚る事なかれ。」であって、過ちを過ちと認めない方がもっと罪が重いように思うのだ。
先に述べたように、本当の会議の雰囲気や内容は、直接傍聴してみないと分からない。法曹人口問題政策会議では、是非多くの弁護士の方に、傍聴して頂いて、どのような議論がなされているか現実に理解していただきたいと強く思う。
今は、帰りの新幹線の中である。19:50発、のぞみ123号広島行き。東京発広島行き直通の「のぞみ」はこれが最終のようだ。私はこの列車に揺られ、時速270キロで東京から遠ざかる。
東京と広島で遠距離恋愛しているカップルにとっては、多分、この列車がシンデレラ・エキスプレスということになるんだろうな、などとぼんやり考えながら。
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