公平じゃないでしょ!!

 大阪弁護士会から、臨時総会をするので、出席するか議案書を見て賛成か反対の投票(代理人選任届)をするようにとの連絡文書が入っていました。

 とにかく日弁連執行部、大阪弁護士会執行部は、その場しのぎで大抵ろくなことをしてくれないことがほとんどなので、大抵はなにも考えずに反対欄に○を並べて、提出するのですが、今回は、どうしても反対すべき議案がありました。

 第13号議案、国選付添人にも5%の負担金を課するという議案です。

 国選付添人とは、少年事件の国選弁護のようなものと考えて頂いてかまいません。しかし多くの少年事件は国選弁護事件に比べて非常に手間・暇がかかる事件です。それは、大人の事件であればこの犯罪に対してこの罪と、やったことに対して罰を与える観点で見ればいいのですが、少年事件の場合は少年にどういう問題があって、どうすれば最も立ち直りに役立つかという観点が必要になってくるからです。しかも、手間がかかる上、鑑別所が遠い堺にあることもあって、少年事件をやりたがらない弁護士が多いので、実際には少年事件をやれる弁護士が赤字覚悟で、ボランティア精神でやっているのが実情です。

 その国選付添人の報酬に5%の負担金をかけるなど、2重の負担をかけるものです。国選付添人をやるだけでもペイせず、ボランティア精神でやっているのに、さらにその仕事に対してわずかながら出た報酬からもピンハネするというものだからです。むしろ、国選付添人制度を弁護士会で維持していかなければならないのであれば、国選付添人事件をやらない大阪弁護士会員からお金を取って、国選付添人にお金を回すのが筋だと思います(同じことは国選弁護事件でも言えます)。

 今回の場合、議案提案理由を見てみると、あきれたことに、国選弁護事件では報酬額から5%の負担金を徴収しているのであるから、それとの公平の観点から、国選付添人の報酬にも5%の負担金をかけようという理由なのです。

 ボランティアからピンハネしている、国選弁護負担金という実に不公平な制度が存在し、その制度の不公平さをなんら見ずに、国選付添人も国選弁護と平等に負担金を課するのが公平だ、というのですからひどいものです。

 例えとしては不適切かもしれませんが、「ある国で、(誰かがやらないと制度が維持できないので)同じ国民であってもある人達はボランティアの仕事をしなくてはならず、しかも、そのお金にならない仕事のわずかな報酬から税金を5%余分に払わされる。そうでない人達は、(制度を他人に維持してもらった上で)お金にならない仕事はしなくて良く、余分に5%の税金を支払う必要もない。」といった不公平な制度があったとして、さらにお金にならないボランティア的な仕事が増えたときに、「新しい(お金にならない)仕事についても、同じようにわずかな報酬から税金を5%余分に払わせる。これが公平ってもんだ。」と言っているようなものです。

 公平じゃないでしょ!公平の意味が分かっていないか、公平の意味をわざと曲解して用いているとしか思えません。本当に公平を言うのであれば、国選弁護・国選付添人をやらない弁護士との公平を図るべきでしょう。

 弁護士会執行部は、もう、いい加減にして下さい。 直ちに議案を撤回して下さい。

 現実を見て下さい。

 国選弁護・国選付添人を支えている方々に、本当に愛想を尽かされますよ!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です